イマクリエイト株式会社は新潟大学と共同で、医療現場で必要な手技を実際の医療現場における実習のように、自分の身体を使って体験しながら学習できるバーチャル空間を開発したことを発表しました。
医療現場で必要な手技を習得できるVR空間を開発
今回開発されたコンテンツは、医療現場で必要となる様々な手技の中で代表的な『腹部視診』、『腹部聴診』、『腹部打診』、『心電図測定』、『血液ガス検査』、『下腿浮腫の検査』、『血圧測定』という7つの手技を”実際の医療現場における実習”と同じように、”自らの身体を使って一連の動作を体験しながら”学習することができるVR空間となっています。
VR空間上の患者に対して、同じくVR空間上にある医療器具を使って学習を進めていくため、実際の実習に近い体験が習得できるコンテンツになっている点が、従来の”動画”や”テキスト”といった『見て』学習するタイプのコンテンツと異なる点として挙げられます。
医療手技を習得できるコンテンツが開発された背景
医療の現場では常に高度な技術や知識が要求されており、この要求に応えるためには実践に基づく学習が必要不可欠となりますが、世界中で猛威をふるったコロナ禍により外出や実習が制限されるという状況が続いています。
この状況を打開するために”実践に近い学習機会を用意するための手段”が求められており、そのような理由から、メタバースをはじめ昨今急速に発達を遂げているVRテクノロジーを活用した本コンテンツが開発されています。
今回開発されたコンテンツの特徴とは?
本コンテンツにはコントローラーの代わりに、VR空間内に”ユーザー自身の手”を認識させて学習を進めるという特徴があります。
さらに、”患者のズボンを下げる動作”や”聴診器から聴こえる音”といった『実際の診療』が忠実に再現されていることで、『実際の診療に近い体験』が得られる仕様となっています。
また、バーチャル空間内には”ガイド”が表示されるため、リアルでの実習にはないメリットとして
指導者が横に付き添うことなく繰り返し自習することが可能である
という点が挙げられます。
詳細に再現された『診療』の例
実際の診療を”忠実に再現”した例として、採血の場面ではシリンジに血液が逆流しており、聴診器から聴こえる音やズボンを下げる動作も現実に近い体験が可能となっています。
また、バーチャルならではの補助機能として、内蔵や血管を可視化することもできます。
▼シリンジに逆流する血液
▼可視化された内蔵
▼可視化された血管
▼ズボンを下げる動作
本コンテンツで学習できる7つの手技のイメージ
▼腹部視診
▼腹部聴診
▼腹部打診
▼心電図測定
▼血液ガス検査
▼下腿浮腫の検査
▼血圧測定
まとめ
「血を通わす。データに、人に、世の中に。」をミッションに掲げ、現実に作用する身体性のあるVR技術の研究・開発を進めているイマクリエイト社が、新潟大学と新しいコンテンツを共同開発しました。
ここではVR空間内に実際の診療を忠実に再現し、VR間上の患者に対して、同じくVR空間上にある医療器具を使って、医療現場で必要な手技を学習することができます。
技術を習得するためには、繰り返し練習することが一番の近道ではありますが、実際の現場で何回も練習を積むことは難しいという問題を最新の技術が解決してくれるなんて、新卒の医師への信頼度が高まりそうなニュースですね。
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