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【無理】クモ嫌いの記者が“クモ攻め”映画『ラプチャー 破裂』にトライ! クモだけじゃない“嫌いなもの拷問”映像あり



<筆者が苦手なため、この記事にはクモが載っている画像はございません。クモ嫌いの方も安心してお読みいただけます。※動画のみ、クモが出るためご注意ください>


クモ恐怖症にとっては、『ホステル』より『食人族』より『死霊館』より何より恐ろしいホラー映画『ラプチャー 破裂』が公開間近。なにしろこいつはわざわざクモ恐怖症の主人公をクモ攻めにするという、これ以上なく悪趣味な映画だ。なんでそんな嫌なこと思いつくんだろ……。


そして筆者は極度のクモ嫌いである。家の中だろうと突如現れるクモ。足を八方に広げワサワサと壁を這う姿を見るにつけ、悲鳴をあげて家出してきた筆者だ。他の虫を食べてくれる益虫という見方もあるが、クモそのものが一番恐ろしい人間にとっては「死ねば風邪をひかなくて済む」くらいの暴論である。



このクモ嫌いは克服できるのか? 『ラプチャー 破裂』にはそのヒントがあるかもしれない。


そう思った筆者は、勇気を出して本編鑑賞に挑戦した。しかしこの映画はクモ嫌いだけが恐ろしい目に遭う映画ではなかったのだ。主人公のレネー(ノオミ・ラパス)は、突如誘拐され、謎の隔離施設へと運ばれる。ここで行われているのは、被験者に”生きている中で一番嫌いな物”を与え続ける人体実験。


この記事の後半では、その施設で行われている“嫌いなもの責め”拷問シーンを詰め込んだ本編映像をご覧いただける。「はやく観たーい」というドMあるいはドSな読者は筆者の苦痛に満ちた鑑賞レポートを読み飛ばし、下までスクロールしていただければ幸いだ。


もうやめて! 精神の限界に挑戦する映画本編




話の冒頭、部屋の中に一匹のクモが現れて悲鳴を上げる主人公レネー。一匹でもこの有様なのに、彼女はこのあと拉致され、クモ攻めにされるのである。あらすじを知っている分、彼女が哀れで涙が出る。彼女が到着した奇妙な隔離施設。医療行為のように、事務的に進められる“拷問の手続き”がことさらに嫌なムードを煽る。


「おや、クモが嫌いか?」


謎の施設の集団は、入念な下調べをして誘拐しているくせに、白々しくレネーにそう問いかける。ドSにもほどがある。


「もうここからは『子猫物語』でも流してくれ…」という筆者の願いも虚しく、拷問シーンはスタートしてしまう。ああ、かわいそうなレネー……。


クモ攻めシーンは、観客にも拷問を疑似体験させるかのように、いやらしいカメラワークでクモの姿を捉え、嫌悪感を煽りながらその姿を大スクリーンに映し出す。筆者はもちろん直視できない。人にはまぶたがある、目をつぶればいい。しかしふたたび目を開けるタイミングを間違え、スクリーンいっぱいのショックシーンを見てしまったら気を失うだろう。筆者はごくごく薄目で、薄らぼけて全体像がなんとなく把握できるくらいの薄目でスクリーンを見つめた。


ここで一句。

クモ拷問 薄目で見ても 地獄絵図


ヤバイ。薄目で見ても完全に狂っている。なんでこんなことをするんだ。

薄目をキープするのは目の周囲の筋肉を酷使する。プルプルするまぶた。私は何と戦っているんだろう。目を開けるのがこわい。目を閉じるのもこわい。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』にそんな台詞があったのを思い出す。私はいま、『ラプチャー 破裂』というホラー映画の中にいる。“クモ嫌い”という主人公と同じ属性を持ちながら拷問を擬似体験することで、映画の中に取り込まれたような感覚に陥ったのだった――。




――観終わるころにはぐったりしていた。クモ拷問シーンは全体からするとそこまで多くないため、クモ嫌いな人でもトライしてみるのはいいかもしれない……。ただし直視はおすすめしない。100パーセント、夢に出る。


なお、映画を観ることでショック療法的にクモ嫌いが治るかという期待もあったが、「いかにクモが嫌いか」を強く再認識するという結果に終わった。また、鑑賞から日数が経っても「体のどこかにクモがまとわりついているのでは」という幻想に襲われている。あれ、これってトラウマってやつ……?


拷問の果てに何があるのかは映画を観てのお楽しみだが、本来なら避けて通る“嫌いなもの”・“怖いもの”にここまで真正面から向き合うのは新鮮な体験だった(薄目でだけど)。残酷表現のある映画にすっかり慣れ、死人がゾンビになって人を食うくらいじゃ怖がれない昨今、ニッチな恐怖を追求した『ラプチャー 破裂』はあなたにも未知の衝撃を与えるかも、しれない。


クモが平気だからって安心してない?


さて、クモが平気な皆様お待ちかね! クモ以外の拷問もあるよ~~~! ということで、レネーが拉致された隔離施設で行われている、悪趣味極まる“嫌いなもの拷問”をこちらの本編映像でちらっと観ることができます! ※映像後半の予告編にはクモも出ます


あなたの嫌いなものはあるかしら? そして、あなたの嫌いなもので拷問をするとしたら、どんな拷問になるかしら? 己の中のサディズムとマゾヒズムが火花をちらしながら想像力を掻き立てるSM拷問ホラー、ぜひ初夏の肝試しとして劇場でお楽しみください!!


映画『ラプチャー 破裂』は6月3日(土)、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー! どうぞお楽しみに! あ、私ですか? 二度と観たくないです。


映画『ラプチャー 破裂』


監督:スティーヴン・シャインバーグ

原案:スティーヴン・シャインバーグ、ブライアン・ネルソン

脚本:ブライアン・ネルソン

出演:ノオミ・ラパス、ピーター・ストーメア、レスリー・マンヴィル、ケリー・ビシェ、マイケル・チクリス

プロデューサー:アンドリュー・ラザー、スティーブン・シャインバーグ

原題:RUPTURE/2016年/アメリカ/英語/102分/カラー/シネスコ/字幕翻訳:チオキ真理

配給:ギャガ・プラス

(C)2016 Rupture CAL, Inc.





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