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一松役・福山潤「同窓会に誘ってほしい!」と明かす 『おそ松さん』シリーズ通しての変化は自分の実感を入れて喋るようになったこと



TVアニメ『おそ松さん』の完全新作劇場版『えいがのおそ松さん』が、ついに3月15日より全国公開! 『えいがのおそ松さん』は、クズでニートないつも通りの大人の6つ子たちが同窓会に行ったことがきっかけとなり、迷い込んだ不思議な世界で18歳(高校生)の6つ子と出会う物語。



ビジュアルはすでに解禁となっていますが、高校3年生の6つ子たちは、大人の6つ子と少しキャラが違う! 今回は、皮肉屋で根暗な四男・一松役の福山潤さんにインタビュー。


18歳の一松を演じた感想や、TVアニメシリーズを通しての変化、福山さん自身の学生時代の思い出についても伺いました。



18歳の一松は自分と似ているところがあった


――初の劇場版ということで、最初に台本を手にした時は、やはりワクワクした気持ちで開いたのでしょうか?


福山:何をやらされるんだろう?が1つと、ちゃんとお客さんが納得いくようなものになるのだろうか?という、恐怖と不安が先でした(笑)。『おそ松さん』はTVシリーズからずっとそうだったのですが、台本を読んだだけじゃよくわからない。ストーリーはもちろんわかっていますし、どういう構成かも情報としてもらうんですが、みんなと一緒にアフレコして初めて「このシーンはこういう面白さになるんだ!」といった発見が必ず現場にあります。だから、それを計算して作っている藤田陽一監督と(脚本を担当している)松原秀さんはすごいなと思います。


――他の作品も台本を読んで恐怖感を感じることはあるのですか?


福山:皆さんの期待と同じように僕らも期待するので、どの作品においても恐怖感はありますね。好きだからこそ、希望も湧きますし。そういった意味で、今回の『えいがのおそ松さん』に関しては、信頼しつつも、どうなるか予想ができなかったので、少し不安や恐怖がありました。



――現場で面白さの発見があった部分というのは、具体的に挙げるとどんな点でしょうか。


福山:特に、18歳のチョロ松は声を聞かないとわからない部分はありました。文字で見ているとよくわからないんですけど、神谷さんがやったら半端なく面白い。他にも、『おそ松さん』は、よくパワーワードが出てきますが、今回ももちろんあります。文字情報で読んでいると普通に流れて行ってしまうんですけど、声に出した瞬間に面白いというものがあって、これが『おそ松さん』の侮れないところだなと思います。あと、サブキャラクターの破壊力が凄まじいです。トト子やデカパンだけじゃなくて、今回は18歳の頃の周りにいるキャラクターたちも破壊力がありますね。


――今回一松を再び演じて、改めて感じたことや好きだなと思った部分は?


福山:大人の一松と僕は似ているところがないと思うんですが、18歳の頃の一松は、18歳時代の僕と似ているところがあると感じました。


――では、18歳の一松に関してはとても演じやすかった?


福山:そうですね、自分としては普通でいるという事でしたから、苦労はなかったです。他のみんなはいろいろ工夫をしなきゃいけない中、僕は何も工夫していないので。普通の人を演じるという状態ですから、むしろ作らないほうがいいと思いました。



――自然に演じられたということですが、演じる上で意識した部分は?


福山:思ったようにやらせていただきました。あと、ちょっと周りのキャストさんには申し訳ないですけど、僕はずっとTVシリーズの頃から、みんなが演じたキャラクターが地続きでいてくれるから、一松に関して全然違うことをやっても成立すると感じていました。


例えば、TVシリーズであった「三国志さん」のときはカタコトで台詞をいう人物だったけれど、それでも一松だと思ってもらえたのは周りの5人が地続きのキャラクターをやってくれているから。「十四松パン」のときにやった(ティンカーベルをモチーフにした)ティンカーイチも、まったく一松の要素ゼロだったのに一松だと思ってもらえたし、「じょし松さん」も一松だけキャラクターを大胆に変えているんですよね。でも、周りの5人のキャラクターがしっかり残っているから、残りの1人だよね、と認識してもらえる。なので、今回の劇場版でも18歳の6つ子でわーっと一斉に喋っているシーンがあるんですけど、1人だけ聞き慣れないやつがいると感じたら、それが一松です。


