VRヘッドセットの存在を知っていて、興味を持っているという人は多い。しかし、実際にVR体験をしたことがある、VRヘッドセットを所有しているというユーザはまだ少ないのが実情だ。
こんな状況では、既にVRヘッドセットを購入したユーザのレビューが頼りになる。購入してもPCとの設定が面倒で使わなくなったり、楽しめるコンテンツが無かったりするのではないだろうか?
そういった感想を持つユーザもいるかもしれないが、MediaPostによればVRヘッドセットを所有しているユーザの実に9割が「VRヘッドセットを使うのは簡単だ」と答えているという。89%はVRヘッドセットに満足してもいる。
MediaPostでは、さらに詳しく調査結果が検討されている。
あなたは所有しているVRヘッドセットに満足していますか?
この調査は、Magid Associatesが実施したものだ。調査対象は少なくとも週に1回以上VRヘッドセットを使ってゲームをしたり、テレビを見たりしたアメリカの大人1,000人である。使用したヘッドセットのタイプやメーカーは問わない。
あらゆるタイプのヘッドセットが、多くの消費者にとって満足できるものとなっているようだ。全てのヘッドセットで見た場合、ユーザの61%は体験が想像していた以上のものになっていると答えている。詳しく見ていくと、中でもPCベースで動作するヘッドセットを購入したユーザの満足度が高いことが分かる。
PCに接続するヘッドセットでは64%、PSVRでは63%、一般的なスマートフォンで動作する汎用VRヘッドセットで60%、特定のスマートフォン用に設計された専用VRヘッドセットで54%のユーザが期待以上に満足している。
高性能が満足に繋がる?
傾向としては、ハイスペックなマシンを必要とするPCベースのVRヘッドセットほど、ユーザに「期待以上だ」と感じさせているらしい。だが、そもそもユーザがどのくらいVRヘッドセットに期待していたかは比べられない。
手軽に利用できるモバイルVRでは「値段の割に良い」と思うユーザが多いかもしれないし、高価なPC用ヘッドセットや売り切れが続出しているPSVRに対してはハードルを挙げすぎて期待はずれだと感じてしまうこともあり得る。あくまでも実際に購入したユーザによる感覚的な評価であることに注意すべきだろう。
また、上の数字は期待以上だと答えたユーザの割合だ。単に購入したことに満足しているユーザの割合はさらに大きい。
汎用モバイルVRヘッドセットでは85%、専用モバイルVRヘッドセットになると90%が満足している。さきほどの数字とは逆に専用ヘッドセットの方が高い評価となっており、ユーザが求める基準が高かったのだと想像できる。
VRヘッドセット全体で言えば、購入者の89%が満足している。
VRヘッドセットでどういったコンテンツを利用していますか?
この質問に対する回答では、予想通りVRゲームが第一位となっている。VRヘッドセットユーザの63%がゲームをしている。しかし、他の分野でもVRヘッドセットが使われていることも判明した。
40%が短編映像、39%が映画、29%がテレビ番組をVRヘッドセットで利用しており、ゲームだけでなく映像コンテンツをVRで視聴するのも一般的になっているようだ。これにはVR映像の充実(特に360度映像を共有できるサービスの増加)が関係していそうだ。
他にもバーチャルな旅行やスポーツといった分野も人気がある。まだ割合は小さいものの、アダルト、e-sports、オンラインショッピングにも利用されている。これからの伸びが期待される分野だ。
複数回答のアンケートということもあってやや曖昧な気がする(スポーツとエクストリームスポーツの違いや、アダルト要素のあるゲームの扱いなど)ものの、面白い結果だ。
VRに対応したオンラインショッピングサイトは発展途上ながら7%のユーザが利用しており、今後VRユーザと対応ショップが増えればかなり大きい業界になることが期待できる。
ヘッドセットを使うのは難しくない
VRヘッドセットは目新しいハイテク機器なので、機械や最新のテクノロジーが苦手な人にとっては「よくわからないし、難しそう」な存在かもしれない。しかし、実際にVRヘッドセットを所有しているユーザの90%がそれを使いやすいと評価している。もちろん、現時点でヘッドセットを購入しているユーザには新しいものが好きが多いと考えられる。それでも多くの人にとって簡単に使えるものであることは確かなようだ。
VRコンテンツも増加してきており、それらの満足度も高い。「難しそう」「コンテンツ不足が不安」でVRヘッドセットを購入できずにいたなら、背中を押してもらえそうな調査結果である。
アメリカでの調査結果ではあるが、VRヘッドセットを購入したユーザの大部分が満足しており、期待以上だと答えているユーザも多いことが判明した。英語に比べると日本語のVRコンテンツが少ないという難点はあるが、VRヘッドセットそのものが使いにくくなることはない。
英語ができるか日本語のコンテンツで気になるものがあるならば、VRヘッドセットを購入してみるのも良いだろう。ただし、過剰な期待は禁物だ。
参照元サイト名:MediaPost
URL:http://www.mediapost.com/publications/article/297873/
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