今回はトモさんのブログ『東京でとって食べる生活』からご寄稿いただきました。
タマゴタケはイカニモ毒だが美味しいキノコ(東京でとって食べる生活)
林のなかで真っ赤なキノコを見た事がありませんか?
魔女がクスリの調合に使うようなとびきり真っ赤なキノコでしたら…
それはタマゴタケかもしれません!
毒キノコといえば魔女!(EC designさんより)
タマゴタケは、
真っ赤で…
毒々しくて…
いかにも、
「毒がありますよ!」
という風貌なのですが、実は美味しいキノコなんです。
タマゴタケってどんなキノコ?
タマゴタケは広葉樹の交じる雑木林などでよく見かけるキノコで、
もちろん東京にもたくさん生えています。
名前のとおり、最初は卵のような球体で地表に現れまして、
その卵が割れると、真っ赤なカサのキノコがひょっこり顔を出します。
完全にカサが開くと手のひらに収まらないほどの大きさに育ちます。
まるで童話の世界のような色合い。
インスタ生えしそう!
シーズンは夏~秋にかけて、
雨ふりのあとなんかが狙いメ。
シーズンがわからなければ、ツイッターで「タマゴタケ」と検索してみましょう。
目立つキノコですので、見つけた方がたびたび写真をアップしています。
写真を見かけるようになったらベストシーズン!…というわけですね。
タマゴタケと仲間たち(わからないキノコは食べちゃダメですよ)
個人的にタマゴタケの食べごろはカサが開ききる前、
カサが完全に開いてしまうとやや質感がもろくなり、
持ち帰る際に崩れたり料理しづらいのです。
タマゴからこの状態まで1日もあれば伸びちゃいます
カサの裏側はこんなかんじ、
やや密なヒダ、柄も黄色でツバがついているのが特徴でしょうか。
柄や裏も黄色!
タマゴタケと間違えやすいキノコと見分け方
タマゴタケは見分けやすいほうのキノコなのですが、
それでも似ている要注意な毒キノコがおりまして、
ベニテングタケといいます。
ベニテングタケ@写真ACさんより
■ベニテングタケ
ハラタケ目テングタケ科テングタケ属のキノコ。イボテン酸、ムッシモール、ムスカリン、アマトキシンなどの毒成分を含む。毒は強くないが、食べ過ぎると腹痛・嘔吐・下痢などの症状を発する。長野県の一部などで毒抜きして食用にする。慣れていない場合は食べるべきではない。
見た目は完全に、
大きくなれるやつ(ゲーム スーパーマリオワールドより引用)
なのですが、ベニテングタケには毒があります。
(食べていいのはキノコ王国産のものだけです)
さて、タマゴタケとベニテングタケの見分け方のポイントですが、
・カサにイボがついている
・柄の色は白色
上記の特徴のあるものはベニテングタケとみてよいでしょう。
それ以外はすべてタマゴタケか?
というとそう言い切れるわけでもなく、
イボが雨で落ちてに似てしまう場合もあるだそう。
また、その他にもタマゴタケモドキやタマゴテングタケという似たキノコがおります。
これらはカサが黄色いので見分けられます。
タマゴタケの特徴は以下、
・カサが赤色
・カサの裏は黄色
・柄が黄色(&一般的には茶色模様がある)
・柄に黄色いツバがある(ひらひらしたやつのことです)
・ツボがある(卵の殻のこと)
この特徴をキッチリで抑えておけば大丈夫と言って良いでしょう。
食べる場合は、必ずよく観察して採取すること!
怪しいものは、取らない、食べない、人にあげない!
タマゴタケを食べてみる
とったタマゴタケを食べてみましょう。
ゴミや虫さんが付着しているので、持ち帰ったらよく洗い、
水をきってから調理します。
カサが開きすぎたものはボロボロになってしまいました
オススメ料理はタマゴタケのオムレツ、
たまごだけを使って作るシンプルな料理、
タマゴタケの香りはトニカク濃厚なのですが、
その香りをタマゴが受け止めてとびきりのオムレツに変身。
これがめちゃウマなのです。
赤色がなくて寂しいときはケチャップで足してあげましょう!
その他の料理も紹介、
シンプルなバター焼き、
水分がいっぱいでるので、じっくり揚げ焼きにするように焼いていきましょう。
眼の前にするとブワッとただよう強烈なキノコ臭。
ものっっっっっっっスゴく香りと味が強く主張します
はじめてだと間違いなく戸惑うほどです。
カサと比べて柄の部分は香りが控えめ、
食感もしっかりしていて、アスパラのようです。
続いて、鶏肉と一緒にオーブン焼きもやってみました。
焼き上げてみると、なんかスープができてる…
思いがけず煮物になってしまいました。
水分は全く入れていないのに…?
それだけ水分を含んでいた食材ということなのでしょう。
キノコの色は黄色に変化、スープと一緒に鮮やかな赤も流れ出てしまいました。
色を楽しむには煮物は不向きのよう。
せっかくなのでスープをずずず…
マンマミーア!
キノコ!とにかく濃厚なキノコ!
すみません、
あまりにも強烈で魂がキノコ王国に行ってしまいました。
さてキノコそのものの味はどうでしょう?
むにむに。
水っぽい…
うーん、煮物は好みが分かれそう。
やっぱり油料理でしっかり水分を飛ばすのがベターでしょうか。
しっかり水分を飛ばして、パスタを作ったりなんかすると、
すばらしく美味しいものができますよ。
ごちそうさまでした。
まとめ
タマゴタケは鮮やかな見た目をしておりますが、食用のキノコ。
加えて味が濃く、とても美味しい。
見た目に怯えずぜひチャレンジしてみていただきたい食材です。
■ タマゴタケ
【採取場所】山林
【採取時期】7月~9月
ハラタケ目テングタケ科テングタケ属。シーズンは夏から秋で、東京では6月の梅雨ごろから9月の台風のやってくる時期によく見かける。分布はほぼ日本全土、広葉樹の根に共生する。
キノコ図鑑はポケット版もおすすめ。
現地で見比べられるのがグッド、もちろんタマゴタケものってます。
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執筆: この記事はトモさんのブログ『東京でとって食べる生活』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2020年10月12日時点のものです。
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