Facebook CEOのマーク・ザッカーバーグは、所有する研究施設Oculus Researchとそこで開発されている「手袋型のコントローラー」を自身のFacebookページで紹介した。Oculus Researchの持つ最新の研究・製造設備についても興味深いが、特に新しいコントローラーの方に注目したい。
Oculus Gloves
正式な名前ではないが、Oculus Glovesとでも呼ぶべき新たな入力機器だ。詳細は不明だが、VR/ARに手を取り込むための新しい方法だという。ザッカーバーグのコメントによれば、「絵を描いたり、バーチャルキーボードをタイプしたり、スパイダーマンのように蜘蛛の糸を発射することもできる」らしい。
この写真は彼がまさにスパイダーマンのポーズを取っているところである。このハンドサイン(手を開いた状態から、中指と薬指だけを曲げる)を認識できるなら、ある程度正確に指の動きをトラッキングできていることになる。
既にバーチャルキーボードでのタイピングが実現できているならば、それ以上の精度だ。しかし、この点についてははっきりしない。コメントが将来の可能性について触れたものなのか、現在の機能を指すのかがはっきりしないからだ。
写真に写ったザッカーバーグの表情からすると、本当にスパイダーマンになりきれるようなコンテンツを試しているのではないだろうか。この手袋の実力を示すためのデモコンテンツとして、今後のイベントで使われることになるかもしれない。一般のユーザが体験できる段階になるまで、どのくらいかかるのだろうか?
トラッキングの仕組み
どのような方式で手・指の動きをトラッキングしているのかは想像するしかない。写真を見る限りでは、手袋に大きな機械が付いているといったことはないようだ。代わりに、周囲には多数のセンサーが確認できる。外部のモーショントラッキングセンサーによって、手袋にある突起物を基準にしたトラッキングを行っているのではないだろうか。
写真で見えているだけでも10台のセンサーが設置されている。写真の左上、着用者の右側にもあるはずなので、合計13台だろうか。着用者の真上にもセンサーがあるのだが、これだけ電源が入っていないようにも見える。
手の動きは複雑で、指同士が影を作ってしまうこともある。そのために多くのセンサーが必要になるのは仕方がない。しかし、一般家庭でこれだけの環境を整えるのは難しいだろう。この点は今後改良されるはずだ。
Oculus Research
この投稿では、ワシントン州レドモンドにあるOculus Researchの内部も紹介されている。ARとVRについて思い描かれていることを実現するための研究が行われている施設だ。研究されている分野の中には、光学やアイトラッキングが含まれる。
上の画像は一瞬加工によってロゴが入れられているのかと思ってしまうが、本当に廊下の壁とドアに文字が書かれているようだ。外部の人を招くことが多いスペースなのかもしれないし、単なる遊び心なのかもしれない。
無音質
壁の構造と素材によって、外部からの音を遮断することができる。ザッカーバーグは「世界で一番静かな場所の一つ」と言っており、外界からの音がないので心臓の鼓動も聞き取れるという。
こういった特殊な環境は、様々な実験への活用が考えられる。少なくとも音響効果を試験するには最適な環境だ。
クリーンルーム
精密な部品を扱うときには、通常では問題にならないような小さな埃にも気を使う必要がある。微粒子を排除したクリーンルームならば、安心して作業できる。実際に中に入るときには、並んでいる三人のように頭から手や足の先までを覆うスーツを着用しなければならない。
この写真に写っているのは、クリーンルームに入るために着替えるスペースのようだ。使い捨ての手袋や埃を防ぐスーツが用意されているのが見える。クリーンルーム内には、まだ公開できないようなOculusの秘密が隠されているのだろうか。
加工設備
新型のレンズやデバイスを作るための設備も整っている。切る、削る、穴を開けるといった加工を内部で行うことができる。
製造工場ではなく研究施設なので、ここでデバイスを大量生産することはないはずだ。しかし、加工を行うための設備があることで理論と実践の溝を狭くすることができる。新しいアイデアをすぐに試してみれば、スムーズに改善が進むだろう。
参照元サイト名:Facebook
URL:https://www.facebook.com/zuck/posts/10103490859636101
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