2021年度開催、第74回カンヌ国際映画祭で、パルムドール(最高賞)に輝いたジュリア・デュクルノー監督の『TITANE』(原題)が邦題『TITANE チタン』として、4月1日(金)より全国公開となります。
2018年『万引き家族』、 2019年『パラサイト 半地下の家族』、 2020年開催中止、そして再開した2021年、カンヌ国際映画祭が頂点に選んだのは『TITANE/チタン』。その衝撃でカンヌをどよめきで揺るがせた圧倒的怪作がいよいよ日本公開となります。
監督を務めたのは、フランス人女性監督で鮮烈なデビュー作『 RAW ~少女のめざめ~』で、世界にその名を知らしめた ジュリア・デュクルノー。カンヌ国際映画祭のパルムドールを 女性監督単独受賞したのは彼女が史上初となります。また、長編2作目にして最高賞を奪取するという偉業を成し遂げ、更にはその勢いはとどまることを知らず世界各国108ノミネート25受賞と映画祭・映画賞を席巻中です。
そのジュリア・デュクルノー監督の勢いのままに、昨年8月に行われた 第78回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞(最高賞)を受賞したのは『Happening( 英題 』の オドレイ・ディワン監督。 彼女も長編2作目にして最高賞に選ばれる功績を残しています。
そして、今年2月に行われた第72回ベルリン国際映画祭で金熊賞(最高賞)に輝いたのもスペインの女性監督 カルラ・シモン の『Alcarras (原題 』。彼女は日本でも2018年に公開された『悲しみに、こんにちは』で注目を集め、スペインのアカデミー賞といわれるゴヤ賞を2018年に受賞しています。
世界3大映画祭が続いて最高賞に女性監督を選んだことは今までになく、映画史の転換点となった出来事。ベルリン映画祭では昨年度から男女の性別を
なくし、“俳優賞”として演技部門を設けることになるなど、新時代の映画界へ向けた動きが活発。今後も賞レースを賑わすであろう彼女らの活躍からも目が離せません。
◆ジュリア・デュクルノー監督
『TITANE /チタン』 4月1日(金)公開
幼い頃、交通事故により頭蓋骨にチタンプレートが埋め込まれたアレクシア。彼女はそれ以来車に対し異常な執着心を抱き、危険な衝動に駆られるようになる。 遂に自らの犯した罪により行き場を失った彼女はある日、消防士のヴァンサンと出会う。10年前に息子が行方不明となり、今は孤独に生きる彼に引き取られ、ふたりは奇妙な共同生活を始める。だが、彼女は自らの体にある重大な秘密を抱えていた。
◆オドレイ・ディワン監督
『Happening(英題)』(2022)
1963年のフランス で、予期せぬ妊娠をしてしまった女子学生が、最終試験を控えている中、当時は違法であった中絶を決意し、フランスの社会に立ち向かう。
◆カルラ・シモン監督
『Alcarras(原題)』(2022)
カタルーニャの小さな村に住む、桃農家の家族。農地の地主が突然亡くなり、後継人が農地を売ることになってしまったため、農地を追われる
ことになる家族たちの運命は。
(C)KAZAK PRODUCTIONS FRAKAS PRODUCTIONS ARTE FRANCE CINEMA VOO 2020