東北で古くから愛されてきた「三五八漬け」。「塩3:麹5:蒸し米8」の割合の漬け床に食材を漬けると、自然な甘さが際立ち各段においしくなるんです。
とはいえ、「蒸し米と麹を準備するのが面倒」と思う方も多いはず。そこで今回は、甘酒と塩麹を使って手軽に仕込める「甘酒塩麹」をご紹介します。
三五八漬けよりも簡単なのに同じくらいおいしく仕上がるから、常備菜としてストックしておくと便利ですよ!
野菜の甘酒塩麹漬け
Photo by Amika Moriyama
甘酒塩麹は、浅漬けよりも深みと旨味がある味。ぬか漬けのように毎日かき回す必要もなく、前日に漬けておくだけとじつはとっても簡単なんです。
当日は食材を焼くか並べれば完成です。これなら残業で疲れて帰ったときもパパッと作れるはず! 漬け床の作り方と、漬け床を使ったアレンジレシピをご紹介します。
【材料】(作りやすい分量)
甘酒・・・100g
塩麹・・・80g
きゅうり・・・1/2本
かぶ・・・1/2個
にんじん・・・1/4本
【作り方】
1.甘酒と塩麹を保存袋に入れて、合わせるだけで漬け床のできあがり!
2.保存袋にきゅうり、かぶ、にんじんを薄切りにして入れ、1の甘塩麹を全体に行き渡る量を加え、一晩漬けます。
朝にひと切れ味を見てみて、ちょうど良かったら野菜だけ器に取り出し、漬け床をふき取り、器に盛れば完成! 2日間くらいおいしく食べられますよ。
野菜を漬ける場合、漬け床は3回くらい再利用できます。ただし野菜から水分が出る分、漬け床も水っぽくなるので、漬ける時間は最初より少し長くなります。
さわらの甘塩麹漬け
Photo by Amika Moriyama
甘酒と塩麹。Wの麹の働きで野菜も魚も美味しくなりますよ。
冬の魚介なら、「さわら」「めかじき」「ブリ」「鮭」「イカ」がおすすめ。どれもまるで料亭で出てくるような柔らかく風味豊かな味になります。
豚肉などは、半日から1日漬けて焼くだけで柔らかく、ごはんに合う味になります。ここでは、魚を使ったレシピをご紹介します。
【材料】(2人分)
さわら・・・2切れ
塩・・・小さじ1
甘酒塩麹・・・大さじ3(先のレシピの割合で作ったもの)
【作り方】
1. さわらは洗って塩を振って10分おきます。
2. 1をキッチンペーパーで水気を拭いて保存袋に入れ、甘塩麹を大さじ3加えて全体に行き渡らせたら、空気を抜いて一晩から1日冷蔵庫で寝かせます。
3. 食べるときは、魚についた麹をキッチンペーパーで拭いて、魚焼きグリルで弱火で5〜6分焼きます。
4. 水分がなくなり、焼けてきたら、片面焼きグリルの場合はひっくり返して2分くらい焼きましょう。焦げないように注意しながら焼き色がついたらできあがり。
フライパンで焼くなら、フライパン用ホイルを敷き、その上に皮目を下にしてのせ、フタをして弱火で5分焼いて、様子を見ながら裏返して3分焼くと焦げ付かずに焼けます。
甘酒塩麹は、半月から1ヶ月以内に使い切りましょう。余りそうになったら肉か魚を漬けて冷凍してしまえば、「帰ってきたら焼くだけ」のおかずストックになります。
身体にやさしい働きがたくさんある麴パワーを、手軽に取り入れられる「甘酒塩麹」をぜひ作ってみて!
(レシピ制作・トップ画像/Amika Moriyama)