全世界で20億冊以上出版され、「世界一売れた作家」として知られ、“ミステリーの女王”の異名を持つ作家アガサ・クリスティが生涯を通して書き続け、今もなお全世界で愛される“ 名探偵ポアロ”シリーズ。時代を超越した人気シリーズの中でも、アガサ自身が“旅行物のミステリーで史上最高傑作”と称す、1937年に発表された「ナイルに死す」。
この傑作ミステリーを前作『オリエント急行殺人事件』(2017)に続き、ケネス・ブラナー監督が映画化する 『ナイル殺人事件』が2月25日(金)に公開となります。この度、主演および監督を務めるケネス・ブラナーが、原作に隠されたメッセージを伝えるために、工夫したことを明かしています。
本作で 映画『オリエント急行殺人事件』に続き、主演兼監督を務めているケネス・ブラナーは、本作について「原作は、アガサ・クリスティの小説の中で最も不穏な作品です。男女の恋愛関係と見せかけ、実は危険で崩壊的な人間関係を描いています。それを再現するために、 一部の登場人物の職業やバックストーリーを変更し、すべてのキャラクターが愛と欲望にまつわる人間関係を持たせました」と語り、 原作の内容をより 分かりやすく、インパクトのあるものにするために、一部設定を変更したことを明らかにしています。
監督としても活躍するケネスは、アカデミー賞主演男優賞と監督賞にノミネートされたシェイクスピアの戯曲の映画化『ヘンリー五世』や『ハムレット』をはじめ、モーツァルトのオペラ「魔笛」や、恐怖小説の金字塔「フランケンシュタイン」など、古典作品の傑作を度々映画化。それぞれの作品で高い評価を得ており、正に 古典劇の映画化において右に出る者はいないといっても過言ではない人物。
そんなケネスは「例えそれが大げさに強調されたバージョンであったとしても、人は自分が知っている世界の経験から理解したいと思うのです。時代ものの映画だとしても、感情の中身は非常に現代的であると感じたいと思うのです」 と語り、たとえ古典であっても、そこに現代性を感じられることが“共感”に繋がると話します。
ケネスが映像化した『ナイル殺人事件』に関して、アガサ・クリスティの孫で本作の製作総指揮を務めるマシュー・プリチャードは、「ケネスは物語の仕組や雰囲気など、アガサ・クリスティの真骨頂を完璧に再現してくれました。観客はスクリーンを通して、アガサ・クリスティの世界を体験することができると思います」と語り、ケネスの腕前を称賛。
原作をオマージュしつつも、そこに絶妙な現代風アレンジを加えることで、より観客に親近感を与え、作品に没入させるケネスのこだわり。あたかもポアロと一緒に謎をといているかのような体験ができる 『ナイル殺人事件』の公開はもうすぐです。
『ナイル殺人事件』は2月25日(金)より全国公開
原題:Death of the Nile
監督ケネス・ブラナー
脚本:マイケル・グリーン
製作:リドリー・スコット、マーク・ゴードン、サイモン・キンバーグ、ケネス・ブラナー、ジュディ・ホフランド
製作総指揮:マシュー・ジェンキンス、ジェームズ・プリチャード
出演:ケネス・ブラナー、ガル・ガドット、アーミー・ハマーほか