サントリービールが2017年7月4日に発売した『頂(いただき)』が2017年7月6日にスペシャルサイトや『YouTube』で公開したWeb限定ムービーが、出張先で女性に会うというストーリーと、不倫や卑猥さを連想させる言葉や表情をしていることから批判が殺到。翌日7月7日には公開を中止になる事態になっています。
サントリー広報によると、「新発売した『頂』のおいしさを、ご当地グルメや方言と合わせて全国のお客様にお伝えする意図で制作しました」という今回のWebムービーは、タレントの原明日夏さんや「きっかけはYOU!」でソロデビューした吉川友さんなど6名を起用し、北海道・東京・神奈川・愛知・大阪・福岡を出張先として2人きりでお酒を飲むというシチュエーション。「絶頂」「コックゥ〜ん!」といったフレーズなどが視聴者の反感を買う事態になり、サントリー側の意図とは違う捉え方をされてしまうことになりました。
一部報道で、制作を担当した広告代理店・電通サイドが「炎上やむなしという感じだったようだ」と証言していることについて、サントリー側は「そのような意図は全くございません」と否定。一方で、「お客様からご意見を真摯に受け止め、7月7日19時半に速やかに公開を中止しました。視聴された一部のお客様のご気分を害する結果となり、深くお詫びいたします。今回のお客様からのご意見を真摯に受け止め、今後の施策に活かしてまいります」としています。
ウェブサイトの指標としてPVなどアクセス数を重視するのは企業・メディアでも未だに多く、SNSも「シェア数が増えればいい」というコンテンツが沢山あるのも現実です。しかし、本来『Twitter』のRT(リツイート)や『Facebook』の「いいね」などの共有はユーザーの「共感」によって増えていくもの。消費者の反感を買うとブランドの価値を毀損する結果に繋がるということを、今回の事件は示しています。
アルコール度数7%で、高麦芽量・高醗酵・高炭酸と製品自体は評判が良かっただけに、サントリー側が今後どのような施策を図るのか、注目したいところです。
頂〈いただき〉(サントリー)
http://www.suntory.co.jp/beer/itadaki/ [リンク]