13日から始まった『ブギウギ』第7週が終わった。演出家・松永大星(新納慎也)からの引き抜き話に揺れたスズ子(趣里)が描かれた。
梅丸楽劇団(UGD)の旗揚げ公演から1年、スズ子は秋山美月(伊原六花)とともに人気者になっていた。そんな折、松永から「内緒の話がある」とお茶に誘われ、「僕と一緒に日宝に行かないか」と、ライバル会社への移籍を持ちかけられる。
日宝の社長から梅丸の1.5倍のギャラを出すと口説かれるスズ子。だが梅丸への義理を欠くことから返事できずにいるスズ子に、松永は「君が欲しい」と説得する。この後、梅丸に移籍話がバレたスズ子は、松永に「一緒に逃げて欲しい」と懇願。さらに松永への恋心を打ち明けるも、松永はアメリカに恋人がいるとして、その告白を断る。
結局、スズ子は羽鳥善一(草彅剛)の手がける曲を歌いたいと、梅丸に残ることを決意。松永は、そんなスズ子の選択を応援するのだった。
ネットの評判はどうだろうか?
・松永さん、スズ子の恋心利用して引き抜いちゃうのかとドキドキしたけど、ちゃんとスズ子の気持ちを受け止めて断ったのは誠実だと思う~ けどおでこにチューはアカン!!
・スズ子の初恋(多分)、松永さんで大正解だった気がするわ 誠実に振ってくれたしねぇ
・日宝はスズ子とセットで松永を引き抜こうとしたんだよね。スズ子に「逃げ」られた松永氏は、どーなる?
といった声が寄せられている。
実際のモデル・笠置シヅ子にも、かつて松竹から東宝への引き抜き騒動があったという。その際は、羽鳥のモデルである服部良一が間を取り持ち、シヅ子は松竹に残ることになったそう。
惜しむらくは、ドラマのほうでも羽鳥がスズ子の移籍を阻止しようと働きかけてくれれば、その後の2人の関係性もどうなるか期待が高まったのだが、劇中ではそこまで介入してこない。
それでも羽鳥は、これ以上歌う資格がないと嘆くスズ子に「僕が(君の歌を)聴きたいんだよ!」と情熱をぶつける。また、宮本亜門演じる作詞家・藤村薫のアクの強いキャラクターも見どころだ。
2人については、こんな声もある。
・スズ子が引き抜かれそうになってドタバタ怒る羽鳥先生、スマスマで培った剛ぽんのコメディセンスが炸裂している
・羽鳥善一先生、ちょっとキャラ変が・・・・。
・今日も羽鳥善一と藤村薫の『妙に明るいおじさん』のキャラが炸裂され笑いが止まりませんでした
羽鳥は、最初に登場した頃の、つかみどころのない人物造形から、感情をあらわにする分かりやすい性格に変わったように思える。また藤村も負けず劣らず、天才肌ぶりを描こうとしたのか、スズ子にいきなり「一番最近したキスは? いつ、どこで、誰とだよ!?」と、今ならセクハラで訴えられる質問を矢継ぎ早にしていた。
ストーリーの荒さや淡白な部分は未だにあるものの、松永、そしてこのクリエイターコンビのキャラの面白さで見てしまった週ではあった。次週は戦争の色が濃くなりそうな展開。まだまだ『東京ブギウギ』誕生は遠そうだ。
(執筆者: genkanaketara)