新しいデバイスや技術の登場でゲームだけでなくLINE、ツイッターなど、コミュニケーションの形も変化していく現代。
今後、VRは目まぐるしい発展を遂げると予想できます。VRの発展は、私たちのコミュニケーションに果たしてどのような変化をもたらしてくれるのでしょうか?
本記事では既に公開されているソーシャルVRアプリをまとめてご紹介していきます。
未来の「セカンドライフ」今VRのチャットが注目される訳は?
2000年代の後半に大ブームを起こしいつの間にかブームが衰退していったセカンドライフという「仮想世界」を皆さんはご存知でしょうか?
アメリカのリンデラボ社が開発したこの「セカンドライフ」という仮想世界はその名の通り、自分の「第二の人生」を過ごすことのできるゲームでした。
クエストをこなしたり、モンスターを協力して倒すようなMMOゲームと違い、ゲームの様な目的はなく、仮想現実に登場した自分の分身「アバター」を操作して、好きなことを何でもでき、むしろ、ゲームの目的を自ら作り出すようなまさに「第二の人生」を過ごすというものでした。
現実世界と同じく、仮想世界の土地を売買したり、自分でデザインした服や車家などを売ったりすることもでき、実際にこうした取引を行うお金はセカンドライフ内の仮想マネーである「リンデンドル」を用いて行いますがこの「リンドルドル」は実際のお金に換金することも可能で、このことも話題になりました。
しかし、残念ながらセカンドライフは当時の平均的なPCに対して、要求スペックが大きかったり、アバター作成が難しかったり、あまり流行ることはなく、ブームが過ぎ去っていきました。
そして、人々の多くはアバターを古いものと認知し、簡略化されたアイコンを使うFacebookやLINE、ツイッターなどにコミュニケーションの主流が流れていきました。アバターの動きより絵文字やスタンプのほうが自分の感情を伝えやすかったからだと考えます。
しかし、VRの技術が発展している今、高性能なゲーミングパソコンも容易に手に入り、VRの特性であるキャラクターとの距離感の近さによってセカンドライフの様な「アバター」を利用したチャットゲームが再注目されています。
VRの特性のもう一つとして、自分の動きを追跡するトラッキング技術、これによりアバターを介して自分のジェスチャーや首の動きも相手に伝えることができるのでスタンプやアイコンよりさらに正確で伝えやすくさらに現実世界でのコミュニケーションに限りなく近しいものなので今後流行するのではないか期待できます。
そんな、来たる未来を見据えることのできるVRのチャットアプリを今回はまとめてみました。
Facebook Spaces β版
引用元:https://www.oculus.com/experiences/rift/1036793313023466/
今週4月18日衝撃のリリースが行われた、「Facebook Spaces」、β版とは思えないクオリティーでの提供には、業界はざわついた。
アバター生成機能、VR空間シェア機能、フレンド招待機能、VRドローイング機能、リアル通話機能など様々な機能が準備されている。
以下の動画を見るだけでも、イメージ湧いてくるのではないであろうか?
リリース時のVRInsideでの紹介記事:Oculus対応アプリ「Facebook Spaces」は今体験できる最高のVRソーシャルアプリだ
VRchat
引用元:http://store.steampowered.com
現在最も完成度が高く、人気もあるVRのチャットアプリです。リアル系のアバターから目の大きいアニメ調のデフォルメがかったアバターまで好きなアバターにカスタマイズできるのも特徴です。
ミニゲームも多く用意されていて、ボーリングや空間にみんなでお絵かきをして楽しむことができます。
ストア評価も高く、人気のコンテンツのため、海外のアプリながら、日本人のユーザーも多くいるみたいです。
AltspeacceVR
引用元:http://store.steampowered.com
VRデバイスの登場初期から開発がすすめられ、リリースも早かったのが、AltspeacceVRです。
他のVRのチャットアプリでもおなじみになったような、写真撮影機能や、SNSのシェア機能、同時にウェブページや動画を一緒に見ることができる機能など、を搭載しています。
ミニゲームを遊ぶこともでき、こちらのミニゲームはVRのトラッキングや動きを利用した運動系のアプリではなく、ボードゲームなどのゲームが多く、OCulusのtouchが出る前のコントローラーでの操作を意識したものの名残があるように思えます。
Rec Room
引用元:http://store.steampowered.com
Rec RoomもAltspeacceVR同様にHTC VIVE登場初期から開発、リリースされていたVRチャットアプリ。
ミニゲームの多さやシンプルで簡略化されたアバターが特徴で、アバターの作成画面が実際の着替えの様なシステムなのも特徴。
ミニゲームはHTC VIVEのルームトラッキングを活かした体を動かすスポーツの様なものが多くVRを楽しむにはもってこいのコンテンツです。
vTime
イギリスに拠点を置くイノベーションスタジオStarshipが開発したVRのソーシャルネットワークアプリ。
最大の特徴は対応機種の多さで、Oculus Rifftはもちろんの事、GEARVR、Google DayDreamさらにはGooglecardboardにも対応しているので、誰でも遊べるVRのチャットアプリになっています。
さらにはHTC VIVEやPSVRにも対応を予定していて、PSVRに対応すれば日本での人気にも火が付きそうです。
Social Trivia
OculusRifftの開発で知られるOculus社が、Gear VR向けに発表したのが、Social Triviaです。
首だけのアバターが浮いているとってもシンプルな仕様ですが、モーションコントローラーが現状ないので手のトラッキングを省いた良いデザインだと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回はVRのチャットアプリに焦点を置いて紹介してみました。
VRのトラッキング技術は非常になめらかで遅延が少なく動作するので自分の感情や会話のジェスチャーなどを伝えるうえでかなり優れたものだと思いました。
SNSの発展により役割を終えてしまったセカンドライフの様なアバターとチャットゲームですが、VRという新たなデバイスに適合することにより、また注目されることになりそうです。
スマートフォンや携帯がコミュニケーションを変えたようにVRデバイスの発展がコミュニケーションの手段をさらに拡張する未来を楽しみにしたいと思います。
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