――台本を読んだ時点では一松の想像がつかなくて……。


福山:18歳の一松は、僕が普通の人を演じているときの雰囲気だと思ってください(笑)。みんなとのバランスはもう肌感覚でなんとなくわかりますし、他の人たちが演じる年齢感を見て、自分も合わせていきました。キャラクター同士が絡む部分に関しては、ある程度想像ができるんですけど、このメンバーは想像を越えてくる演技をしてくる人達なので、現場で楽しませてもらっています(笑)。なので、『おそ松さん』に関しては家で声を出して練習することはせずに、声を出すのは現場で、というやり方をしています。動画をチェックしているときも、口をパクパクさせてタイミングを取るだけで、声はあまりださないでやっています。現場での化学変化もありますし、現場で初めて挑む感覚を大事にしようかな、とTVシリーズのときから心がけています。



――今回の収録を終えての印象は?


福山:一松がいつもよりも喋っているので、観た皆さんも「あれ?思ったよりも一松が喋っているな」と感じると思います。今回の劇場版は、バランスが絶妙で、6つ子たちの出番と台詞の分量がほぼ均等なんです。これってけっこう難しいことなんですけど、それを自然に出来ているので、僕は「思ったより喋ったな」という印象です。


――現在の6つ子と18歳の6つ子たちが対話する後半のシーンは声を入れるのが大変そうだなと感じました。


福山:タイトな尺の中でいろいろやって大変でした。あのシーンは作画もすごいんですよ!



――アドリブなども入っているのでしょうか?


福山:実はアドリブはほぼしていないんです。TVシリーズの頃からそうなんですけど、台詞としてのアドリブはほぼないです。後ろでケンカをしていたりする時のガヤ的なアドリブはありますが、きちんとしたセリフでのアドリブはゼロなんです。


――TVシリーズを2期演じてきて、変わってきた部分があれば教えてください。


福山:最初はキャラクターを自分で作るようにしてたんですけど、セカンドシーズンあたりから、作るのをやめるようになりました。今回の映画に限らず、ときどき一松は「触れられたくないものってあるじゃん」みたいに、自分の経験談のように喋るシーンがあるんですよね。それを、自分の実感を入れて喋るように変えました。皮肉めいたことを言うときも、キャラクターとして喋るというより、僕のつもりでやる。演じるんですけど、込める毒であったり、セリフの温度感は自分の素の部分を入れるというやり方になったかなと思います。キャラクターを作りすぎないほうが良いこともあるし、作りながらも生っぽい情感を込めて生に聞こえさせないやり方もあると思い、一松はその部分ができるキャラクターだったので、自分の中の楽しみとしてやっていました。


同窓会は「母親が流行りの怪しいセールスだと思って……」


――18歳の一松は自分に似ているとおっしゃっていましたが、自分の18歳のころを思い返したりしましたか?


福山:しましたね。キャラクターを作ってみた時期もあったし、とりあえずみんなと波長を合わせて文化祭に音楽をやろうとなって、「いいよ、やるよ!」とバンドを組んで、一週間で「やっぱり俺抜けるわ」と抜けたこともあったな、とか(笑)。文化祭の当日が声優の養成所と被っちゃったからなんですけどね。


――大きな学校行事ですが、当日参加しなかったことを後悔されたりは?


福山:後悔はまったくしていないですね。その時にしかできないことは確かにあるんですけど、僕は出来なかったら出来なかったで、それもその時しかできないことだろう、と思うようにしているので。あの時は、僕にとって養成所に通うことがその時しか出来ないことだったので、その選択も良いんじゃないかなと思っていました。



――ちなみに、今回のお話は同窓会から始まっていますが、福山さんは同窓会に行かれたことはありますか?


