何度も繰り返す肌トラブル。肌免疫が十分に働いていないことが原因で起こっているかもしれません。
肌トラブルをなくしいつまでも肌を美しく保てるよう、肌免疫がしっかり働くような状態を整えておくことが大切です。本記事では、肌免疫を高める方法について解説します。
肌免疫について
ここでは、「肌免疫の概要」と「肌免疫が低下する原因」について解説します。
肌の免疫機能について
免疫とは、ウイルスや細菌のような有害物質から身を守ってくれる機能のことです。その中で「肌免疫」といわれるものは、肌に備わっている免疫機能を指します。
肌は、常に露出されている部位で外界と接しているため、花粉、ほこり、紫外線などの外的刺激のダメージを受けやすいのが特徴です。ダメージをそのまま受けてしまうと、肌荒れやニキビなどの炎症が起こります。
そこで、肌免疫が十分に機能すると、ダメージを最小限にとどめて肌を守ることができるのです。肌免疫は、肌を美しく健康に維持するために重要な役割を果たしています。
肌免疫が低下する原因
肌免疫が低下し十分に機能しないと、外的刺激から肌を守れず肌荒れやトラブルが起こりやすくなります。
肌免疫が低下する原因は次の3つです。
加齢
肌免疫をつかさどる細胞に「ランゲルハンス細胞」があります。ランゲルハンス細胞は、炎症を鎮め、有害なものを排除して肌を守る働きがあり、別名美肌の守り神といわれています。
しかし、ランゲルハンス細胞は20歳を境に減少していくため、加齢に伴い肌免疫が低下してしまうのです。
生活習慣の乱れ
寝不足、偏食、ストレスが溜まる生活を続けていると血流が悪くなり、肌に栄養と酸素がいきわたらなくなります。すると、ターンオーバーのサイクルが乱れて肌状態が悪くなり、免疫が低下してしまいます。
また、肌状態が悪いままにしておくと、ランゲルハンス細胞の機能も低下して、ますます肌免疫は下がる悪循環になるため注意が必要です。
過度な乾燥や紫外線
本来、空気の乾燥や紫外線は、ランゲルハンス細胞による肌免疫で鎮静化できます。しかし、あまりにも刺激が強すぎると、ランゲルハンス細胞は乾燥や紫外線によるダメージを鎮静化したのち死滅してしまいます。
過度な刺激を受け続けると、ランゲルハンス細胞の数はますます減っていき、免疫機能が低下することにつながるのです。
肌免疫を高める方法
上述した原因を踏まえて、肌免疫を高める方法について考えていきましょう。ここでは、肌免疫を高める方法を4つ紹介します。
栄養バランスのよい食事をとる
栄養バランスのよい食事をとると、肌のターンオーバーが活性化されるため肌免疫を強化できます。
厚生労働省の食事バランスガイドを参考にして、主食、副菜、主菜、乳製品、果物など、1日に必要な栄養素すべてを摂れるような食事を心掛けましょう。
また、免疫細胞が多く存在する腸内を整える食事も肌免疫向上に有効です。例えば、食物繊維が豊富なごぼう、大麦、カボチャ、昆布、善玉菌を増やすヨーグルト、チーズ、漬物などの発酵食品を取り入れることをおすすめします。
肌にやさしいスキンケアを行う
肌免疫を保つには、普段のスキンケアにも気を配りましょう。化粧品も肌に刺激となれば、免疫を下げる原因になります。肌にやさしいスキンケアを行いましょう。
肌に負担をかけないために、まず化粧品に入っている成分にこだわることが大切です。
例えば、石油系の界面活性剤配合の化粧品は使わないようにしましょう。ランゲルハンス細胞の触手はリン脂質でできており、石油系界面活性剤は溶かしてしまうため、肌免疫低下につながります。
一方、アミノ酸が配合された化粧品は、ランゲルハンス細胞の活性化に有効です。アミノ酸はこれまで作物の抵抗力を高めるために使用された歴史があります。同様に、肌にもアミノ酸を供給することで免疫細胞を十分に働かせ、肌トラブルから守ってくれることが期待できるのです。
質の高い睡眠をとる
肌免疫を高めるには、質の高い睡眠をとることが大切です。睡眠中は、成長ホルモンが分泌され、日中に受けた紫外線などのダメージから肌を回復させます。そこで十分に回復できれば、引き続き免疫力を維持して外的ダメージから肌を守り続けることができるのです。
質の高い睡眠をとるためには、就寝前の過ごし方に注意が必要です。理想の過ごし方の例は次の通りです。
- 就寝前3時間以内は飲食しない
- 就寝1時間前にお風呂に入って体を温める
- ストレッチをする
- リラックスできる音楽を聴く
- パソコン、スマホは見ない
就寝前は、神経を高ぶらせる行為や内臓に負担のかかることは避け、できる限りリラックスした状態をつくりましょう。
普段から眠りにくい方や入眠をよりスムーズにしたいという方は、日中に太陽の光を浴びる習慣をもつことをおすすめします。日光を浴びると脳内でセロトニンが分泌され、夜にメラトニンという物質に変わります。メラトニンは、睡眠を促進する働きがあるため、入眠をスムーズにして体をしっかりと休ませ免疫力アップにつながります。
ストレスを解消する
ストレスは交感神経を働かせて心身を疲れさせ、免疫を低下させます。また、ストレスを受けると体内に活性酸素が発生し、肌細胞の酸化を促してくすみやシワの原因になります。さらに、血流も悪くするため、細胞に栄養や酸素がいきわたらず肌状態は悪化していきます。
ストレスは、目に見えず少しずつ蓄積していくため、こまめに解消するようにしましょう。ストレスの解消法は、好きなものを食べる、音楽を聴くなど多くあり、自分が心地よいと感じるものであればなんでもかまいません。
好きなことをしてリラックスできれば、副交感神経が働いて免疫細胞であるリンパ球が増加するので肌免疫が高まります。活性酸素の発生も抑えられ、肌状態も安定し美しく健やかな肌の維持にも有効なのです。
まとめ
外的刺激に抵抗し肌をトラブルから守ることを「肌免疫」といいます。
肌免疫が低下する原因は「加齢」「生活習慣の乱れ」「過度な乾燥や紫外線」の3つが挙げられます。肌免疫を高める方法は「栄養バランスのよい食事をとる」「肌にやさしいスキンケアを行う」「質の高い睡眠をとる」「ストレスを解消する」ことの4つです。
記事を参考にしていただき、肌免疫を高める習慣作りをしましょう。肌免疫を高められるかどうかが未来の肌の健康と美しさを左右します!