イオン株式会社は、イオンリテール株式会社において2022年4月より、「イオン」「イオンスタイル」全店舗(約360店舗)にて、新規雇用者・既存従業員への教育にInstaVR株式会社が提供するVRプラットフォーム「InstaVR(インスタブイアール)」を導入することを発表しました。
VRでレベル向上&指導者の負担軽減
イオンリテール社では、2020年12月から一部店舗にてこのVR導入の実証実験を実施していて、今回のVR導入により期待される効果やVR教育の特長について3つのポイントを挙げています。
「理解が深まる」「楽しく学べる」
「やり方がわかる」だけでなく「できるようになる」OJT教育が可能に
これまで一人でも学習可能な教材として用いられていたEラーニング動画では、手順はわかるようになるものの、実際に「やってみる」トレーニングにつなげることは困難でした。
VRを活用することで、場所や時間の制約、教育担当者の数に関わらず、手順が「わかる」だけの研修ではなく、「できる」ようになるための実習を一人でも行うことが可能になっています。
従業員の教育機会拡大と習得レベルの標準化につながり、さらには
・教育担当者の負担軽減
・実務レベルの向上
が期待できます。
約9割が肯定的な回答
実証実験では、約5000名の従業員を対象としてレジ操作や接客基本応対などの入社教育がVRで行われ、VRでは『体験』が可能になることから、活用することで一般的に次のような効果があるとされています。
・実習(体験)に近い学習ができる
・没入感が高く集中して学習できる
・学習定着率が非常に高くなる
実証実験のアンケート結果では
「テキストや動画での学習より作業手順の理解が深まった」
「事前に体験できることで自信を持って売場に立てる」
「何より楽しく学習できた」
などの肯定的な回答が約9割を占めており、楽しくスキルを身に付けられることが期待できる結果となっています。
多様な業務に対応可能
InstaVR社と共同で1000以上の研修コンテンツを制作
InstaVR社が提供する高速VR化システム「100倍速VR化」を活用することで、大型スーパーの多様な業務に対応することが可能です。
ここでは
・お客さま対応(レジ業務・接客等)
・売場づくり
・防災・防犯
など、多様な業務に対応する1000を超えるイオンリテール社オリジナル学習コンテンツが、企画からシナリオ作成・撮影に至るまでInstaVR社と共同で制作されました。
イオンリテール社がコンテンツ制作の全工程に関わり、共同制作を行うことで実務に即した効果的なVR教材によるOJT教育を実現しています。
導入教育での教育時間を約40時間削減
入社時研修から配属後の教育まで
入社時の導入教育プログラムにVRを組み込むことで、一人でも学習が可能になりました。
個人学習ができるため、入社日時に関わらず随時、一人ひとりに入社時研修が可能となり、指導者側の業務時間を平均約40時間(1店舗/1カ月)削減することに繋がっています。
今後は配属後の教育もVR化し、さらなる業務の効率化を進めていくということです。
DXでさらなる「お客さま満足」の実現へ
今回のInstaVRによる従業員教育は、イオンリテール社が運営する北陸信越、関東、東海、近畿、中四国エリアの「イオン」「イオンスタイル」全店、約360店舗に導入されています。
全店舗で従業員教育にVRを導入するのは、国内の小売業で初めての取り組みだということです。
イオンリテール社は『お客さま視点と現場を基盤とする全員経営』を重視しており、業務プロセスの標準化やデジタルトランスフォーメーションの推進による生産性改善に取り組む構造改革を加速させています。
イオングループが掲げる「お客さま満足」のさらなる実現に向けて、
・従業員の教育機会拡大
・習得レベルの標準化
を目的に、人材育成についてもVR活用などのDXを推進していくしていくということです。
まとめ
イオンリテール社は、国内小売業界初となる『全店舗』でVRを従業員教育に導入することを発表しました。
2020年に実施された実証実験では、「楽しくスキルを身につけられる」効果が期待できる結果となったそうで、これからのイオンがどのように変わっていくか楽しみですね。
また、コロナ禍で対面での実習が難しい中で、VRを活用することは『withコロナ』時代にぴったりとも言えそうですね。
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