神戸大学、株式会社ファーストパーソン、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社がメタバース技術を活用し、細胞の培養手順を学習できる体験環境を共同開発しています。
研究者のリスキリングを支援し、創薬や再生医療などの分野における研究開発の高度化に貢献していくということです。
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メタバースを活用した実験体験環境を開発
国立大学法人 神戸大学、株式会社ファーストパーソン、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)が、メタバース技術を活用した細胞培養の作業手順を学ぶデジタルツイン環境を共同開発しています。
発表によると今後は神戸大学が提供する社会人向けのリスキリング講座に導入予定ということで、細胞培養に関わる研究者の育成や、創薬や再生医療などの分野における研究開発の場面で活用されるとのことです。
開発の経緯
近年は国にとって創薬や再生医療などのバイオ医薬品の開発は重要課題となっており、即戦力となる技術者や指導者の育成が課題となっていました。
神戸大学は、新しいアイデアや技術を創造し実装する能力を養うことを目的として、次世代の研究者に対して2024年からイノベーション指向のリスキリング講座の提供を初めており、今回の共同開発もリスキリング講座で活用される予定です。
今回、神戸大学、ファーストパーソン、CTCの3者が次世代バイオ医薬品の製造技術基盤開発の一環で、神戸大学に設置されたGMPに従った細胞培養の実験施設をデジタルツイン環境上に再現することに成功しました。
医薬品の初期の製造プロセスである培養工程の一部を、実際の実験室での作業をメタバース上で模倣することで、
・作業を繰り返し試せる
・習熟度を上げ、品質の維持につなげる
などのメリットがあげられます。
レーザースキャナーで360度撮影した実際の実験施設のデータを取り込むことで、実物と同様の実験室をデジタルツイン環境上に構築することに成功し、2Dの画像と図面から培養装置の3Dデータを生成することで、装置の見た目や奥行きを再現したものを実験室内に配置できるようになりました。
また、メタバース上で細胞を培養する作業を体験でき、間違った作業手順を行った場合には、正しい操作の説明を確認することが可能です。
デジタルツイン環境は、NVIDIA社が提供する仮想空間の開発プラットフォーム「NVIDIA Omniverse」が活用されており、Omniverseは、物体の形状・位置・表面の質感や光源などを精緻に表現できることが特徴で、リモートでアクセスした場合や複数人で同時操作した場合でも、3Dやアニメーションがスムーズに表示されます。
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共同開発でのそれぞれの役割
共同開発では、
ファーストパーソン→プロジェクト管理
神戸大学→培養工程と装置の作業手順の監修
CTC→Omniverseライセンスの提供、実験施設の3D空間の構築と3Dデータの生成、デジタルツインの環境への取り込み、作業工程のシナリオ化やアニメーションの制作
をそれぞれ担っており、今後も3者はデジタルツイン技術を他の工程での活用方法も検討し、創薬や再生医療などの研究開発の高度化に貢献していくとしています。
まとめ
神戸大学・ファーストパーソン社・CTCが、メタバース技術を活用した細胞の培養手順を学習できる体験環境を共同開発しています。
今回の開発により、技術者や開発者の育成に対して大いに活躍し、未来の創薬や再生医療などの分野に大きく貢献していきそうです。
ソース:プレリリース[PR TIMES]
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