エッセイスト・タレントの小島慶子さんが12月11日、炎症性腸疾患(IBD)の疾患啓発活動「IBDとはたらくプロジェクト」のメディアセミナーに登場した。
働く人の1/3が何らかの疾患を抱え、仕事と治療の両立が課題になっているという現在。同セミナーは、それらの課題について考えるヤンセンファーマ主催のイベント「ワークシックバランスひろば」の一環で行われた。「ワークシックバランス」は、病を抱えながら働く人が、周囲の理解を促しながら仕事と病との調和をとり、病があっても自分らしい働き方が当たり前にできる未来を目指す考え方。
セミナーでは、「ワークシックバランス」に関する調査レポートの発表のほか、「IBDという難病を抱えながらも、『自分らしくはたらく』為にはどうするべきか」「昨今の社会情勢の中で治療とどう向き合っていくか」などについて語られた。
セミナーに登壇した小島慶子さんは、「2人目の子どもを産んだ後、33歳で不安障害という精神疾患になった。会社にも相談して治療しながら仕事に復帰し、仕事と治療と子育ての両立をしていた。そんなときに、会社の人が親身に話を聞いてくれたり、『大丈夫ですよ』と言ってくれる医療の人がいてくれたりしたので安心して働けた」と自身の経験を振り返って語った。
当時について「『病気になっちゃったから戦線離脱』とか『まともに働けない人』みたいなレッテルを貼られたらどうしようという不安が大きかった」とも語り、「その不安があるだけで、なかなかハッピーに暮らせない。仕事と病気との両立だけでなく、不安を取り除くということも大事だなと思う」と話した。
小島慶子さんはTBSに在籍していた15年のうち9年間は労働組合の執行委員を務め、7年間は副委員長だったという。「働きやすい環境作り」を会社と一緒に考えていたという小島さんは「ワークシックバランス」について、「仕事、病気、子育て、介護などいろいろなことを両立しないと人は生きていけない。職場の設計を柔軟に、相談しやすい空気にすることが大事だと思う」とも訴えた。
「いつ病気になるかわからないのはみんな同じ。それでも生きていく為には働くことは大事。だから、今まで通り働けない状態に自分の体がなっても、安心して働き続けられるような職場が当たり前になる様、職場づくりの根本から認識が変われば良いと思う」と小島さん。「心理的安全性が高い職場は結果的に仕事の能率が上がるなどの良い結果が出ると思うので、みんなのハッピーにつながるような職場作りを是非実現して欲しいと思う」と呼び掛けた。
ヤンセンファーマ「IBDとはたらくプロジェクト」:
https://www.ibd-life.jp/project/worksickbalance.html
(執筆者:伊東秀明)
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