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草彅剛主演最新作『碁盤斬り』白石和彌監督インタビュー 「日本一復讐が似合う」「汚れていく浪人姿を惚れ惚れしながら見ていました」


『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した草彅剛さんが主演した映画『碁盤斬り』(ごばんぎり)が、5月17日(金)、TOHOシネマズ日比谷ほかにて公開となります。

本作は、ある《冤罪事件》によって娘と引き裂かれた男が、父として、そして武士としての誇りを賭けた《復讐》を描く、感動のリベンジエンターテイメントで、怒れる草彅さんの熱演も見ものの話題作です。

監督は、第42回日本アカデミー賞優秀監督賞受賞の『孤狼の血』など映画界で高い評価を受け、本作が自身初の時代劇となった白石和彌(しらいしかずや)監督。草彅さんの魅力をはじめ、お話をうかがいました。

■公式サイト:https://gobangiri-movie.com/ [リンク]

■こういうサムライを撮りたかった

●怒れる草彅さんに俳優としての魅力や底力を改めて感じる上映時間でしたが、監督ご自身はどのような印象を持ちましたか?

僕は底がない方だと思いました。撮ってみると本当の草彅さんがどこにいるのか分からなかったですが、でも全部本当の彼であり、全部幻のような気もする。雲をつかむような人だなと思いました。芝居を何度もつけて、ということもしていない。そんなに準備期間もあったはずもない。ただ、本の感想を聞いた時、「分からないことは何もない」と言っていて。

●ものすごく頼もしいですね。

凄い人だなと思いました。あのあと朝ドラの『ブギウギ』の撮影があり、いま樋口監督と『新幹線大爆破』を撮っている。もう高倉健さんみたいになるんだろうなと(笑)。その途中にいるという感じですよね。それこそ『用心棒』の時の三船敏郎くらい、薄汚れた感じがかっこよかった。そういうレベルに行ってしまったのだなという感じがしますけれどね。

●スクリーンに映る草彅さんは、演じるキャラクターの深さや複雑さを丁寧に表現されていましたよね。

今思えば『ミッドナイトスワン』もそうでしたよね。こういう人なのかなと思っていたら、もう彼は次の作品に行っていて。こちらが追いつくのが大変という(笑)。僕は元々草彅さんが好きでいろいろな作品を観ていて、今回の草彅さんは手前味噌ですが、汚れていく浪人の感じなど、かっこいいなと思いました。撮影で毎回惚れ惚れしながら見ていましたから。

この映画、前半は元になっている落語の人情劇で、途中から復讐劇が始まるから、そこからトーンを変えたいと思っていたんです。若干西部劇っぽい感じにならないかなと思ってやっていたのですが、草彅さんの無精ひげで陰る感じとか見ていて、こういうサムライを撮りたかったと(笑)。

■「昭和っぽい画」と言われることがコンプレックスでした

●監督ご自身にとって初の時代劇ですが、その感想はいかがでしたか?

水に合っているなと思いました。面白かったです。僕は昔から「お前が撮ると昭和っぽい画になるよな」とずっと言われ続けていて(笑)。それって最初はコンプレックスだったんですよ。もっとポップな映像が撮りたいと。でも『孤狼の血』ではそれがマッチしたので、だんだんと個性だと思うようになり、受け入れるように気持ちをチェンジしたんです。

●わりと最近まで悩まれていたんですね。

そうですね(笑)。そうしたら時代劇がよりいいかもと思ったので、これはもっと突き詰めてやってみたいなと思いました。あの個性は昭和っぽいわけじゃなかったんですよ。僕の映像は江戸っぽかったという(笑)。今回の『碁盤斬り』を経て、より両方に行けることが分かったので、残りの人生の入口を開けた感じがありますね。

あとやってみて分かったのですが、時代劇ってファンタジーなんですよね。結局、観たことある人はいないわけじゃないですか。映像もないですし。撮影にあたってはいろいろと制約があるので、調べて調べて考えて考えて積み上げて。でも、「最後こうしたいです」「いいんじゃないですか」という快感があるんです。調べて考えて積み上げたものを、最後の最後に壊せる快感があるところがいいですね。

■草彅さんは復讐が日本一似合う人

●鑑賞途中でカラーが変わると言われていましたが、みなさんにはどういう気持ちで観てほしいでしょうか?

時代劇と言い過ぎるのもどうかと思っていまして、普通にひとりの男が大切なもののために復讐していくという話でもあるから、それを起点に観ていただければ普通に楽しめると思います。元々は落語ですしね。

実は草彅さんは「戦争シリーズ」もそうですが、特に復讐が日本一似合う人だと思っているんです。あと実はおっさんずラブの要素もあります。國村隼さんが囲碁を通して草彅さんに片想いしていくんですよ。その恋の行方はどうなのか、そこも注目して観てほしいです。

■ストーリー

浪人・柳田格之進は身に覚えのない罪をきせられた上に妻も喪い、故郷の彦根藩を追われ、娘のお絹とふたり、江戸の貧乏長屋で暮らしている。

しかし、かねてから嗜む囲碁にもその実直な人柄が表れ、嘘偽りない勝負を心掛けている。

ある日、旧知の藩士により、悲劇の冤罪事件の真相を知らされた格之進とお絹は、復讐を決意する。

お絹は仇討ち決行のために、自らが犠牲になる道を選び……。父と娘の、誇りをかけた闘いが始まる!

(C) 2024「碁盤斬り」製作委員会

(執筆者: ときたたかし)

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