世界最大級の大型小売店であるウォルマートが、独自の暗号通貨を立ち上げ、拡大するメタバースへ参入することを目指していると報道されました。
米国のニュース専門ネットワークCNBCは、ウォルマートが米国特許商標庁にメタバースと暗号通過に関する7つの「超強力な」特許を申請していることを指摘しています。
なお、現在特許の詳細な情報は現在非公開となっているとのことです。
ウォルマートがメタバースを活用したeコマースシステム構築へ
現在、メタバースは多くのブランドが熱視線を送っている最大のトピックとなりました。
Meta、Nike、Coca-Colaをはじめその他多くの企業が、eコマースに関してメタバースのメリットの模索に取り組んでいます。
また、ビル・ゲイツ氏が今後3年以内に仕事の会議のほとんどがメタバースで行われると予測したことでも話題となりました。
そんな中、世界最大手の大型小売店ウォルマートがメタバースへの参入を目指す企業の一つとして浮上しています。
特許弁護士のJosh Gerben氏は、同社が米国特許商標庁に申請した特許(現在は非公開)を分析すれば、
・ウォルマートがメタバースでどのような存在を想定しているか
・ウォルマートの暗号通貨がどのようなものになる可能性があるか
が詳細になるとコメントしました。
すでに、同社は
・電子機器
・家庭用装飾品
・ゲーム
・玩具
・スポーツ用品
など、ウォルマートの実店舗で通常見つけることができる様々な商品を含む仮想アイテムのNFTのコレクションをリリースしています。
バーチャル店舗での買い物の様子が話題に
This is how Walmart envisions Shopping in the #Metaverse.
Thoughts? pic.twitter.com/5l7KhoBse7
—Homo Digitalis (@DigitalisHomo) January 3, 2022
今月初め、2017年に開発されたウォルマートのコンセプトVRショッピング体験のユーモラスな映像がTwitterとTikTokで1100万回以上再生され注目を集めています。
動画では、バーチャル店員のサポートを受けながらウォルマートのバーチャル店舗でワインや牛乳などさまざまな商品を買う様子を見ることができます。
これは、ウォルマートの一部門であるStore No.8が、AI、VR、AR、メタバースなどのテクノロジーによって、eコマースの未来がどのように影響されるかを探るために作ったコンセプトです。
ウォルマートは公式声明の中で、「新たなテクノロジーが未来のショッピング体験をどのように形成しうるか、継続的に探究」していると述べています。
ファッション業界からも続々と参入を目指す
画像:VR Scout
メタバースはビジネスモデルとして急速に進化しており、将来的にゲーム、ソーシャル、仕事、VRやARのハードウェアなど、8000億ドルの市場規模になるとも予測されています。
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この関心の高まりに乗じているもうひとつの企業がGapです。
2022年1月初め、同社は8.30ドルから415ドルまでの4段階のNFTに、現実世界で着られる実際のパーカーを付属させた、ゲーミフィケーションによるコレクターズNFT体験を開始しました。
さらに、
・Urban Outfitters
・Ralph Lauren
・Abercrombie &Fitch
といった他のファッション小売業者も、メタバースに独自の仮想店舗を開設するために商標を申請しています。
未来学者でメタバース専門家のCathy Hackl氏は、NBCとの最近のインタビューで以下のような見通しを明かしました。
私たちは、このメタバースへの競争に備えなければなりません。
この分野には、様子見をしていた企業からも、ますます多くのMNA(合併・買収)が入ってくるでしょう。
まとめ
また大きな企業のメタバース参入のニュースが飛び込んできました。
国内でも百貨店を中心に小売業界でメタバースを活用する取り組みが進んでいますが、身近なスーパーではまだメタバースは馴染みがない印象です。
ウォルマートのメタバースの取り組みが成功すれば小売業界でのメタバース活用が一気に進むのではないでしょうか。
その意味では興味深い事例となり得るかもしれません。
今後の展開に注目していきたいですね。
参照:Walmart Is Working On Its Own Metaverse With NFTs &Crypto[VR Scout]
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