凸版印刷株式会社は2021年11月2日(火)、和歌山県の高野山真言宗総本山金剛峯寺の協力のもと、高野山の二大聖地の一つである壇上伽藍(だんじょうがらん)を精確に再現したVRコンテンツ「高野山 壇上伽藍―地上の曼荼羅―」を開発したことを発表しました。
本VRコンテンツは、高野山デジタルミュージアム内のVRシアターにて、今月28日(日)まで公開されています。
凸版印刷が高野山の聖地をテーマにしたVRコンテンツを開発
「高野山 壇上伽藍―地上の曼荼羅―」は、文化財・世界遺産のVR化に取り組んでいる凸版印刷が製作したVRコンテンツで、和歌山県伊都郡高野町の”高野山デジタルミュージアム”内にあるVRシアターにて、今月28日(日)まで期間限定で特別公開されています。
高精細デジタルアーカイブ技術で制作
凸版印刷はこれまでにも金剛峯寺が所蔵する文化財のデジタルアーカイブに取り組んでおり、2007年には重要文化財「両部大曼荼羅(りょうぶだいまんだらず)」の復元再生プロジェクトを立ち上げ、往時の色を想定再現した「想定色平成再生版曼荼羅図(そうていしょくへいせいさいせいばんまんだらず)」を2015年7月に金剛峯寺へ奉納しています。
今回のコンテンツは、凸版印刷が開発した高精細デジタルアーカイブ技術を用いて制作されており、
・壇上伽藍全体の空間と建造物
・根本大塔(こんぽんだいとう)
・西塔(さいとう)
の内部の三次元形状計測や高精細デジタル撮影を実施。
取得したデジタルデータと「想定色平成再生版曼荼羅図」のデジタルデータを用いて、壇上伽藍の全域や建造物内部を自由に見て回ったり、曼荼羅に描かれた肉眼では見ることが難しい微細な絵柄を面積比で500倍以上に拡大しながら鑑賞できるなど、通常では見ることができない視点から文化財を体験できます。
臨場感あふれる映像を体験可能
このコンテンツでは、弘法大師空海が唐より持ち帰った曼荼羅と壇上伽藍の関係を解説しながら、臨場感あふれる4K超高精細VR表現技術によってそれらが再現されており、高野山の魅力を体感することができます。
かつてない規模のデータをVRコンテンツ化
コンテンツの開発にあたっては、文化財を守り伝えるという観点から現時点の壇上伽藍の様子をつぶさに残すべく、金剛峯寺の協力のもとにかつてない規模と範囲の三次元形状計測や高精細デジタル撮影が行われています。
さらに
・金箔や漆
・彩色
など異なる素材は、独自の記録手法と表現技術を組み合わせてリアルに再現されています。
VRならではの鑑賞が可能
またコンテンツでは自在な視点移動が可能となるVR技術の特長を活かし、塔内に配置された仏像や柱に描かれた菩薩の姿に近づいたり角度を変えて見ることができるほか、空海が高野山を開くまでの伝説を映像化して解説しているなど、実際には見る事ができない事柄を鑑賞者へわかりやすく伝えています。
微細に描かれた仏の姿を面積比で500倍以上に拡大
「想定色平成再生版曼荼羅図」には、大日如来を筆頭に数多くの仏の姿が緻密に描かれており、コンテンツでは経典で説かれている過去・現在・未来にいると言われている三千仏のうち、現在の千仏の顔が一体ずつ丁寧に描き分けられている様子などを鑑賞することができます。
まとめ
凸版印刷が高野山の聖地・壇上伽藍をテーマにしたVRコンテンツ「高野山 壇上伽藍―地上の曼荼羅―」を開発し、それらは高野山デジタルミュージアム内のVRシアターにて11月28日まで公開されています。
このコンテンツでは伽藍全域を自由に巡り、曼荼羅図を超拡大して鑑賞するデジタル文化財体験ができます。
リベラルアーツ研修やオンラインバーチャルツアーなどへの活用が期待されているコンテンツですが、今後はどんな展開になっていくのでしょうか。
限定公開がされているのでぜひ体験してみてください。
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