かのゴッホ、モネ、ドガなど数々のアーティストに影響を与え、西洋近代絵画の源流となったという、世界でもっとも有名な日本人、葛飾北斎。その知られざる生涯を初めて描く映画『HOKUSAI』が、満を持して全国公開になります。謎が多い青年期を柳楽優弥さんが、有名な老年期を田中泯さんが演じるなど“二人一役”も注目の本作ですが、その公開を前におふたりの豪華ツーショットインタビューが実現!同じアーティストとして北斎に影響を受けたというおふたりの貴重なお話をお届けいたします。
■公式サイト:hokusai2020.com [リンク]
■ストーリー
渾身のクライマックス!北斎が、最後の「波」に託した思いとは—?
町人文化華やぐ、江戸の町。その片隅で、日の目を見ない、ひとりの貧乏絵師がいた。勝川春朗—のちの葛飾北斎である。傍若無人なふるまいが災いし、師匠からは破門。食うことすらも、ままならぬ日々を送っていた。
そんな北斎に、ある日、人生を変える転機が訪れる。歌麿、写楽を世に出した希代の版元(プロデューサー)・蔦屋重三郎が、北斎の秘めた才能を見出したのだ。重三郎の後押しによって、「絵の本質」に気づいた北斎は、その才能を開花。誰にも真似できない革新的な絵を次々と打ち出し、一躍、人気絵師となる。その奇想天外な世界観は、瞬く間に江戸を席巻。さらに町人文化を押し上げたが、それが次第に幕府の反感を招くことに……。絵は、世を変えられるのか?
●同じ葛飾北斎という役柄を演じられましたが、それぞれのシーンを観られ、どのような感想を持ちましたか?
柳楽:泯さんの北斎を観拝見して「葛飾北斎は本当にこういう人なんだろうな」と思えるほどのすごくものすごい説得力を感じましたし、泯さんの演じる北斎の青年期を演じられさせていただくことができてラッキーだなと思いました(笑)。北斎の青年期は謎が多いとよく言われてに包まれているためて、こういうキャラクターだと決めて演じることができなかったのでず、手探りで一つ一つ手探り見つけていだったのですが、観終わった時に僕が演じた北斎と泯さんが演じられた北斎が一本芯がの線で繋がっているように観えた感じることができたのでそれはうれしかったです。
田中:撮影中はまったく柳楽さんと会うことはなかったですし、監督が同時に進行している映像を観ながら、「泯さん、イケてるよイケてるよ!」と。要するにつながっていると言うんですね(笑)。常に僕には柳楽さんのことは、情報として入っていました。もしそれがおかしな方向性だったら必ず言ってくれる監督だったから、そういう意味ではすごく安心をしていました。
柳楽:泯さんは、普段からダンサーとして世界中を回られていてる中で、たとえば北斎がフランスなどでも人気があるということを実感で、実際に肌で感じられていると思うので、いろいろな角度から見た北斎を見られて知っている方だからこそいることがすごく伝わったので、一緒に演じさせていただけることそれはすごくとても心強かったです。
●役作りはどのようにしたのですか?
柳楽:僕は絵を描く練習をすごくしに力を入れて臨みました。
田中:絵を教えてくれる先生が「柳楽さんすごく上手かったですよ!」と言われていたので、家に持って帰って練習しましたよ(笑)。
柳楽:ぜひ絵を描くシーンそこを観てほしいないただきたいと思います(笑)。今回、衣装を着てかつらをかぶり、そういう気分になりやすかったですね。楽しかったです。
●数々のセリフも印象的でしたが、これから映画を観る人に注目してほしいシーンはありますか?
柳楽:「こういうんな時だからこそ描くんだよ!」というセリフがあるのですが、それういうところはすごくとてもアーティストっぽいならしい部分だと思いました。北斎は、楽しい気持ちでワクワクしている時よりも、シチュエーションとして寂悲しい気持ちや悔しい気持ちである時のほうが、実はいいものが描ける人なのかなもしれないと思えったので、そのセリフがれはすごくとても印象に残っていますね。
田中:僕も同じくそのシーンが印象に残っていますね。それと僕が演じた北斎は老年期になってからの北斎ですから、世の中と対峙してるわけですよね。世の中と戦うというような意味合いを伝えるのですが、これが北斎なのかと思いましたね。
●すごくパワフルな人物像としても描かれていましたが、演じてみて印象が変わったことはありますか?
柳楽:北斎漫画を描いて、自分の教科書としてお弟子さんたちに自分の絵のお手本や教科書として提示していたということやり、一連の有名な波の絵もそうですが、すごくとても知的というかで頭のいい人だなあと思いました。
田中:本当にそうですよね。僕は現代美術をやっている人たちと話をすることが多いのですが、彼らが言うには北斎は信じられないくらい頭がいい人だと。本当に遠い先を行っていて、一瞬の波をとらえ、遠近法などは超えちゃっている。構図の取り方や目の付け所は、本当にスーパーで前代未聞ですよね。
●また、北斎は変わり続けたい願望があったと思いますが、おふたりは同じアーティストとして、変わり続けたいと思いますか?
柳楽:僕はまだあまり具体的ではないのですが、飽き性なので、同じことをずっとやっていることが苦手なんです。なのでつねに変わり続けたいと思っていますね(笑)。
田中:僕はまさに具体的に(野望が)あります。踊りは映画のように残らないし、再生できない表現なんですね。つまり一回だけのもの。そういう意味では僕が変わり続けることが、踊りにとって一番望ましいことだと思うんです。踊りの本来の姿が、そうだったと僕は信じている。ですからシナリオがあって踊るのではなく、特に民族が残してくれた踊りなどは、みんな変化しながら生きているんです。
●今回の『HOKUSAI』のプロジェクトに参加して、よかったと思うことは何でしょうか?
柳楽:実は撮影中は、あまり北斎がのことをあまりすごい人だと思いすぎないわないように意識していたんです。というか、誰もが知る“世界的アーティスト”だと意識しすぎてしまうと萎縮してしまって、ちゃうとよりどう演じるべきか分かんらなくなってしまいそうだったので、撮影を終えて、公開が近づいてくるときた今、改めてすごい人なんのだなと思うようになりました。撮影していた頃と離れていくからだいぶ時間が経ったことでによって、より、ようやく北斎のことを冷静に北斎が見えているように思います。
田中:僕は今回、柳楽さんと演じると聞いた時、面白そうだなあと思いました。柳楽さんと一緒のシーンはなかったけれども、柳楽さん会えたことはよかったです。本質とは違う答えかもしれないけれど、これが本質的なことなのかもしれない。もっと見た目が違う人と一緒だったら、ここまでには行かなかったかもしれないと思うこともありますよね。
公開中
(執筆者: ときたたかし)