冷え性や血行不良から発生するトラブル
冷え性。とくに手足が冷たくなって、全身に悪寒が走るなど健康面で良くない事は確かですが、単なる体調不良だけではなく、冷えは体の色々な部分で不調を引き起こします。
例えば、冷えによって体温が下がると、胃腸を始めとした内臓の活動が低下。これにより食事から十分な栄養を吸収しにくくなり、肌などの代謝も低下します。
また、内臓の活動が低下するという事は消費するエネルギー量も減少するため脂肪がつきやすく痩せにくい体質になりますし、血行不良はそのまま目の下の青クマなど肌トラブルを引き起こす原因でもあります。
冷えは万病のもととも言われるくらい、体が冷える事の悪影響は大きいもの。しっかりとカラダを温めるケアをして、冷え性の改善を行いましょう。
冷え性に良い食事
冷え性を改善するために摂りたい食事は、ショウガを始めとした体を温める作用のあるもので、土の中で育つ食べ物が多いです。
冷え改善に最適なショウガ
冷え性の改善といえばショウガというくらい、ショウガは冷え性に効果のある食材です。
ショウガに含まれるジンゲロールという栄養素が、ショウガを加熱・乾燥させる事によって「ショウガオール」という成分に変化するのですが、このショウガオールには体を温めて血行促進する効果があるため、冷え性改善に最適。
注意点として、生のショウガは体を温める性質ではなく殺菌の性質になるので、加熱したものか乾燥させた生姜をとるようにしましょう。
野菜を食べるなら根菜類を選ぶ
人参や山芋、カボチャといった根菜類の多くは体を温める作用のある野菜です。食べる時はなるべく皮ごと食べると、栄養素を万遍なく取り入れる事が出来ます。
薬味や調味料も冷え性改善に効果的
ネギやニラ、ニンニクといったいわゆる薬味に使われるようなものは体を温めるものが多く、冷え性の改善に積極的に取り入れたい食材です。
その他、発酵食品である味噌も胃腸の調子を整えて体を温めやすくするおすすめの調味料。
香辛料ではシナモンなどが体を温める作用があるため、シナモンとジンジャー(ショウガ)などを使った飲み物などが冷え性改善に良いでしょう。
豆類も冷え性改善に良い
地上に実る野菜としては、豆類が体を温める作用を持ちます。
豆類は良質なたんぱく質が多く、代謝を高めるために効果がある他、ビタミンなどの栄養バランスも良いので積極的に食べましょう。
生の豆より、乾燥された豆類で食べるとより冷え性改善に良いので、乾燥した豆やナッツ類をおやつにつまむのも良いでしょう。
肉類なら鶏や羊を
肉類では牛肉や豚肉よりも鶏肉や羊肉が体を温めやすいとされています。
これは羊肉には代謝を向上するカルニチンという成分が多く含まれている事や、鶏肉や羊肉には体を冷やす脂肪分が少ない事が理由です。
豚肉や牛肉でも脂肪が少ない部位は体を温めやすいので、食べる時は赤身肉を選ぶと良いでしょう。
また、馬肉は東洋医学的には体を冷やす食べ物とされていますが、脂肪分も少なく良質なたんぱく質や栄養素が摂取できるため、体を冷やすというものではありません。ただし、食べ方が生肉の場合は消化に必要なエネルギーも多くなるため、どの肉も過熱して食べるようにしましょう。
魚介類も積極的に摂取しよう
肉と同様、魚介類も良質な動物性たんぱく質を摂取できる食材。全般的に積極的に食べましょう。
ただし魚介類の中ではクラゲなどは水分量が多いため、体を冷やす作用があり避けるようにしましょう。
飲み物は発酵飲料がおすすめ
飲み物では、紅茶や烏龍茶のような発酵された茶葉のものや、ワインや日本酒など発酵によって作られたお酒は体を温める作用があります。
ただし、お酒は飲み過ぎると肝臓に負担がかかって疲弊し、血行不良を引き起こす可能性があるので程々にしましょう。
体を冷やすNG食事
冷え性の改善には、体を冷やしてしまうような食事はNG。体が温まる食材でも、取り入れ方によっては体を冷やしてしまうので注意が必要です。
唐辛子は体を冷やすので注意
どちらかというと体を温める印象のある唐辛子ですが、唐辛子を食べて汗が噴き出すのは、体が温まっているからというよりも辛さの刺激によって脳が勘違いを引き起こしているから。
唐辛子を食べた後に体温をサーモグラフィなどで測っても実は体温は殆ど上がらず、刺激が与えられた周辺(胃の周辺)は血行が促進される温まる作用もあるものの、ショウガのように末端の血管まで拡張するといったような効果は薄く、かえって汗によってより冷えやすくなってしまうという作用があるため、冷え性改善には逆効果の可能性が高くなります。
辛いものを食べるなら、体が冷えないように十分温かい恰好をするように注意しましょう。
地上に実る野菜は体を冷やすものが多い
トマトやキュウリ、ナスなど地上で実を作る野菜は、水分量が多く体を冷やしやすい食べ物。夏野菜として体の火照りを取る作用があるくらいなので、冷え性にとっては注意が必要な食材です。
食べるとしてもなるべく温かい状態で食べるようにしましょう。
コーヒーや白湯も取り入れ方に注意
コーヒーは温かい状態で飲むと一時的に体が温まりますが、カフェインの利尿作用によって水分の排出が促され、体温も下げる作用があるためどちらかというと冷え性を悪化させる飲み物です。
また、冷え性の改善に推奨されやすい白湯ですが、こちらもお湯の温度で一時的に体を温めるものの、その後は血管が拡張して冷えやすい状態になるため注意が必要。
寒い状態で白湯を飲んでも体が温まったり冷えたりを繰り返すだけなので、しっかりと手首や足首など血管周辺を保護する温かい衣服を着て、体の熱を逃がさない状態で飲むようにしましょう。
冷たいものの大量摂取はもちろんNG
冷たい水やアイスなど、冷たいものを食べたり飲んだりすると、胃腸が冷やされて栄養の吸収効率が落ちるのでNG。
野菜などもなるべく温野菜で食べるなど、食事は極力温かい状態で食べるようにしましょう。
食べ物から冷え性を改善して健康的な生活を!
冷え性は運動などによって血流を促進する事も重要ですが、普段の食事に気を付けて、体の中からケアしていく事も大切です。
改善に良い食事とNGの食事を理解して、体をしっかり温める食事を摂るようにしましょう。