はじめに
中小企業や個人事業主の悩みの一つは、経営計画や財務管理において「データを見える化したいが難しい」という問題です。「エクセル職人がいないとデータ分析が出来ない」と感じている人も多いのではないでしょうか。しかし、それはもう過去の話。WPS Spreadsheetsを使えば、特別なスキルがなくても短時間で簡単にデータを分析することができます。
WPS Spreadsheetsは、WPS Cloud Proに含まれる表計算ソフトであり、Microsoft Excelと高い互換性を持つツールです。基本的な表計算機能に加え、関数、グラフ作成、ピボットテーブル、データ分析などの機能を備えており、企業の業務や財務管理、プロジェクト管理などに活用できます。
本記事では、WPS Cloud Proのスプレッドシート機能を使って、データの自動化や視覚化による分析テクニックをExcelとの比較も交えながら詳しくご紹介します。
WPS Cloud Proとは?
WPS Cloud Proは、キングソフト株式会社が提供するクラウドベースのオフィススイートです。文書作成、表計算、プレゼンテーション、PDF編集などの機能を備え、オンライン環境でシームレスに作業できるのが特徴です。
中小企業や個人事業主だけでなく、大企業や教育機関など、幅広いユーザー層に利用されており、クラウド環境での作業が増えている現代において、効率的な業務管理を実現できるツールとして注目されています。

WPS Cloud Proの主なコンポーネント
WPS Cloud Proには、以下の3つの主要アプリケーションが含まれています。
▸WPS Writer(ワードプロセッサ)
文書作成ソフト。Microsoft Wordと互換性があり、レポートや契約書、ビジネス文書の作成が可能。
▸WPS Presentation(プレゼンテーション作成)
スライド資料作成ツール。Microsoft PowerPointとの互換性があり、視覚的なプレゼンテーションを簡単に作成できる。
▸WPS Spreadsheets(表計算ソフト)
データ入力、数式計算、グラフ作成、ピボットテーブル分析などが可能。Microsoft Excelと高い互換性を持つ。
WPS Spreadsheetsが優れている理由
WPS Spreadsheetsが特に優れている点としては、以下のような点が挙げられます。
1. コストパフォーマンスの高さ
WPS Spreadsheetsをそのコンポーネントに含むWPS Cloud Proは、無料プランを提供しており、有料プランもMicrosoft 365と比較してはるかに低コストです。中小企業や個人事業主にとって、毎月のソフトウェアコストを抑えつつ、高機能なスプレッドシートを活用できるのは大きなメリットと言えます。
コスト比較表
・以下比較はWPS Cloud ProとMicrosoft 365の料金を基にしています。
・2025年2月12日時点の情報です。
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●WPS Cloud Pro(WPS Spreadsheets)| ライトプラン
1ユーザーあたり月額300円(税抜)
※契約は年間契約のみ
●Microsoft 365(Excel) | Microsoft 365 Business Basic
1ユーザーあたり月額899円(税抜)
※年払いの金額
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2. 直感的で使いやすいUI
WPS Spreadsheetsはシンプルで直感的なインターフェースを採用しており、初心者でもすぐに使いこなせます。メニュー構成も分かりやすく設計されているため、従業員の学習コストを抑え、スムーズな導入が可能です。

3. クラウド対応でどこでも利用可能
WPS Spreadsheetsはクラウドストレージと統合されており、インターネット環境があればどこでもデータの編集・管理ができます。オフィスでの作業だけでなく、リモートワークや外出先でもデータを即座に確認・編集できるのが大きな利点です。

4. 視覚的なデータ分析機能
グラフ作成やピボットテーブルが数クリックで利用でき、データを視覚的に分析しやすくなっています。特に、色分けや自動強調機能を活用すれば、データの傾向を一目で把握でき、意思決定がスピーディーに行えます。

5. 軽量で高速な動作
WPS Spreadsheetsは、インストールファイルのサイズが小さく、起動や動作が軽快であることが特徴です。特に、低スペックのパソコンでもスムーズに動作し、大容量のファイルを扱う場合でも負荷が少ない点が評価されています。さらに、クラウドベースの設計により、ソフトウェアのアップデートも軽量で迅速に行えるため、常に最新の機能を利用できるメリットがあります。

WPS Spreadsheetsを使うべき人
以下に挙げる項目に該当する方については、WPS Spreadsheetsの利用を強く推奨いたします。
1. コストを抑えたい中小企業・個人事業主
無料プランがあるため、サブスクリプションコストを抑えつつ、高機能なスプレッドシートを活用したい人に最適です。特に、事務作業が多い企業では、毎月のコストが積み重なり、年間で見ればかなりの金額になります。無料または低価格で利用できるため、導入のハードルも低く、財務負担を軽減することができます。
2. クラウド環境で作業をしたい人
WPS Spreadsheetsはクラウドストレージと統合されており、インターネット環境さえあれば、どこからでもデータの編集・管理が可能です。オフィスでの作業に限定されず、リモートワークや外出先での業務にも最適です。これにより、出張中の社員が本社とリアルタイムでデータを共有したり、在宅勤務のスタッフが共同でスプレッドシートを編集したりすることが可能になります。
3. Excelの高度な機能は不要な人
ExcelにはマクロやVBAなどの高度な機能がありますが、すべての企業がそれらを必要とするわけではありません。特に、基本的なデータ入力や計算、グラフ作成ができれば十分という企業にとっては、WPS Spreadsheetsのシンプルな操作性が魅力的です。
WPS Spreadsheetsは、関数やピボットテーブルなどの基本的なデータ分析機能はしっかり備えているため、多くの業務に対応可能です。エクセルの高度な機能を活用する場面が少ない企業にとって、WPS Spreadsheetsの方が使いやすく、コスト面でも有利に働きます。
4. 簡単にグラフやレポートを作成したい人
WPS Spreadsheetsでは、グラフ作成が数クリックで完了し、視覚的に分かりやすいデータを素早く生成できます。営業や経営会議のために、短時間で見栄えの良いレポートを作成する必要がある場合に特に有効です。
また、カラーテーマの設定や、データの強調表示機能を活用することで、視覚的に伝わりやすい資料を簡単に作成できます。プレゼンやクライアント向けの資料作成に時間をかけたくない
5. 複数人でリアルタイムに共同編集したい人
チームメンバーと同時にスプレッドシートを編集し、リアルタイムでデータ共有が可能です。特に、離れた拠点や異なる部署とのコラボレーションを必要とする企業にとって、スムーズな情報共有が業務の効率化につながります。
例えば、経理部門と営業部門が同じデータをリアルタイムで編集しながら月次報告を作成する場合、WPS Spreadsheetsなら煩雑なデータの受け渡しをすることなくスムーズに業務を進めることができます。情報の遅延がなくなることで、意思決定のスピードにもつながります。
おわりに
WPS Spreadsheetsを活用すれば、エクセル職人なしに、少しの努力でデータ分析が自動化できます。「データ分析を簡単にしたい」という中小企業の皆様にとって、効果的なソリューションになるでしょう。Excelの高度な機能をフル活用するほどではないが、業務効率を向上させたい中小企業や個人事業主にとって、WPS Spreadsheetsは最適な選択肢の一つです。