仕事が好きなのは悪いコトではありません。ただ、より仕事で結果を残していくために、ときには“休み”も必要です。
恋愛でも押せ押せモードだとうまくいきませんよね。それは仕事でも同じ。頑張りすぎると、それは一時的な成功になってしまい、続かない……なんてこともあります。
より高くジャンプするためには、まずは“屈み込むこと”……つまりエネルギーを貯めることが大切です。
上手にオンオフのスイッチを切り替えて内的エネルギーを高める
成功している人は「寝る間を惜しんで働いているのでは?」と感じさせるほど忙しそうに見えます。しかし実は上手に息抜きしたり、友だちと会ったりしてプライベートを充実させているケースが少なくないのです。
例えば、早朝に座禅を組みにいったり、サーフィンをしにいったり。休みの日には、ドライブをして温泉に……と隙間を縫うようにして、リラックスやリフレッシュの時間を取っています。
ずっと頑張り続けていくと、内的エネルギーがどんどん弱まってしまいます。仕事依存に併発してウツ病を患ってしまっている人は、セルフトークがネガティブになってしまいます。「期限におわれている! 過ぎたら怒られるんじゃないか」「ここで結果を出さないと仕事を切られてしまうかも?」「あーあ、私ってダメだな」などなど。無意識のうちに脳のなかで自分に話しかけている言葉がネガティブになっていってしまうのです。
この声に出さなくても無意識的に自分に話かけている言葉を、意識的にプラスに変えていかないとウツ傾向はよくなっていきません。「今日もよくやったな」「今日は頑張ったから、ここからはしっかり休むぞ!」と自分を労ったり、褒めたりするセルフトークを増やしていくと少しずつ不安感は消えていきます。
こんなときも実は趣味が効果的。仕事から切り離されるということ以外に、ストレス発散にもなります。ストレスは身体・思考(脳)・感情(心)の3つがあり、それぞれのストレスを発散していかなければなりません。そのため、身体を動かせるもの、頭の中を整理できるもの、感情を表出できるものなど、様々な種類の趣味がある方が良いと私は思っています。
また、趣味を持つことのメリットのひとつに、趣味を続けていくことで、自分の成長に気づけるというものもあります。続ける事によって得られる自己成長や小さな成功体験が、自己肯定感や自信に繋がっていくこです。
例えば、カラオケだったら今までうまく歌えなかった曲が今日はきれいに歌えたな! なんていう成長があると、「おお、私、スゴイじゃん!」と自分を褒められますよね。こういうポイントがある趣味はすごくいいです。
<オススメの趣味>
瞑想
思考のストレス発散、こころが整い浄化作用もある
カラオケ
歌詞に感情移入する=感情のストレス発散、歌詞によって考え方が変わる=思考のストレス発散、大声で歌う=身体のストレス発散
ヨガなどのスポーツ
身体のストレス発散になるだけでなく、自分を褒めるポイントが多いため、自己肯定感が高くなる
カフェめぐりや散歩など
身体のストレス発散や思考のストレス発散になる上に、人と話すことでカタルシス効果を得られ感情のストレス発散にも。日常に取り入れやすい手軽さがある
マッサージ
身体が癒され、「腰痛が治る」など考え方にも効果があり、「気持ちいい~!」と心や感情にも働きかける
仕事では、失敗すると叱られたり、自分を責めてしまったりします。しかし、趣味の場合は失敗しても「また次、頑張ろう」と思いやすい上、結果が失敗であっても挑戦できた姿勢を褒めることができます。「挑戦できた」「継続できた」と仕事では褒めにくい部分を自身で認められるのです。
この事により、自己肯定感が高まるだけでなく、結果重視の性格も少しずつ改善していきます。仕事依存は、結果重視の考え方によって起こるケースも少なからずあるので、趣味を持つことがとても有効です。
また、趣味ではありませんが、「話す」ことはストレスを解消してくれます。30歳を超えてきたあたりからどうしても、本心をすべてさらけ出せる人が減ってきてしまうもの。特に、責任のある仕事をもっている女性はプライドが高くなるため、相談をしなくなってストレスをどんどん抱え込んでしまう傾向があります。
抱え込む傾向にある人は一度、信頼できる家族や、彼氏、配偶者、友達などに話してみましょう。カウンセリングであれば情報が漏れることなく専門的な見解や選択肢を得ることができるのでオススメです。
本来カウンセリングは、予防的にいくべきものなのですが、日本人は重症にならないとなかなか行こうとしません。予防したり、早めに変化に気づかないと、復帰までが長引いてしまうと心得て、心の健康にも気を配ってほしいなと思います。
環境を大きく変えると人生が180度変わるかも!?
今の時代、ブラック企業など仕事依存になりやすい環境が少なくありません。職場の体質を変えるのは難しいので、一歩足を前に踏み出して、場合によっては退職や転職を選択する必要があるかもしれません。
「仕事を辞める」ということは、「新しい挑戦」でもあります。そのため、不安が大きく、人はその一歩をなかなか踏み出すことができません。しかし、一度環境を変えてみる、長い休暇を取ってみる……そんな大きな行動を起こすことで、人生が180度変わることがあります。
いざというときに大きな挑戦ができるように、日頃から小さな挑戦をしておくといいですよ。
【山名裕子】
メンタルオフィス「やまなmental care office」代表臨床心理士。
大学にて心理療法の心得と技術を学び、2013年に臨床心理士の資格を取得する。主に認知行動療法によってカウンセリングをすすめ、心の専門家としてメディア出演をはじめ幅広く活動中。