「背中のたるみ」の原因はズバリ…
背中のたるみを解消させるにあたり、背中のたるみが生じる原因について触れておきましょう。
背中のたるみはズバリ、背中の筋肉が緩むことで生じます。
背中の筋肉には、「脊柱起立筋」「僧帽筋」「広背筋」などが存在しますが、これらは普段の生活ではなかなか使われていません。
特に普段、デスクワークなど座りっぱなしでの生活が続くと、これらの筋肉は機能されない状態が続くため、筋肉は緩んだ状態となってしまうのです。
背中の筋肉が緩んだ状態になると、その緩んだ筋肉を覆うように皮下脂肪がつきやすくなってしまいます。「背中のたるみ」は、このようにして起こるものと考えられます。
自宅でもできる「背中引き締めエクササイズ」
背中のたるみは背中の筋肉が緩むことで生じると考えられます。そのため背中のたるみを解消させるには、緩んだ背中の筋肉を引き締める必要があります。
ここでは「脊柱起立筋」「僧帽筋」「広背筋」といった背中の筋肉を引き締めるエクササイズを3つご紹介します。ご自宅でもできるものですので、是非取り組んでみてください。
エクササイズを行うにあたり、ヨガマットもしくは大きめのバスタオル1枚と、「ウエイト」としてダンベル1組、もしくは水の入った500mlペットボトル2本を用意しておきましょう。
あと、エクササイズ中は水分補給用のお水も用意しておくとよいでしょう。
周りに障害物などがないことを確認した上で、エクササイズを行うようにしましょう。
(1)肩甲骨内転エクササイズ
- マットにうつ伏せになり、両腕を肩のライン上に真横に伸ばして、親指側を天井に向けるようにします。
- そこから胸を床から離し、その体勢のまま息を吸いながら肩甲骨を内側に寄せる動作で両腕を上げていき、肩甲骨を内側に寄せた状態で1~3秒間静止します(写真上)。
- 息を吐きながら両腕を床に触れる手前まで下ろします(写真下)。
肩甲骨を内側に寄せる動作(内転動作)を繰り返すことで、肩甲骨内転筋である「僧帽筋中部線維」に効かせることができます。
15~20回を、1分程度の休憩を入れながら2~3セット行います。
〈ポイント及び注意点〉
肩甲骨内転筋である僧帽筋中部線維に効かせるには、左右の肩甲骨がくっつくまで内側に寄せるようにします。
肩甲骨内転筋ではなく腰の筋肉に効いてしまっている場合、上体を起こし過ぎていることが考えられます。お腹が床から離れてしまっていませんか?その場合は、みぞおちから下の部分(お腹)が床から離れないようにエクササイズを行ってみましょう。
(2)ダンベルベントオーバーローイング
- 両手にウエイトを持ち、腰幅程度に足幅を広げてつま先は正面に向けて立ちます。
- お尻を後ろに引きながら、上体を床と向き合うまで前に倒していきます。このとき、膝が軽く曲がっても構いません。手のひらを正面に向けて、腕を真下に下ろします(写真左)。
- 背中のラインを真っ直ぐに保ったまま、息を吸いながらウエイトをわき腹に触れるまで引き上げて、そこから更に肩甲骨を内側に寄せて胸を張るようにして1秒程度静止します(写真右)。
- 息を吐きながら、抵抗を受け止めながら、ゆっくりとウエイトを下ろしていきます。
このエクササイズ一つで、「僧帽筋」「広背筋」「脊柱起立筋」の3つが鍛えられます!肩甲骨を内側に寄せる動作で僧帽筋が、ウエイトを引き上げる動作で広背筋、背中のラインを真っ直ぐにキープさせる上で脊柱起立筋が動員されます。
10回前後反復可能な強度で、1分間の休憩を入れながら3~5セット行いましょう。
〈ポイント及び注意点〉
広背筋に効かせるコツは、肘でウエイトを引き上げるようにすることです。そうすることで上腕部をカラダの後方に動かすことができ、広背筋に効かせることができます。そのためには、エクササイズ中は常にグリップの真上に肘が位置しているようにします。
エクササイズ中は背中が丸まってしまったり、反り過ぎたりしないように注意しましょう。お尻を後ろに突き出すようにして上体を前に倒すと、背中が丸まりにくくなります。
エクササイズ効果を高めるために合わせて行っておきたいストレッチ
この2つのエクササイズを行うだけで、十分に背中引き締め効果が得られますが、ここでエクササイズ効果を更に高めるために行っておきたいストレッチを、2つご紹介しておきましょう。
この2つのエクササイズで背中の筋肉に効かせるためには、「肩甲骨を内転させる(内側に寄せる)」という動作が非常に重要となります。そこで肩甲骨の内転動作を高めるストレッチを行っていきます。
(1)胸の筋肉への静的ストレッチ
肩甲骨内転動作を高めるにあたり、まず「胸の筋肉への静的ストレッチ」を行います。
胸の筋肉の一つである「小胸筋」は肩甲骨外転(外に開く)筋なので、この筋肉の緊張が強くなると肩甲骨内転動作を制限してしまうからです。
そのため肩甲骨内転動作を制限する胸の筋肉の緊張を、静的ストレッチで緩めていきます。
- 片方の肘を肩の高さまで上げて、肘と脇を90度に曲げます。
- 肘の内側を壁に当てて、ストレッチする側の足を一歩前に踏み出し、カラダを反対側へ回旋させることで胸の筋肉がストレッチされます。
左右それぞれ、筋肉が心地よく伸ばされていることが感じられる強度で30秒間伸ばし続けます。
〈ポイント及び注意点〉
「胸の筋肉が伸ばされているように感じない」という場合、肘の内側が壁から離れていませんか?
胸の筋肉をストレッチするには、肘の内側を壁にしっかりと当てるようにしましょう。壁にしっかりと当てた肘の内側を軸に、カラダを反対側へ回すことで、胸の筋肉へのストレッチ感が得られるようになります。
(2)肩甲骨内転動作を高める動的ストレッチ
「胸の筋肉への静的ストレッチ」で肩甲骨内転制限をクリアにしたら、「肩甲骨内転動作を高める動的ストレッチ」を行っていきます。
上の写真のように、肘から手のラインを顔の前で合わせて両腕を閉じることで肩甲骨を外に開き、両腕を開いて肩甲骨を内側に寄せる動作を10回繰り返します。
〈ポイント及び注意点〉
肩甲骨を内側に寄せる動作を、少しずつ大きくしていくことが可動域を広げるポイントです。
必ず高めたい動きである「肩甲骨を内側に寄せる」という動きで終わるようにしましょう。
「なりたい背中」に近づくためには…
今回は背中引き締めに効果的なエクササイズ2つをご紹介しました。これらを週2回行うことで、2~3ヶ月後には変化が実感できるようになります!
引き締まった背中に変えるには、「どのような背中になりたいか」をできるだけ具体的にイメージすることです。
どのような背中を目指すのか?背中を引き締めて何がしたいのか?目指す方向とゴールに到達した時の姿を、できるだけ具体的にイメージしてみましょう。そうすることで「なりたい背中」に近づくことができるようになります!
さぁ、背中をスッキリ引き締めて、楽しい毎日を過ごしましょう!