新作映像『母の日参り―GIFT』の一齣
『母の日参り』シンボル・ロゴ
奥下和彦
動画URL: https://youtu.be/GtPPvrvedfo
「母の日」は、100余年前のアメリカで亡き母を偲ぶ一人の女性の呼びかけから生まれたと伝えられます。日本でも戦後の1947年、アメリカに倣って「5月の第2日曜日は母の日」と制定されたと言われており、今年はちょうど70年に当たります。その長きにわたり母親に日頃の感謝を表す“ギフト記念日”として私達に親しまれてきた母の日ですが、近年、記念日の原点回帰を想わせるように、亡き母の墓前を訪ねる『母の日参り』が広がりを見せています。
当社調査によれば、40代以上の男女生活者におけるゴールデンウィークから母の日にかけての墓参実践率は、2007年―2014年比較で約1.5倍にも拡大しており、そこには母親を見送った世代で〈モノ〉に代わって〈祈り〉を贈る、新たな母の日文化の芽生えが窺えます。
長寿社会の我が国に生まれた『母の日参り』の美風を、さらに広く社会に伝えていこうと現在、当社をはじめとする供養関連業界、花卉生産・販売業界、和菓子業界、流通業界において普及活動を共にする有志企業・団体のパートナーシップの輪が広がっており、今回の映像制作・公開もその公式活動のひとつに位置づけられるものです。
今作品は、連綿として絶えることのない〈母と子の絆〉を、奥下和彦氏の真骨頂ともいえる“一本の赤い糸”でシンボリックに描いたもので、動画ストーリーのモチーフは『GIFT』―。
〈人はプレゼントを貰った時の喜び以上に、贈った時の相手の笑顔を見る方が幸せな気持ちになれる〉とのインサイトから、お互いに相手を思いやったプレゼントを贈りあう母と子の長い道行きを30数秒の映像に凝縮し、〈たとえ贈りたい相手が先に旅立たれても、せめて“祈り”だけは届けたい〉という慈しみの行為に帰結する、『母の日参り』への自然な心の流れを情感豊かに描写した構成となっています。
「母の日」制定70周年という節目の年にふさわしく、この映像との出会いが、多くの方にとって記念日の意味をあらためて見つめ直す機会にもなれば、と期待を寄せています。
■アニメーション映像『母の日参り―GIFT』概要
・タイトル : 『母の日参り―GIFT』
〈BGM:ウィスパーver. / インストver.〉各36秒
・公開日 : 3月15日(水)~
・制作 : 奥下和彦
・サイトURL : http://www.nipponkodo.co.jp/inori/mother/
・YouTube URL: 〈ウィスパーver.〉 https://youtu.be/GtPPvrvedfo
※BGM違いの別バージョンも制作
〈インストver.〉 https://youtu.be/kuMcJJx6HHQ
■奥下和彦氏 プロフィール
金沢美術工芸大学 視覚デザイン科
東京藝術大学大学院 映像研究科アニメーション専攻 卒業
クリエイターズマネージメントFOGHORN所属
2009年に制作した「赤い糸」が数々のコンペに入賞し、世界最大のデジタルフィルムフェスティバル「RESFest」のファウンダーJonathan WellsのキュレーションによりTED2010 Long Beach他でも同作品が上映されネット上の話題をさらう。
さらに2011年よりテレビ朝日の「報道ステーション」のオープニング映像を担当し、グッドデザイン賞を受賞。以後、多くのTVCM、MUSIC VIDEO、イラストレーション、絵画の展示販売、そしてライブペインティングを手掛け、現在に至る。
■奥下和彦氏からのコメント
「母の日」と聞くと最初に思い起こされるのは、子供のころ母に花などのプレゼントをした思い出でしょうか。肩たたき券をあげたり、普段はまったくしなかった皿洗いをしました。母はとても喜んでくれていたように思います。
「母の日」の由来をたどると、約100年前のアメリカで亡き母を想う一人の女性が、母の好きだった一輪の花を捧げる「感謝の集い」を催したことにはじまるのだそうです。そのエピソードを「母の日参り」のロゴ・デザインのモチーフとしました。アイキャッチとして「母」の文字の中にハートを配置し、カリグラフィーを軸に、一本の赤い糸で視認性と暖かみを大切にしながら全体を構成したつもりです。
そのロゴデザインから1年を経て、『母の日参り―GIFT』の動画を制作させていただける幸運に恵まれました。多くの方にご賛同いただけると想うのですが、母を想う気持ちは亡くなった後も生前と変わりがないはずです。機会があれば何度でも愛情を注いでくれた事にお礼がしたい、そんな気持ちを分かり易く 贈り物、というキーワードで表現してみました。家族の愛はいつでも双方向だ、ということをお伝え出来たとすれば幸甚です。
ムービーは短い時間ですが、ご覧になった方がご家族との懐かしい想い出を振り返るきっかけとなり、多くの関係者の方々が取り組んでおられる『母の日参り』に少しでも共感していただけることを願っています。
映像作家 奥下和彦