バッカルファットとは何か
バッカルファット(Buccal fat)という言葉が最近よく出てくるようになり、なんとなく特殊な脂肪というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、バッカルファットは直訳すれば「頬の脂肪」ですので、単純に頬にある脂肪の事です。
ただ、頬にある脂肪といっても肌の表面からつまむ場所にある脂肪というイメージではなく、どちらかというと口の中から頬を吸い込んだ部分にある脂肪。頬の深い部分にある脂肪の事を、一般的にバッカルファットと呼んでいます。
肌表面側の脂肪は単純に顔の皮下脂肪で、バッカルファットとは異なります。
若い頃と年を取ってからで位置が変わるバッカルファット
バッカルファットは誰にでもある脂肪ですが、その量が多いと若いうちは顔がほほの周囲が丸く膨らんで見えるため、小顔になりたいという方の悩みの種となる場合があります。
また、年を取るとバッカルファットは重力に従って頬の上側から下の方に移動するため、その部分がたるんでいわゆる「ブルドック顔」という老け顔の代表的な状態になる原因でもあります。
こうした理由から、近年このバッカルファットを若い頃のうちに除去してしまう施術の人気が高まっています。
バッカルファットの解消は基本的に外科手術
バッカルファットが気になる場合、除去を行うには美容整形での脂肪除去術が一般的です。
といっても、バッカルファットの除去はよくイメージするような脂肪吸引ではなく、頬の内側を少し切って、そこから脂肪組織を引っ張り出すようなイメージで行われます。
肌表面に傷がつかず、比較的簡単な手術で対応が可能で、効果がわかりやすいのが利点です。
治療後しばらくは痛みなどが出る場合もありますが、鎮痛剤などを飲んでおさえられる程度とされていますし、多くのクリニックが抜糸も不要な方法での施術を行っているため、通院の手間などを含めても楽な治療だといえるでしょう。
バッカルファットの除去には注意が必要
バッカルファットが何かという話だけを聞くと、とにかく「除去してしまった方が良さそう」と思いがちですが、バッカルファットの除去は必ずしも良い結果につながるとは限らず、注意が必要な点もあります。
その一つが、加齢による皮膚のたるみへの対応。
加齢によりたるみが生じるのはなにもバッカルファットだけが原因ではなく、加齢により肌のハリがなくなれば、皮膚にもたるみが生じます。
そんな時、皮下脂肪であるバッカルファットがある人は、脂肪が肌を内側から押すためにある程度のハリが保たれた状態になりますが、バッカルファットを除去してしまっていると、肌のたるみがもろにわかる状態となり、より老化した印象が強い状態になってしまう可能性もあります。
また、そもそもバッカルファットを除去しすぎてしまうと、頬がこけたような状態となって見た目が悪くなってしまったり、場合によっては左右差が生じて顔のバランスが悪くなってしまうというケースも考えられます。
バッカルファットの除去が良い結果となるかどうかは人それぞれの脂肪のつき方次第ですので、除去手術を受ける場合は信頼できる医師にしっかりと相談の上、最適な量を除去するようにしましょう。
アイスキャンディでも脂肪を減らせる?!
皆さんは、脂肪冷却治療というのを聞いた事があるでしょうか。
脂肪を物理的に4℃の温度に冷却して凍らせる事で活動を停止させ、減らすという美容治療で、切らない脂肪除去として人気となっています。
実は、この脂肪を冷却するという治療法が考案されたのは、ある子どもアイスキャンディを良く食べていたところ、頬の脂肪が減少したという事から発見されたといわれています。
バッカルファットは口の中から近い側にある脂肪ですので、同じ原理で考えれば頬の内側に当てるようにして冷たいものを食べるようにすれば、徐々に脂肪が冷却されて減っていく可能性が考えられます。
といっても、これは全く推奨するものでもなければ、確実な方法でもありません。
冷やすという行為は体に負担をかける行為でもありますので、やはりバッカルファットを除去したいのであれば、しっかりと信頼できる医師を探して施術を受けるようにしましょう。