New World Notesに、High Fidelityの処理能力を示す記事が掲載された。
ジェスチャーやボイスチャットで交流しながらミニゲームを遊べる『Rec Room』が人気を集めるなど、他のユーザとのコミュニケーションを重視したソーシャル性の高いVRコンテンツが求められている。一人で遊ぶコンテンツよりも、対戦相手や協力する味方がいるゲームの方が熱が入ってしまうプレイヤーが多いのは頷ける。
開発者が用意したステージをマルチプレイでクリアするといった形式のゲームが多いが、交流により重きを置いたコンテンツも作られている。『High Fidelity』はその代表と言えるかもしれない。25億円を獲得したという同作は、『セカンドライフ』の開発者が取り組んでいるVRコンテンツだ。
セカンドライフは通信の限界があるせいで失敗した?
セカンドライフがあまり上手く行かなかった理由として、「一度に同じ場所に居ることができるユーザの数」を挙げる人もいる。セカンドライフが登場した頃は現在よりも回線速度が遅かったので、多くのユーザが集まるとひどいラグが発生してしまっていた。
この主張の背景には、バーチャルな世界で大規模なイベント(コンサートのような)を行えないことがあると思われる。少人数で集まって話すだけであれば、他のゲームにあるチャット機能でも十分だからだ。
それが発展を妨げた主な理由であるかどうかはさておき、人数の制限はない方が良い。ソーシャルVRも交流をメインにしたコンテンツである以上、多数のユーザが集まっても対応できる処理能力を確保したい。
High Fidelityの実力
記事最初の画像は、High Fidelityのスクリーンショットだ。狭い空間に90人以上のアバターが集まっている。いずれもゲームに登場するNPCではなく、プレイヤーが操作するキャラクターだ。HTC ViveまたはOculusRiftとTouchによって操作されている。
各ユーザからは、サーバに音声と動作のデータが送信され続けている。それでも、大きなラグが発生することはなかったという。単純に以前よりも通信回線が高速化し、安定していることが大きいだろう。また、クライアントとサーバがやり取りするデータを減らしていることも理由だ。Amazonが提供するサーバのホスティングサービスにより、約4.5ドルで100人×2時間のイベントを開催できたという。
100人が入れる会場を2時間貸し切りにするには、相応のコストがかかる。各自の移動には時間がかかり、交通費も必要だ。VRならば空間や建物は無料で自由に作成することができる。移動時間もかからない。
小さな企業がちょっとしたプロモーションイベントをするだけならば、High Fidelity上で済ませてしまうこともできるだろう。対面で行うイベントとVRで済ませるイベントを上手く使い分ければ、広告費を削減しながら成果を挙げることができそうだ。
参照元サイト名:New World Notes
URL:http://nwn.blogs.com/nwn/2017/02/high-fidelity-social-vr-concurrency-philip-rosedale.html
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