背中に脂肪がつく原因
「スッキリ背中」に変えるにあたり、背中に脂肪がつく原因について触れておきましょう。
パソコンやスマホを操作しているとき、背中を丸めていませんか?背中を丸めて過ごし続けていると、「猫背」の姿勢になってしまいます。この猫背の姿勢こそが、背中に余分な肉がつく原因であると考えられます。
猫背で背中が丸まってしまうと、背中の筋肉が緩んだ状態となるため、脂肪がつきやすくなると言われています。そのため、スッキリ背中に変えるには、猫背の姿勢を改善させることが必要です。
猫背は、胸や肩前面の筋肉の緊張が強くなり、肩甲骨が外に開いて胸椎(背骨の上部)の後弯が強くなった状態です。
そのため猫背の姿勢は2つのステップで改善させていきます。1つめのステップとして胸や肩前面の筋肉の緊張をストレッチで緩めていき、2つめのステップでは肩甲骨を内側に引き寄せる筋肉である肩甲骨内転筋群を強化するエクササイズを行っていきます。
ステップ1:「簡単ストレッチ」で猫背をリセット!
まずは猫背の姿勢を改善させるために、胸や肩前面の筋肉の緊張をストレッチで緩めていきます。しかし、胸のストレッチだったり肩前面へのストレッチだったり、覚えることが多いと正確にストレッチができているか不安ですよね。
そこで今回は、たった1つのストレッチで猫背リセット効果があり、なおかつ簡単に覚えられるストレッチを行っていきましょう。このストレッチでは、テニスボールを1つ用意しておきます。
ストレッチを行う前に、上の写真のように両脚を伸ばして床に仰向けに寝てみましょう。その時、床と背中の密着感を確認しておきます。
猫背の姿勢をリセットできる簡単ストレッチ
- 用意したテニスボールを左右の肩甲骨の間にセットし、両膝を立ててマットの上に仰向けになります。両腕は手のひらを天井に向けて、身体の横に構えるようにします。
- 息を大きく吸いながら両腕を開くように、下から頭上に向かってゆっくりと大きく動かしていき(写真上)、息を大きく吐きながら両腕を閉じるように、頭上から下へゆっくりと大きく動かします(写真下)。これをたった3回繰り返すだけ!
ストレッチを終えたら、ストレッチ前と同様、両脚を伸ばして床に仰向けに寝てみましょう。すると、床と背中がストレッチ前よりもピッタリとついていることが確認できるかと思います。これはストレッチによって、胸椎の強い後弯をニュートラルな状態に整えられたためです。
ステップ2:「2つのエクササイズ」で背中全体を引き締める!
スッキリ背中に変えるための2つめのステップでは、エクササイズを2つ行っていきます。
1つは、猫背の姿勢を改善する肩甲骨内転筋群を強化するエクササイズです。もう一つは、「ベントオーバーローイング」という、文字通り背中を広く覆っている筋肉である「広背筋」のエクササイズです。
この2つのエクササイズを行うだけで、背中にある全ての筋肉に刺激を与えることができます!
(1)肩甲骨内転筋エクササイズ
- マットの上にうつ伏せになり、両腕を肩のライン上に伸ばし、親指側を天井に向けるようにします。そうすることで肩への負担を少なくすることができます。
- 胸を床から離し、その体勢のまま息を吸いながら肩甲骨を内側に寄せることで両腕を真上に上げていき、上げ切ったところで3秒間キープします(写真上)。
- 息を吐きながら両腕を下ろしていきます。床に下ろし切らないようにしましょう(写真下)。
15~20回を、1分程度の休憩を挟みながら3セット行いましょう。
肩甲骨内転筋に効かせるコツ
肩甲骨を内側に寄せる動作で両腕を上げるようにすることで、肩甲骨内側の筋肉(肩甲骨内転筋群)に効かせることができます。
注意すべき点
背中を反らせ過ぎないようにしましょう。背中を反らせ過ぎてしまうと、肩甲骨内側の筋肉ではなく、脊柱起立筋(背骨に沿って走行している背中の筋肉)の下部に効いてしまう上、腰への負担が大きくなってしまうからです。
(2)ベントオーバーローイング
- 両手にダンベルもしくはそれに代わるペットボトルを持ち、腰幅程度に足幅をとります。
- お尻を後ろに突き出しながら、上体が床と向き合うまで前に倒していき、両膝は軽く曲げておきます。すると横から見ると、ひらがなの「て」の字を描くような体勢になります。ダンベルもしくはペットボトルを持った両腕を真下に下ろし、手のひら側を自分の方に向けます(写真左)。
- 息を吸いながら、自分の方に向けていた手のひらを正面に向きを変えていきつつ両肘を真上に引き上げていくことで、ダンベルもしくはペットボトルをわき腹に向かって引きつけ、更に肩甲骨を内側に寄せて胸を張るようにします(写真右)。
- 息を吐きながら手のひらを自分の方に向けながら、ゆっくりと両腕を真下に下ろしていきます。
ダンベルなど負荷となるものは、できるだけ10回反復可能なものを選ぶようにしましょう。
10回を、1分間の休憩を入れながら5セットを目安に行います。
広背筋に効かせるコツ
動作中は、常にダンベルもしくはペットボトルの真上に肘が位置するように心がけることが、広背筋に効かせるコツです。
「背中の筋肉ではなく腕の筋肉に効いてしまう」という場合、引き上げたときダンベルもしくはペットボトルの真上に肘が位置していないことが考えられます。肘で引き上げるようにすることで、広背筋に効かせることができます。
よくある間違い
動作中は背中のラインはまっすぐになるようにしましょう。背中を丸めてしまったり、背中を反らせ過ぎてしまうと腰を傷めてしまう可能性が大きくなるからです。
ここでよくありがちな間違いが、「背中をまっすぐにすること」と「背中を反らせること」を混同してしまっていることです。
「背中をまっすぐにする」ということは、その名の通り背中を結ぶラインが一直線になっている状態です(写真左)。それに対して、「背中を反らせる」というのは、背中を結ぶ一直線のラインが崩れ、腰のあたりが窪んだ状態になっています(写真右)。
なかなか気づきにくい「背中の変化」を簡単に知る方法
今回は「ぽっちゃり背中」を「スッキリ背中」に変えていく2つのステップをお伝えしました。
背中の変化はなかなか自分一人では気づきにくいものです。そこでお勧めするのが自撮りです。スマホでセルフタイマーをセットして、ご自分の背中全体を写してみるのです。そうすると、ご自分の背中を客観的に見ることができるようになるのでお勧めです!
是非お試しください!