変化に正しく対応できますか?
原因はわからないけど、気づいたら自分の置かれている環境がガラッと変わってしまっていた経験はありませんか?
たとえば、注力していたあるプロジェクトから急に外されてしまったり、今までうまくいっていたはずの会社の業績が伸び悩んだり、気づいたら生涯の愛を誓ったはずのパートナーとうまくいってなかったり…。
この絶え間なく起こる変化に正しく対応していくには、いったいどうすればいいのでしょうか。人間関係、恋愛、仕事、友人、家族といったあらゆる変化へ対応するヒントを示してくれるのが、全世界で累計2400万部を超えるベストセラー『チーズはどこへ消えた?』です。
日本でも400万部を超える大ヒットを記録しているため、タイトルを耳にしたことがある人は多いと思います。しかし「どんなストーリーなのかまでは知らない」という人もいらっしゃるでしょう。
今回は、本書のシンプルでわかりやすいストーリーのあらすじをご紹介します。このストーリーを頭の片隅においておけば、ありとあらゆる場面で、あなたがどんな行動をとればよいのかを考える助けになること間違いありません。
変化への対応、あなたはどのタイプ?
この物語では、チーズが隠された迷路を舞台に、2匹のネズミ「スニッフ」と「スカリー」、それに2人の小人「ヘム」と「ホー」がチーズを探していきます。チーズは「私たちが人生で求めているもの」を表し、迷路は「チーズを追い求める場所」を表しています。たとえば、迷路は地域社会や会社、家族のことかもしれません。
2匹のネズミと2人の小人は、それぞれが毎日迷路を駆け巡り、ある日大量のチーズが置かれているチーズステーションCを発見します。
2匹のネズミには、あたまを使う能力がありません。そのため毎朝、今までの家から走ってやってきます。それに対して、2人の小人は賢いため、チーズステーションCの近くに引っ越したり、わざわざ早起きせず、お昼に起きてゆっくりチーズステーションCに向かったりするようになります。
ある時、チーズステーションCのチーズがなくなってしまいます。突然なくなったわけではなく、毎日2匹のネズミと2人の小人がお腹いっぱいチーズを食べていたため、少しずつ減っていってしまったのです。
チーズがなくなってからの行動は、ネズミと小人で大きく違いました。
ネズミは、前の生活に戻ったかのように、また朝から迷路を駆け巡り、新たなチーズを見つけだそうとします。小人たちはというと、「チーズはどこへ消えた?」「こんなことがあっていいわけはない!」と叫び、きっと今日はチーズがもとに戻っているに違いないと思いながら、チーズステーションCに向かっては、チーズがないことを確認するような日々が続きます。
チーズが手に入らない日々が続くなか、ホーはとうとう新しいチーズを探すべく、チーズステーションCから離れることを決意します。成功が約束されているわけではないため、ホー自身、本当にチーズステーションCから離れるべきか迷っていました。それでもホーは、「人生は進んでいく。ぼくらも進まなくてはならない」とヘムに言い残し、迷路へと駆け出したのです。
ここまで聞いて、みなさんはヘムとホー、どちらに似ていると思いましたか? それともスニッフ、スカリーのように深く考えず行動をするタイプでしょうか?
ある日突然に転勤を言い渡されたとき、新しい場所で、新たな成功を求めて動いた方がよいことは、頭では理解できるかもしれません。しかしなかなか行動に移せるものではありませんよね。
そんなとき、「もし自分がこの迷路にいて、突然チーズがなくなったかのように感じたら、誰のように行動すべきか?」と考えてみれば、自分の取るべき行動がわかってくるはずです。
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行動に移したホーが学んだこととは?
実は、この物語には続きがあります。
ホーは、新しいチーズを探していく中で、「たとえ新しいチーズが見つかっていなくても、今までのチーズステーションCにとどまっている生活よりはるかにいい気持ちになれる」ことに気がつきます。
ホーは迷路を駆け巡りながら、気づいたことを壁に記録していき、とうとう新しいチーズステーションを発見するのです。
最後にホーは、自分が学んだことを次のようにまとめました。
- 変化は起きる
- 変化を予期せよ
- 変化を探知せよ
- 変化にすばやく適応せよ
- 変わろう
- 変化を楽しもう!
- 進んですばやく変わり再びそれを楽しもう
『チーズはどこへ消えた?』は3章構成になっています。本書を読んだ人たちによるディスカッションの章もあるので、日々の生活にどうやって応用していくのか考える上での手引となるでしょう。
この本は「いま、私たちが具体的に何をするべきか」を教えてくれる夢の一冊ではありません。しかし、私たちが何をしていくべきか考える上で、複雑な問題をシンプルにしてくれる一冊です。
変化というのは、特別なことではなく、すべての人の周りで起こりうるものです。本書は、おじいちゃん、おばあちゃん、お母さん、お父さん、そして子ども、すべての人にとって、今後の人生を生きていく上での、行動の指針を与えてくれるステキな本だとぼくは思います。
執筆者プロフィール
現在、東京大学にて「人々の健康を通じた幸福(ウェルビーイング)の向上」を掲げて日々勉強しています。