高校生たちが日本の未来を問う社会派青春映画『君たちはまだ長いトンネルの中』が現在公開中です。本作はネットで話題になった漫画「こんなに危ない!?消費増税」の映画化で、加藤小夏演じる政治や税制の知識に精通する女子高生が、次々に大人たちを論破していく物語。その彼女の同級生で税金や政治に無知な安倍君を、数々の人気舞台へ出演する北川尚弥がピュアで等身大のキャラクターとして好演しています。お話を聞きました。
■公式サイト:https://www.kimiton.com/ [リンク]
●税金や財源など、かなり現代社会や政治のことを描いている作品でしたが、出演してみていかがでしたか?
僕が演じている高校生は、お金のことに無知なんです。同じクラスの高橋アサミ(加藤小夏)からいろいろと受け取りながら成長していく立ち位置なのですが、この映画を観る人の視聴者目線としても彼は存在しているんです。安倍君がアサミにいろいろ質問して教えてもらっている立場だと思うので、その目線で安倍君を受け止めたら、より楽しめるのかなと思いますが、そういうことを感じ取って観ていただければと思います。
●ちなみに安倍君は、ご自身と似ていますか?
そうですね(笑)。僕もそれほどお金や政治について詳しくはないので、僕自身も教えてもらいながら、そういう面を吸収しながら撮影に挑めたので、とても勉強になりました。
テレビなどで老後の2,000万円問題などを聞いたこともあり、未来のことはどうなるかわからないですよね。今はよくても今後はどうなるかわからないから、先手を打って自分の身は自分で守らなければいけないなと、そういうことを改めて感じた部分ではありました。
●すでに何か対策はしていますか?
まったく出来ていないですね(笑)。ただ、小さなことで言うと、なるべく浪費をしない。仮に貯金をしても30年後、40年後に円の価値がどうなっているかわからないから、海外通過で投資をしたり、積立NISAをしたり、そういうことを20代で始められたらいいなと思うので、ゆくゆくは始めてみたいと思いつつ、なかなか一歩目が踏み出せていないですね。
●高橋アサミ役の加藤小夏さんの印象はいかがでしたか?
加藤さんの役は説明をするセリフが多かったので、安倍君がわからないから「教えて!」みたいなシーンが多かったんですよね。なので、たくさんいろいろなことを教えてもらったような気がします(笑)。
●監督は安倍君というキャラクターについてどう説明していたのですか?
僕の役は視聴者目線、みんなが疑問に思っていることを安倍君が説明してくれるから、その気持ちになってやってほしいというリクエストはありました。なので、それに答えられるように演じるようにはしていました。
●その意味では合格点ではないでしょうか?
そう映っていればうれしいですね。俳優としての課題はまだまだたくさんあり、僕自身も映像の経験がそれほどなかったので、これからまた違う作品に出演させていただくことがあれば今回の反省点を意識して、次のステップにいければいいなと思っています。
■ストーリー
元財務省の父、高橋陽一郎(川本成)の影響をうけていた高橋アサミ(加藤小夏)は、高校3年生にして、政治に対し人一倍強いイデオロギーを持っていた。それゆえ、政治経済の授業でも、疑問に思ったことを先生に問いかけ、論破するほど。外部相談役の二階堂議員(萩野崇)から注意を受けても、自分で調べ自分で辿り着いた答えを曲げることはなかった。
とはいえ、まだアサミはどこにでもいる女子高生。彼女ひとりでこの国を救えるわけもなく、自分ができる事といえば、父が他界したのち面倒みてもらっている親戚・長内夫婦(モト冬樹・かとうかず子)の店や、衰退していく商店街を少しでも盛り上げることぐらい。
最初の頃、アサミをクラスの厄介者だと思っていた同級生の安倍(北川尚弥)や中谷(定本楓馬)も、少しでも自分たちの未来を明るくしたいと奮闘するアサミの姿や行動を見ているうち、次第に応援するようになる。
ある日、アサミと中谷は商店街のお祭りについて取り上げてもらおうと地元の若手新聞記者の荒畑(高橋健介)に掛け合いに行く。
その帰り道、元戦隊ヒーローとして活躍していたタレント議員の武藤(蒼木陣)と遭遇する。
またとないチャンスと思いアサミは、武藤に駆け寄り「総理大臣に会わせてほしい」とまさかの直談判。
そのあと、急展開がアサミに巻き起こる・・・。
20年以上デフレとパンデミックに見舞われたこの国で、自分たちに何ができるのか、その問いを青春映画として昇華した異色の作品。
公開中
(執筆者: ときたたかし)