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“京都愛”が強すぎて大騒動…!シニカルコメディ『ぶぶ漬けどうどす』深川麻衣&室井滋インタビュー


京都を舞台にした映画『ぶぶ漬けどうどす』が2025年6月6日より公開中。このシニカルコメディは、京都の奥深い文化と歴史に魅了されたフリーライター・澁澤まどかを中心に描かれており、彼女の奮闘が思わぬ大騒動へと発展する。主演は深川麻衣と室井滋、京都の伝統文化と本音と建前のギャップを描く物語。撮影は実際に使われている場所で行われ、特別な空気感があると語られた。監督の冨永のユニークな演出にも注目。京都の人々との交流や撮影裏話にも触れながら、楽しさ満載の撮影現場が伝えられている。

京都が好きすぎる主人公が、“京都愛”が強すぎるために大騒動を引き起こしてしまう 映画『ぶぶ漬けどうどす』が、2025年6月6日(金)より公開中です。

本作の舞台となるのは、歴史に名を残す寺社仏閣が点在する美しい街並みや、 悠久の時を超えて受け継がれてきた伝統文化が、世界中の人々を魅了する古都・京都。そんな京都が大好きすぎて、この街のいちばんの理解者になろうとした主人公が、 思いもよらず引き起こした大騒動を描くシニカルコメディが誕生しました。

東京から京都の老舗扇子店に嫁いできたフリーライター・澁澤まどか(しぶさわ・まどか)を演じるのは、 シリアスからコメディまで多彩に演じる俳優・深川麻衣。まどかの義母である老舗扇子店の女将・澁澤環(しぶさわ・たまき)には、 40年以上のキャリアを持ち今なお活躍の幅を広げる室井滋。お2人に撮影の思い出や作品の魅力についてお話を伺いました。

――本作とても楽しく拝見しました!共演する前に楽しみだったことと、実際に撮影を経て感じたことを教えてください。

深川:初めて室井さんにお会い出来ることが純粋にすごく楽しみでした。ずっと作品で拝見していた室井さんと、近い関係性の役柄でご一緒出来ることが嬉しくて。現場で室井さんはとても気さくに話しかけてくださって。撮影した時期がめちゃくちゃ寒かったんです。そんな時に「体が冷えるから、あったかいうどん食べに行こう」と誘ってくださったり、美味しいご飯屋さんも連れていってくださり、その温かさに支えられていました。

室井:顔合わせの様な感じでお会いしたのが初めてだったのですが、この方がまどかちゃんを演じるんだ可愛いなと思って。撮影現場に入って、最初は緊張しているかな?という雰囲気もあったけれど、だんだん迫力が出てきて。その成長ぶりというか、変貌ぶりが映画のストーリーにピッタリでしたし、最後に“京都人”になっていく感じが素敵だなと思いました。

――室井さんはいつも現場では率先して共演する方に話しかけたり、ご飯を企画したりされるのですか?

室井:今回、口の中がすんごく楽しみにしていたんですよ。「京都に行ったら何食べよう」みたいにいくつか目星をつけていて。でも、京都のホテルが海外の観光客の方で埋まってしまっていて、私たちは京都に泊まれないということが分かって。滋賀県に泊まりながら撮影していたのですが、すごく寒いから「あったかいもの食べて頑張ろう」って、撮影の楽しみにしていたところもあります。滋賀の焼肉屋さんも行きましたね。近江牛を贅沢に出してくださってとても美味しくいただきました。
あと、撮影現場の近くに美味しいうどん屋さんを見つけて、そこの奥さんがすごく親切で、お客さんでいっぱいでも台所の片隅で食べさせてくださったり。こういう優しいお店だったら(深川さんも)連れていけるわと思って。

深川:すごく美味しくてあったかくて沁みました。あとは、それまで京都といえばおばんざいなど、和食のイメージだったのですが、カレーや焼肉も有名なお店が多くて。行きたいお店をGoogleマップにたくさんメモしていました。撮影の合間のご飯って本当に楽しみの一つですよね。

――本作でも街並みが綺麗に映されていたりして、それを見ているだけでも楽しかったのですが、京都での撮影はいかがでしたか?

深川:撮影前から唯一無二な場所という感覚があって。街並み、歴史あらゆる部分で特別ですよね。実際に「ぶぶ漬けどうどす」みたいな言い回しって本当に使われているのかな?というまだ謎に包まれている部分もありますし。これまで観光でしか行ったことがなかったので、新しい発見もありました。

室井:京都の人には「本音と建前の文化がある」というのは昔から言われていて、「あの(京都の)撮影所、ちょっと恐いよ」なんて言われても、実際はすごく優しかったりして。どこの県でも裏表を使い分けている場面ってあると思うのですが、京都にははんなりしていて物腰が柔らかい方が多いから、注意されたり怒られた時にそのギャップに驚くのかもしれないですね。
あとはやっぱり歴史がすごくて、パワースポット1つにしたって、山のようにあるわけじゃない。歴史が長い分、あらゆる人々の思惑なんかが入り混じっていて、面白い土地になっているのかな、なんて思いますね。