福山:行ったことないんですよ。僕は同窓会に行きたいので、もし、僕の同級生がこれを読んでいたら同窓会に誘ってほしいです。仮に僕の連絡先を知っていたらですけど(笑)。これは悲劇なんですけど、高校を卒業して何年間かは同窓会のお知らせが来ていたんですよ。でも、母親が流行りの怪しいセールスだと思って全部断っていたという……。電話がかかってきても、「潤くんいらっしゃいますか?」(同級生)、「うちに潤はいません」(母親)、「あの、高校のときに同じクラスだった……」(同級生)、「潤は、いません」(母親)という、絶縁状態みたいな受け答えをしていたらしく。それで後日、母親と「同じクラスに◯◯君ておらんかったよな?」、「いたわ!」とやり取りして発覚したり(笑)。だから、同窓会の連絡がことごとく回ってこないので1回も行けていないんですよね。中学の友達とは交流があるんですけど、高校のときの友達は今連絡取っているのは2人くらいですかね。


――「同窓会ないの?」と聞いてみたりされないんですか?


福山:その連絡を取っている友達はクラスが違ったんです。大体同窓会って高校3年生のクラスのメンバーが担当することが多いですよね。3年生のときの友人関係が希薄だったんです。1、2年は仲良くしてたんですけど、3年生はクラスでは空気でしたね(笑)。高校3年生の時は、隣のクラスで授業受けてみたりと、トライアルなことをしていた時期ですね。


――トライアルな時期(笑)?


福山:1、2年生のときは進学か就職の可能性があったので真面目に学校に行っていたんですけど、2年生で声優の養成所に通い始めて、3年生の頃には卒業後東京に行くと進路を決めていたので、残りの学生生活をいかに楽しもうかと。今までやったことないことをやろうと考えて、登校して授業には出ていないけれども、なぜか出席したことになっていたりとか、いろいろと試していました(笑)。もともと中学から含めて、それまで僕はすごく真面目に学生生活を送っていたんです。悪ガキたちの中にいながら、常にテストで平均点80点取るような人間だったんです。だから、イメージって急には変わらなくて、高校3年生で急にそんなことをやりだしたので先生に心配されましたね(笑)。そんな高校生活でした(笑)。


――TVシリーズから劇場版まで通して、今、福山さんが好きなキャラクターをあげるとするなら誰?


福山:一貫して石油王です! めったに出ないですけど、石油王が好きですね! 


――その理由は?


福山:石油王ですから(笑)! 僕も本当になれるなら石油王になりたいですもん。しかも、出てきても「石油王です」と言って、ただお金を配ってるだけですよ? TVシリーズで石油王が出てきてトト子と絡む流れもいいですよね。そういうステレオタイプなキャラクターが好きです(笑)。



――では、今回の劇場版の福山さん的見どころを教えてください!


福山:うっかりなのか、狙いなのかは皆さんに判断していただくとして、良い話も入っておりますので、僕の中で一番泣けたシーンは松造のシーンです。卒業を控えた6つ子を持つ親としての台詞に泣けます。あとは詳しくは言いませんが、パワーワードもあるので皆さんで探していただきたいです。


――ありがとうございました!


劇場版ではいつもよりも喋る一松と18歳の頃のキャラに注目です! そして、福山さんの同級生の方、ぜひ同窓会を開催する際には声をかけてあげてください!




・劇場版「えいがのおそ松さん」本予告



劇場版『えいがのおそ松さん』2019年3月15日(金)全国ロードショー!

【ストーリー】

迷い込んだ不思議な世界で6つ子が出会ったのは、18歳の自分たち。

ある日、高校の同窓会に訪れた、6つ子たち。

ちゃんとした大人に成長し、社会人として活躍する同級生たちとの再会で、対照的な冴えない自分たちの現実に打ちのめされ、やけ酒をあおり、眠ってしまう。

翌朝、目が覚めたおそ松たちは、部屋の異変に気付き、街に出る。目に映るのは、いつもと違うけど、どこか見覚えのある風景。

ここは「過去の世界」ではないかと疑い始めた矢先、デカパンから「6人の中に、この時代に大きな後悔を残している人物がいる」と告げられる。真実を確かめるため、彼らが会いに行ったのは、18歳の自分たちだった……。


公式サイト:

https://osomatsusan-movie.com


(C)赤塚不二夫/えいがのおそ松さん製作委員会 2019


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