睡眠と食事の関係とは?
質の良い睡眠とは?
「寝ても眠りが浅い」など、睡眠に問題を抱えている人は少なくありません。長い時間寝ていても、その質が良くなければ疲れがとれず、あまり良くありません。
質の良い睡眠がとれていないと、体も脳も疲れがとれず、やがては心も不調になってしまいます。
食事と睡眠、関係があるの?と思いますが、実は密に関係しているため、質の良い睡眠がとれるように見直してみましょう。
質の良い睡眠がもたらす影響とは?
質の良い睡眠は、
- 体や脳、心の疲れをとる
(体の代謝が良くなったり、ストレス耐性も高くなるため) - 太りにくい体づくり
(食欲を調整するホルモンが睡眠と密に関係しているため) - 心の病気やストレスを和らげる
(睡眠によって自律神経が整うため) - 肌の調子を整える
(肌の新陳代謝を促すのは、睡眠時に多く分泌される成長ホルモンであるため) - 風邪をひきにくいなど、免疫力をUPさせる
(疲れが溜まりにくくなり、体の抵抗力が高まるため)
など、健康や美容の面においても、さまざまな良い影響を及ぼします。
質の良い睡眠のために摂りたい栄養素・食材
グリシン
グリシンは、アミノ酸の一種。体の末端の部分において血液の量を増やし、体の深部の体温を下げる働きがあります。
体が眠りにつこうとするときは、体の深部の体温が自然と下がるため、グリシンの摂取によって睡眠の質が上がるといわれています。グリシンの摂取によって、深い眠りである“ノンレム睡眠”の時間が増えることも、研究で分かっています。
グリシンは、牛スジや鶏の軟骨、エビ、カニ、ホタテなどの食品に多く含まれています。「牛スジ煮込み」や「鶏の軟骨の炒めもの」、エビやカニ、ホタテを使ったスープやパスタなどを意識して食生活に取り入れましょう。
トリプトファン
トリプトファンも、グリシンと同じくアミノ酸の一種。脳に運ばれて、“セロトニン”という神経伝達物質をつくる原料となります。
セロトニンはメラトニンに変換されますが、メラトニンは体内時計をコントロールする働きがあるため、不眠の解消に役立つといわれています。
また、トリプトファンは体内の活性酸素を除去する働きがあることから、アンチエイジングにも効果的です。
牛乳などの乳製品や、大豆製品、かつおやまぐろなどの魚介類、ナッツ類などに多く含まれています。ビタミンB6とあわせて摂取すると、セロトニンの合成がスムーズにおこなわれるため、ごまや鶏むね肉、ささみなどと組み合わせていただきましょう。
GABA(ギャバ)
GABAは神経伝達物質の一種で、脳の興奮を抑えて、リラックス効果をもたらすことが分かっています。
ストレスを感じていると興奮状態になり、スムーズに入眠できなくなりますが、GABAの摂取によって睡眠の質を上げることができます。GABAは寝ている間にも生成されるため、しっかりと食事から補っておきましょう。
発芽玄米や漬物、キムチなどの発酵食品、トマトやパプリカに多く含まれています。発酵食品は、腸内環境を整える働きもあるため、できるだけ毎日意識して取り入れるようにしましょう。
マグネシウム
マグネシウムは、体のさまざまな代謝に関わっている栄養素です。セロトニンの生成にも関与しているため、不足すると睡眠不足の原因に。
また、マグネシウムそのものにも、神経が興奮するのを抑制し、精神状態を安定させる働きがあるので、質の良い睡眠のために意識して補いたいところですね。
豆腐や納豆などの大豆製品、アーモンドやごまなどの種実類、干しエビやひじき、わかめなどに多く含まれています。
睡眠の質を下げるNGな栄養素・食材
カフェイン
コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるカフェインが、眠りの妨げになることはよく知られていますよね。
注意したいのが、“隠れカフェイン”。実はカカオ濃度の高いチョコレートやココア、栄養ドリンクなどにもカフェインは含まれています。質の良い睡眠をとりたい時は、カフェインの摂取は寝る4~6時間前までにすませておきましょう。
糖質が多いもの
糖質を摂取すると血糖値が急激に上昇し、寝ている間に優位になる副交感神経の働きを邪魔するため、睡眠の質を下げることになります。
寝る前に甘いものを欲するときは、ホットミルク+小さじ1のはちみつ、ハーブティー、昆布茶などを飲むだけでも満足感を得ることができますよ。
冷たすぎるもの
キンキンに冷えた飲み物やフルーツは、体を冷やし、寝付きを悪くしてしまいます。飲み物やフルーツは冷やしすぎていない、常温あるいは温かいものを摂取するようにしてください。
寝る1時間前にはスマートフォンやパソコンから離れてリラックスすると良いといわれているため、飲み物やフルーツもその時間までに摂取しておくと良いでしょう。
脂質が多いもの
揚げ物やステーキ、ポテトチップスなど脂質が多いものは、胃の中に4時間以上停滞している場合もあり、消化に時間がかかります。胃腸が活発に動いていると、深い眠りにつくことができません。
夕食の時間が早い場合をのぞき、寝る前に脂質が多いものを摂取するのは控えましょう。
また、なるべく満腹の状態で眠りにつかないように、夕食が遅くなりそうなときには夕方におにぎりなどを食べておき、夕食の食事量を減らすようにしましょう。
いかがでしたでしょうか?
睡眠は、健康だけでなく美容の面にも影響を与えるもの。特に疲れやストレスが溜まっていて、しっかりと睡眠をとりたい時には、食事も見直して快適な眠りにつけるように意識してみてくださいね。