posted by しゅん
この記事は
山本晃義 (医師・ピオーネビューティクリニック院長)
が監修しています
教えてくれた方
ピオーネビューティクリニック 山本晃義医師
ピオーネビューティークリニック院長。リポットレーザーを日本で初導入し、リポットレーザーのKOLとしてもご活動中。クリニックでは新しい美容機器を厳選し取り入れ、韓国で人気の美容施術を日本で手軽に受けられるようにとのコンセプトでクリニックを運営されているそうです。 山本晃義院長のYouTubeチャンネル「【整形】美人製造機 Dr.あきよし」では、美容機器の解説や施術レビューなどを配信されています。
2023年4月、日本初導入! リポットレーザーとは?
Reepot Laser(illooda社)
リポットレーザーは、YAGレーザーの532nmを基本としたレーザー照射によりシミや色素沈着の治療を行う医療機器です。独自センサーによって自動的に照射範囲を読み取る「オートスキャニング」機能を用いて波長やエネルギー出力を制御することで、効果的な照射を行えることや、「ハイパークーリング技術」により照射時の皮膚ダメージや炎症を最小限に抑えることができるため、一度の照射でしっかりと色素を焼きながらも皮膚にダメージを残さずダウンタイムを短くすることができるという特徴があります。
これにより、一回でシミを消せる「消しゴムレーザー」として韓国を中心に話題になっています。
2024年4月現在では、日本での導入クリニックはピオーネビューティクリニックだけですが、今後増えていくのではないかと美容通の間で期待されています。
リポットレーザーの特徴・メリット
シミを1回の治療で再発させずにきれいに除去できる
通常、老人性色素斑などのくっきりとした褐色のシミの治療にはYAGレーザーを使用するのですが、シミの色の濃さや深さなどによっては一度の施術ではとりきれずに残ってしまったり、照射箇所が炎症性の色素沈着を起こしてしまって、治療したのに薄い赤茶色のあざが数ヶ月〜数年間残ってしまう、といったリスクがありました。
しかし、リポットレーザーはYAGレーザーでありながらも1回で老人性色素斑の色素を取りきることが可能で、かつ炎症性色素斑のリスクを最小限に抑えられるため、なんと2週間後には薄ピンク色の新しい肌となるといった具合に、治療が早く終わるというメリットがあります。
シミ周囲の健康な組織へのダメージが少ない
リポットレーザーはオートスキャニング機能によるシミへの集中的な照射と、ハイパークーリング機能によって照射面内の血流を遮断することで炎症の広がりを抑えるという特徴があります。
シミに隣接した健康な組織の炎症ダメージを最小限にすることができるので、照射後の肌の回復がしやすく、従来式のシミとりレーザーよりも治りが早いというメリットがあります。
肝斑と重なった老人性色素斑にも施術が可能
肝斑はレーザー照射による刺激で濃くなってしまうリスクがあるため、肝斑と老人性色素斑が重なっている場合には、まず肝斑を薄くする治療が優先され、老人性色素斑へのスポット照射は後回しにされるのが一般的な美容皮膚科での治療法です。
しかし、リポットレーザーは、狙ったシミ以外への影響が少なく、肝斑を悪化させずにシミを取り除きやすいため、肝斑がある状態でも濃く目立つシミのスポット照射が可能です。
リポットレーザーの適応
リポットレーザーによる治療は以下のようなシミに適応があります。
日光性色黒子(老人性色素斑)
いわゆるシミの代表格で、主に紫外線を浴びることによってできるシミです。薄いものから濃いものまであり、茶褐色で輪郭がくっきりとしているのが特徴です。
そばかす(雀卵斑)
頬や鼻のあたりに広範囲にパラパラと細かく広がったシミです。年齢に関係なく、子供の頃からできる方もいれば、大人になってからできる方もいます。YAGレーザーで一つ一つ消していくのが大変なシミのため、通常はIPLなどで何度も重ね打ちして消していく方法をとる場合が多いですが、リポットレーザーでも治療が可能です。
扁平母斑
いわゆる茶あざと呼ばれるもので、メラノサイトが過剰にメラニン色素を生成することにより、肌が部分的に茶色っぽくなってしまうものです。生まれつきのものや、子供の時にできるものもあります。見た目は日光性色素黒子に似ていますが、扁平母斑は体のどこにでもできることがあるため普段紫外線を浴びることが少ない場所(背中や腕など)にもできるのが特徴です。
ご自身の気になっているシミが、リポットレーザーで治療できるシミなのかどうか判断が難しい場合は、施術を決める前に、まずカウンセリングを受けてみることをおすすめします。韓国でリポットレーザー治療を検討している場合でも、いきなり予約して渡韓するのではなく、まずは国内で診察を受けるなどして治療可能なシミかどうかを確認してみましょう。
リポットレーザーはこんな方におすすめ!