――ロケーションがすごく素敵でした。

深川:実際に普段使われている場所での撮影はセットとは違うリアルな空気感がありましたね。扇子屋さん以外も、銭湯をリノベーションしたカフェや老舗の和菓子屋さんなど、実在するお店で撮影できたのがすごく良かったなと思って。

室井:私たちの家での撮影で、台所なんかもう素晴らしくって。本当にこうやって毎日ご飯が炊かれていて、お味噌汁もお出汁をちゃんと取って、食べているんだなあと思って。日々生活がそこで行われていることを想像していいなあ、素敵だなあと感じていました。
実はこの扇子屋さんは以前から知っていたんです。

深川:室井さんに関わりのあるお店だったんですよね!

室井:偶然なんですけれど、台本を読んでもしかしたらと思ったら、本当にそのお店でした。20数年前から夏のお中元に扇子を送っているのですが、こちらのお店で注文させてもらっています。最初は富山の友人の業者から注文をしていたので、(扇子屋さんは)私の名前もご存知なかったのですが、途中からオリジナルの扇子も作ってもらうようになって。だからすごくご縁を感じて、このお店に“呼ばれた”感覚がありました。
劇中で、投扇興という京都の伝統的な遊びを再現しているシーンがあるのですが、扇子屋さんでもお客さんにその遊びのお話をされている場面を目撃したこともありましたし、京都の伝統みたいなものを県外の方や外国の方に知ってもらう活動をしているんだなあと感銘を受けて。ただお店で物を売るだけでは無い、京都文化を大切にされている所が素敵だなと思いました。

――素敵なエピソードを教えていただきありがとうございます!冨永監督の作品には監督にしか出せない独特のテンポ感があるなと感じているのですが、出演されていかがでしたか?

深川:どんなアイディアが飛び出すのか分からないドキドキ感がありました。前日の夜に「明日のこのシーンはきっとこんな撮影かな」と想像して行くのですが、実際の現場ではその想像を遥かに超えてくる演出をつけてくださったり。冨永監督がすごいなと思うのは、事前にプランを考えてくる部分もあると思うのですが、「現場を見てお芝居を決める」という撮り方をされていて。冨永監督の刺激的な演出に、現場のみんなも乗っかって、1つの波を乗りこなしていく様な楽しさがあったんです。仕草なども、台本に無かった部分を現場でたくさん付け足していて、すごくライブ感がありました。

室井:いつも笑顔というか、ニヤニヤされていたのが印象的でした。映画監督って現場で静かな方もたくさんお話しする方もそれぞれいらっしゃると思うのですが、冨永監督は自分の中でも演じているというか、役者さんと一緒に身体を動かしている感覚だと思うんですよね。面白いシーンを撮ろうとした時に言葉で説明するのではなくて、自分がちょっと演じて見せてくれる、そんな所もらしさかなと思いました。

――観ていてニヤリとしてしまうシニカルさとコミカルさがありますよね。

室井:まどかちゃんは、東京から京都に来て「面白い漫画を作るぞ」って真っ直ぐなのですが、女将さんはちょっとくたびれていて、経営とか息子の将来とかどうしよう…って複雑な感情を抱えていますよね。そこにお嫁さんがやってきて、また動きがあって、という役柄で、そのくたびれ感をリアルに演じつつも、可笑しくなくてはいけないという匙加減が必要でした。ちょっと迷った時に監督が「ここはこのくらいで」と説明して導いてくださるのでありがたかったです。

深川:私が本番で間違えちゃったセリフを、「その間違えたセリフの方が良いから、もう一回お願いします」って使ってくれたりして。役者の気持ちに寄り添いつつ、幅を広げてくれた感じもあって。まどかが持っている感情と思惑と、実際にしている行動、仕草を繋げていくことに悩んでいたのですが、そうやって監督が輪郭を作ってくれていたので楽しく演じることが出来ました。
視覚的にも細かな所までこだわられていて、私が今まで体験してきた衣装合わせの中でも、ここまで監督が意見を出していることが初めてでした。こういう衣装がいいとか、こういう髪型にしてほしいなど、明確に言葉にしていて。冨永監督の見えている世界を私も想像しながら、擦り合わせていく時間がすごく楽しかったです。

――今日は素敵なお話をありがとうございました!

撮影:たむらとも

【ストーリー】京都の老舗扇子店の長男と結婚し、東京からやってきたフリーライターのまどかは、数百年の歴史を誇る老舗の暮らしぶりを
コミックエッセイにしようと、義実家や街の女将さんたちの取材を始める。ところが、「本音と建前」の文化を甘く見ていたせい
で、気づけば女将さんたちの怒りを買ってしまう。猛省したまどかは、京都の正しき伝道師になるべく努力するが、事態は街
中を巻き込んで思わぬ方向に──。

(C)2025「ぶぶ漬けどうどす」製作委員会

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