プロテオグリカンとは?
プロテオグリカンとは、動物の皮膚や軟骨に含まれている成分です。どのようなはたらきがあるのでしょうか?
皮膚でのはたらき
保水性があるため、肌にハリや弾力を与えます。
軟骨でのはたらき
関節の動きを助けるといわれています。関節の軟骨がすり減ってしまうと、痛み・腫れの原因となります。プロテオグリカンは、コラーゲンなどと共に軟骨の構成成分です。
保水力もあるため、軟骨に粘弾性を与えることで、関節の動きを助けるというメカニズムです。
プロテオグリカンはサケに多い!?
サケの頭部の「鼻軟骨」と呼ばれる部分にプロテオグリカンは豊富に存在します。その他、ニワトリの鶏冠や、牛の気管軟骨などに含まれています。
これまで、頭部は破棄されることが多かったようですが、大量にプロテオグリカンが抽出できるようになったのです。
残念ながらサケそのものを食べても、プロテオグリカンを摂取することは難しいといわれていますが、現在は化粧品や健康食品だけでなく、医薬品にも使用されています。
プロテオグリカンは高級品だった!?
かつて、プロテオグリカンは1gあたり、なんと3000万以上と高価なものでした。理由は、限られた部位からしか抽出できなかったこと。
しかし、近年は研究も進み、サケの鼻軟骨から効率よく抽出することができるようになり、私たちが手にする化粧品やサプリメントに使用されるようになりました。
美容や健康にさまざまな効果が期待されるプロテオグリカン。では、具体的にどのような効果があるのでしょうか?
プロテオグリカンの効果とは?
ヒアルロン酸の産生を促す
プロテオグリカンは、ヒアルロン酸の産生を促すはたらきがあると報告されています。
ヒアルロン酸とは、皮膚で水分を含んでおり、細胞やコラーゲンのすき間を埋めることで肌のみずみずしさを保つはたらきをしています。
加齢によりヒアルロン酸は産生量が減るため、肌のみずみずしさが低下してしまいます。
保水効果
プロテオグリカンには、ヒアルロン酸の約1.3倍の保水力があることが分かっています。
また、ヒアルロン酸よりもべたつきがないため、肌触りがサラサラとしていながら、高い保水力があるのです。
EGF様作用
プロテオグリカンにはEGF様作用があります。細胞の再生を促し、アンチエイジング効果が期待できます。
EGFとは
EGFとは「上皮細胞増殖(成長)因子」と呼ばれており、細胞の成長・増殖を調整しています。
EGFも加齢とともに減少していきます。20代後半から急激に減少、70代では20代の1/6になってしまいます。EGFが減少すると、細胞が再生する力が低くなるため、ターンオーバーを遅らせ、肌が老化する原因となります。
関節への効果
プロテオグリカンの保水力は、関節の軟骨が衝撃を受けると、その衝撃を吸収するはたらきがあります。要するに、関節に加わる力を緩和し、プロテオグリカンがクッションとしてはたらくわけですね。
メラニン抑制効果
シミのもとであるメラニンの生成を抑え、色素沈着を予防・改善するはたらきがあります。
プロテオグリカンは少量摂取でも効果あり!?
数ある美容成分の中でも、プロテオグリカンは少量で効果があるといわれています。
以下のように報告されています。
- 魚鱗コラーゲンペプチドや豚皮コラーゲンペプチド 2500~10000mg:4週間摂取で「保湿効果」
- ヒアルロン酸 120mg:6週間摂取で「弾力改善」「シワ改善」「保湿」
- プロテオグリカン 5mg:2週間摂取で「弾力改善」「シワ改善」「保湿(改善の傾向)」「シミ改善」
この結果からも、プロテオグリカンは他の美容成分に比べて、少量かつ短期間で効果を得られると分かります。
プロテオグリカンが含まれる食品はある?
プロテオグリカンは熱に弱く、加熱すると構造が壊れてしまうため、食事から摂取するのが難しいといわれています。
したがって、効率的に摂取するにはサプリメントがおすすめです。
プロテオグリカンのサプリメントの選び方
さまざまなプロテオグリカンのサプリメントがありますが、以下の点に注目して選びましょう。
- 天然素材からできているもの
- 添加物がなるべく少ないもの
- 熱処理によって栄養素が変性していないもの
天然素材かどうか、添加物の量を確認するには、原材料表示を見ると良いでしょう。
添加物については、例えば香料・甘味料・着色料・増量剤・保存料などは使わなくてもサプリメントは作ることができるため、そのような添加物が多いものは避けると良いでしょう。
熱処理とは、加工方法のことですが、栄養素は熱に弱いことが多いため、高温・高圧で加工すると変性してしまう場合があります。製造法についてはパッケージだけでは確認できないため、メーカーに確認すると良いでしょう。
いかがでしたでしょうか。
美肌作りにはスキンケアも大切ですが、プロテオグリカンで体の内側からもアプローチしてみてくださいね。