さまざまなシミ治療の選択肢の中で、リポットレーザーはどんな場合にメリットがあるのでしょうか。
肝斑もあるが、とにかく早く目立つシミを優先的に消したい方
前述の通り、リポットレーザーは狙ったシミ以外の箇所へのダメージがとても少ないため、周囲の肝斑を悪化させにくいという特徴があります。
従来のシミ取りレーザー治療では、肝斑とシミが重なっている場合、肝斑治療が優先され、本人が一番気にしている目立つシミの治療を行うまでに何ヶ月もかかるというのが一般的です。その点、リポットレーザーを使えば、肝斑があっても目立つシミを優先して治療できるため、肝斑をそれほど気にしていないという方にとってはとても満足度が高いシミ治療となる可能性が高いでしょう。
複数の目立つシミを一気に取りたい方
リポットレーザーは、機械の特性上、1回の治療で連続照射ができるのが30分間と決まっていて、さらに1回機械を立ち上げるごとに専用のカートリッジを一つ消費します。シミが1個でも、10個でも、チップにかかるコストが同じなので、より患者さんに還元するために取り放題というメニューを提供しているそう。
この特性を利用し、韓国では、同じ時間帯に同じ施術の患者を1ヶ所に集めて、一気に施術を行うことで一人当たりの施術費用を抑えた施術をしているクリニックもあるのだとか。
ただ、日本では現実的にそのようなやり方をするのが難しいこともあるため、ピオーネビューティクリニックでは、シミの取り放題プランや、カップルプランという形で一人当たりの施術費用を抑えるなどの対応を行なっているそうです。
より短期間でシミ治療を終えたい方
通常YAGレーザーでのスポット照射治療では、照射後1週間ほどは保護テープを貼り、その後は通常通りに過ごし、半年後に照射箇所の状態を見てシミが取りきれているかの判断を行うという流れが一般的です。なぜなら、照射箇所は一度炎症が起きているため、数週間程度は赤みがあり、その後も数ヶ月間は炎症後色素沈着としてほんのり色づいて残ることがあるため、シミがきれいに取りきれているかの判断がつきにくいからです。もし、半年後の経過確認でシミが取りきれていない場合には、再施術を施すことになるため、さらに半年間の治療経過を見ていく必要が出てきます。
一方リポットレーザーは、炎症のリスクが低い分1回の施術でしっかりと色素を焼きとることができるため、2週間後に保護テープを剥がした瞬間からシミ除去後の新しい皮膚が見えて、1〜3ヶ月程度でほぼ境目が見えなくなる程度に馴染んできます。
リポットレーザーのデメリット・副作用
2週間は保護テープ必須
リポットレーザーの照射後は、専用の保護テープを貼って照射箇所を保護します。従来式のYAGレーザーの場合は保護テープを貼って自然に剥がれるのを待って、1週間程度でテープが取れるので、それと比べると少し長い期間となります。
施術対象のシミの数が少ないとコスパが悪い
リポットレーザーは一定時間の起動でのクリニック側のコストが同じなため、すぐに施術が終わってしまうような小さなシミ1個だけよりも、まとめてたくさん施術する方がコストパフォーマンスが高いです。小さいシミが2〜3個だけという場合は、リポットレーザーは逆に割高になるでしょう。
まとめ
数ヶ月や数年と、時間がかかってしまいがちな従来式のシミとり治療が、リポットレーザーであれば2週間から1ヶ月程度という短期間で可能です。
また、皮膚へのダメージが少ないため、照射後の炎症を抑えられることや、肝斑がある状態でも気になる濃いシミが1発で消せるという利点もあります。
ただし、現段階では1回の施術コストが比較的高いので、複数のシミやそばかすをまとめて照射できる、時間内取り放題プランなどを活用することでコストパフォーマンスが良くなる方法で利用することがおすすめです。
取材した2024年4月時点では国内で1クリニックしか取り扱いのないリポットレーザーですが、今後普及していくことでシミ治療の選択肢が広がり、さまざまなシミ治療の課題を解決できるのではないかと期待しています。
取材協力
ピオネビューティクリニックは、韓国で人気の美容治療を日本国内で安く受けられるというのをコンセプトにした美容クリニックです。
ピオーネとはイタリア語でパイオニアという意味があり、美容クリニックの先駆者でありたいという思いが込められているそうです。
監修者紹介
医師・ピオーネビューティクリニック院長 山本晃義
慶應医学部卒。ピオーネビューティークリニック院長。
元麻酔科の経験を生かした痛みに配慮した施術を行っています。また、最新美容医療をどこよりも安く通い続けやすい価格で提供します。
症例写真はInstagramに掲載しています。