糖化のメカニズム
糖化(とうか)とは、
【たんぱく質が、糖質が結ぶつく「メイラード反応」によって変性し、食品でいえばいわゆる「コゲ」のこと】
同じことが人の体内でも起こります。
体に必要以上にある糖質と、たんぱく質が結ぶつくと、糖化されたたんぱく質が「AGE(終末糖化産物)」という悪玉物質を大量に作り出します。AGEは、血管や筋肉、肌、髪の毛など体のたんぱく質を攻撃して、その働きを低下させるため、老化の原因となります。
糖化による「老化」の症状は、
- 肌のハリが失われて、たるみを生じやすくなる
- 髪の毛にハリ・コシがなくなる
- 血管が詰まりやすくなる
- 骨がもろくなる
- 脳の老化
などが挙げられ、健康面・美容面ともに悪影響を及ぼすため、特に30代以降は意識してAGE対策をしましょう!
AGEが体内にたまる要因
AGEが体内にたまる要因としては、
- 体内に存在するたんぱく質が糖化する
- 食事で摂取したAGEが体内にたまる
の2つのルートがあると考えられています。
たんぱく質は、血糖値が高い状態だと糖化しやすいため、血糖値の管理が重要だとのこと。また、食品に含まれているAGEの約7%は、消化される段階で体内にたまるといわれているため、AGEが多い食品は避けることが望ましいでしょう。
AGEsを増やさないための食事法
1. 高温調理を避ける
コゲができやすい高温での調理は、AGEの量が増えやすいといわれています。「炒める」「揚げる」などの調理法よりも、「茹でる」「蒸す」などの調理法のほうが好ましいといえます。
また、電子レンジでは目に見えるコゲは発生しませんが、短時間で高温の調理をしているため、注意が必要です。
2. AGEsが多いものを避ける
以下の食品は、AGE含有量が多いため、できるだけ控えるようにしましょう。
- ローストビーフ
- ベーコン
- クリームチーズ
- ポテトチップス
- チキンナゲット
- 砂糖入りココア
- オイル漬けのマグロ缶詰
3. AGEs対策に効果的な栄養素を摂取する
「クエン酸」には、食品に含まれるAGEを減らす働きや、糖の代謝を助ける働きがあるため、積極的に摂りましょう。レモンやお酢などに含まれているので、料理の仕上げにレモン汁を絞ったり、野菜のピクルスなどを食事に取り入れてみてください。
また、「ビタミンB1」も糖質の代謝をサポートする働きがあるため、ビタミンB1が多い「豚肉」や「玄米」「枝豆」「カツオ」などがおすすめです。
ワインには、抗酸化作用があるだけでなく、抗糖化作用もあるため、適量を摂取する程度であれば取り入れたほうがメリットが大きいでしょう。赤ワインにはポリフェノールが多く含まれているため、血管を若々しく保ち、アンチエイジングや疲れ目対策にもおすすめですよ。
さらに、葉物野菜やトマトなどの緑黄色野菜に多く含まれる「αリポ酸」は、細胞の糖代謝に関与して糖化を予防する働きがあるのだそう。色の濃い野菜を意識して、なるべく毎日食事に取り入れるようにしてみてくださいね。
4. 食べる順番を意識する
糖化は、血糖値が高い状態が続くと進んでしまうため、食後の血糖値上昇を抑えるために、「食べる順番」を意識しましょう。
米やパン、麺類、イモ類など炭水化物が多い食材から食べ始めると、血糖値が上がりやすいため、
- 「野菜・海藻類」から食べ始める
- 次に、肉・魚などのメイン料理
- 最後に、米や麺類など炭水化物が多い食材
上記の順番で食事をするように心がけましょう。
5. 低GI食品を意識する
GI値とは、食後の血糖値の上がり具合を示す指標のこと。その食品を食べたあと、どれくらい血糖値が上がるのかを「GI値」という数字で表しています。GI値が高い食品は血糖値を上げやすく、反対に、GI値が低い食品は血糖値の上昇が緩やかです。
GI値が高い食品は、
- 炭水化物を多く含む食品(米、パン、麺類、イモ類など)
- とうもろこし
- ジャム
- 菓子類
などが挙げられるので、糖化対策のために控えることが勧められます。
一方、精製度が低い食品や、食物繊維が多い食品などはGI値が低いため、
- 玄米
- ライ麦パン
- 全粒粉パスタ・パン
- そば
- 野菜・海藻類
などを意識して選択するようにしましょう。
食事以外にも気をつけたい習慣
糖化対策には食事が大切ですが、食後の血糖値上昇を抑えるためには、
【食後にウォーキングや散歩をする】
こともおすすめです。食後の血糖値が上がるときに軽い運動を取り入れると、高血糖にならずに済むため、AGEを作りにくくすることが可能になります。10~15分程度、食後に体を動かす習慣をつけてみてくださいね!
いかがでしたでしょうか?老化の原因となるAGEですが、食事の工夫次第で対策することが可能です。
30代以降も健康に、そして美しく過ごすために、負担のない範囲で糖化対策に取り組んでみてはいかがでしょうか。