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自己評価ばかり気になって仕事を楽しめない!これって病気?







好きなことを仕事にして、やりがいを感じながら働いていても、いつしか「いつも時間に追われている」「休んでも休んだ気がしない」なんて状況に陥っていた……。



前回に引き続き、依存に足を踏み入れてしまった女性をご紹介しながら、ワーカホリック(仕事依存)について解説していきます。







 

憧れの仕事に就いたけれど、いつしかやりがいを見いだせなくなって





20代後半のときに、映像系の企画・制作会社に入ったマナミさん(34歳)。学生の頃から映画が好きで、映像に関わる仕事がしたいと思っていました。見事、今の仕事に転職したのは26歳のとき。最初は「好きな仕事ができる」と、やりがいを感じながら充足したお仕事ライフを送っていました



「ネット番組の企画・制作をしているのですが、ネットの場合、視聴者数がダイレクトで分かる。多くの人が観てくれると、『やった!』と思うし、上司も認めてくれる。先輩や同僚からも、『こないだの企画、おもしろかったよね』などの反応があるので、励みになるんですよね」



しかし、30歳を超えた頃から、「楽しみややりがいを感じられない。いつも休みたいと思っている」という状態になってきたというのです。



「会社の雰囲気として残業するのがあたりまえ、って感じなんです。なかには会社に泊まり込んで仕事をしている人もいるくらい。特に、一緒に仕事をしている上司が帰らないと、帰りづらくて……」



「長時間労働があたりまえ」「仕事なんだから多少つらくても頑張るのがあたりまえ」という雰囲気のある職場は少なくありませんが、仕事依存になりやすい環境だと言えるでしょう。



 

職場依存と仕事依存、実は別もの





ここで注意してほしいのが、職場依存と仕事依存は別ものだということです。



職場依存は、家庭の不仲などから逃げたいために、仕事はしたくないけど職場に延々いるというようなタイプ。残業していても仕事に追われてやっているのか、ただ帰りたくないからだらだらと居座って寂しさを埋めているのかは、根っこの部分がまったく違います。



 

どこを評価されるかで依存になるかどうかが決まる





マナミさんの場合、分かりやすい反応があったり、仕事を認められやすかったりと、「やりがいを感じやすい」職場でもあります。



しかし、これもある意味曲者。「認められた→次も頑張らなきゃ」というプレッシャーを感じやすい側面もあるからです。「前よりいいものを作らなきゃ」「結果を出し続けなきゃ」というプレッシャーから依存になることも……。



ただ、「あのときの、ああいう対応って柔軟でよかったよ。おかげで誰もイヤな思いをせずにすんだね」「いつもスタッフに気配りしてくれて感謝してるよ」というように、「経過の部分」もきちんと見て評価し、内発的なモチベーションを高めてくれる職場や上司であればプレッシャーを感じにくく、依存にもなりにくいと言えます。



 

情報から離れ、素の自分と向かい合う時間を意識的にもとう





「休みたい、でも休むのが怖い。頑張らないと干されるかもしれない」という恐怖感でいっぱいになり、長時間労働をしながらも、つらい思いを抱えていたマナミさん。



「最近、休みの日に何をしていいか分からないんですよね。スケジュール帳に何も書いていない日があると不安で、身体は休みたいんですけど、つい友達とあったり、情報収集と称してイベントに職場の同僚と行っちゃったりするんです」



スケジュール帳を見て埋まっていないことが気になり始めたら危険です。一日予定が埋まってないと、何をしたらいいのか分からない人は特に女性に多い傾向です。休みの日に出かけるにしても、仕事の相手を選んだり、仕事につながる内容にしたりという人も少なくないのです。



ざっくばらんな性格の人ならいいのですが、仕事が関わってくると腹を割って話せないというのでは、結局気を遣って仕事モード。つまり、オンオフのスイッチの切り替えができていないんです。会社を出て飲みにいっても、仕事の話しかしないのも特徴としてありますね。



また、今はパソコンやスマホを常にオンラインにしていて、プライベートでも仕事のメールが入ってきたらすぐに対応できるようにしている人も少なくありません。同時に、SNSで仕事の人とつながっていて、仕事のやりとりをLINEやFacebookのメッセンジャーでする人も増えています。InstagramやTwitterも仕事の人とつながっていると、プライベートのすべてを出せなくなり、仕事とプライベートの切り替えが難しくなりますよ。



それから、スマホのアプリでニュースを読んでいるなど、今は常に情報が手に入る状態。電車に乗っていても、みんなスマホを眺めています。情報に疎い人は「情弱」などと言われ、情報を選択する能力を問われる世の中になっています。コミュニケーションを円滑にするために、最新の情報を取り入れることは欠かせないかもしれませんが、夜の何時から朝の何時まではスマホをナイトモードにして使わないようにするとか、休日に出かけるときはSNSをオフラインにするなど意識的に情報から離れる時間をもつようにするといいでしょう。

 



SNSを覗くと、仕事もプライベートも充実してそうに見え「キラキラと輝いている人がいっぱいで焦ってしまう」という方もいるかもしれませんね。でも実は、そういう投稿をしている人でも、悩みを抱えてカウンセリングに来るケースは少なくないのです。

SNSで充実した仕事やプライベートをアップしているように見える人でも、すべてがうまくいっているわけではないんですよ。SNS疲れによりこころに不調をきたしている人は意外と多いということを知っておくだけでも、依存症の予防になりますね。



【山名裕子】





メンタルオフィス「やまなmental care office」代表臨床心理士。



大学にて心理療法の心得と技術を学び、2013年に臨床心理士の資格を取得する。主に認知行動療法によってカウンセリングをすすめ、心の専門家としてメディア出演をはじめ幅広く活動中。

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