筋肉の質とは!?
食事療法や運動で、体形はあまり変わっていなくても、いざ走ろうとした時に走れなかったり、昔できた運動ができない、なんてことありませんか?
筋肉の質が変わっているかもしれません。
筋繊維について
筋肉は、「筋線維」と「筋繊維以外の組織(水分・脂肪・結合組織)」から成り立っています。
生まれたときは筋線維は細いですが、成長とともに太く・密度が高くなります。その後、加齢とともに筋線維は細くなったり、数が減るといわれています。
近年は、「筋肉の量」だけでなく、こうした筋肉の質(状態)を上げることに注目が集まっています。質の良い筋肉は、よく動き、柔軟性があるため、運動において最高のパフォーマンスをすることができます。どんなに重いものを持ち上げられても、筋肉の動きや、動く範囲が少ないと、質が良いとはいえません。
筋肉の質が良い状態とは?
- 筋線維が密になっている
- 筋繊維の周りの組織(水分・脂肪・結合組織)が少ない
この状態は、筋肉の質が高いといわれています。
これまでは、加齢とともに「筋肉の量」が減ることがよく指摘されていました。近年は、それだけでなく、筋線維以外の組織が増えてしまうといった「筋肉の質」の変化が重要視されています。
では、筋肉の質が下がると、どのようなことが起こるのでしょうか?
筋肉の質が下がると、どうなる?
見た目では、筋肉の太さは変わりませんが、押してみると筋肉にハリがなくなっていることが多いようです。筋肉の質が下がると、加齢とともに転倒するリスクが高くなることが報告されています。
筋肉の質を高めるためには、日々の運動が欠かせません。その効果を、筋肉の質を点数化して調査した研究では、
- 20代男性では筋肉量・筋肉の質が高くなった
- 30代女性では筋肉量は変わらないが、筋肉の質が改善した
とのこと。(タニタ体重科学研究所のデータ)
また、運動の強度については、「少し背伸びをしているくらいの強度」がおすすめです。例えば、ウォーキングを1時間しても特にしんどさ等を感じない場合は、ウォーキングでは筋肉の質を高めることは難しいというわけです。
筋肉の質は、筋肉量よりも変化しやすいため、女性や高齢者でも効果を感じやすいとのこと。運動するモチベーションも上がりますよね。
筋肉の質を上げる方法
がむしゃらに運動を頑張るよりも、効率よく、筋肉の質を高める方法を実践してみましょう!
日々の運動が大切
椅子スクワット
- 椅子に浅く座り、足を肩幅に開く
- 背筋をピンと伸ばす
- 股関節からおじぎをするように、足裏全体に体重をかけるように上半身を倒す
- 太ももの筋肉を意識して、立ち上がる
1セット10~15回とし、1日に2セットおこないましょう!
体操
ラジオ体操などの体操も、筋肉の質を高めるといわれています。また、ダンベルを使う体操は、効果が高いとのこと。筋肉を鍛えるだけでなく、質が高い筋肉にすることができます。
たんぱく質の量はしっかりと
たんぱく質の量は、運動の強度によって異なります。
- 週に数回のトレーニング:体重1kgあたり1.0g
- ヨガやピラティス:体重1kgあたり1.0~1.4g
たんぱく質は摂りだめができないため、毎食の食事で摂取することが大切です。
プロテインの種類
プロテインは、あくまで食事の補助として摂取しましょう。
プロテインにも種類があります。
- ホエイプロテイン:ヨーグルトの上澄みの液体をホエイといい、ホエイに含まれているのがホエイプロテイン。水溶性です。
- カゼインプロテイン:生乳を構成しているたんぱく質で、不溶性。
- ソイプロテイン:大豆のたんぱく質の部分を粉末にしたもの。消化・吸収がゆっくり。
ホエイプロテインは、他のプロテインに比べ、質が良いといわれています。理由は、筋肉の合成に関わるロイシンというアミノ酸を含んでいるためです。
水溶性で吸収されるのも速いため、運動後に飲んでも良いかもしれません。
筋肉を使わない日もたんぱく質摂取を
運動をしない日も、たんぱく質は摂取しましょう。理由は、運動後48時間以内は少なくとも筋肉のたんぱく質合成が活発であるためです。
筋肉を使った直後はもちろんですが、その後48時間以上も、筋肉の合成速度は高いままという報告があります。質の良い筋肉づくりには、運動直後だけでなく、オフの日もしっかりたんぱく質を摂取しましょう。
運動は、筋肉の量を増やすだけでなく、質の良い筋肉づくりにも欠かせません。運動しない日もたんぱく質をしっかり摂取し、質の良い筋肉づくりのための運動を始めてみましょう!