
ベストVRゲームに選ばれたバイオハザード7
ゲーム業界では、毎年末になると複数の団体がその年の優れたゲームを表彰するイベントを行う。各団体ごとに部門の内容や選考方式も異なるが、いずれにしても受賞した作品はどこか高く評価される点を持っているものばかりだ。
2016年の一般消費者向けVRヘッドセット発売以来数を増やしているVRゲームもそうしたゲーム賞の選考対象であり、VRゲーム部門には多様な大型VRゲームがノミネートされるようになっている。
その中から2017年のGolden Joystick AwardsでベストVRゲームに選ばれたのは、PSVRに対応するVRホラーゲームだった。
Golden Joystick Awards 2017

今年で35回目となるGolden Joystick Awards
Golden Joystick Awardsは、今年で35回目の発表を迎えたゲームアワードだ。開始時にはPCゲームの優秀な作品に与えられるものだったが、現在は多くの家庭用ゲームがノミネートされるようになっている。ゲームアワードの中でも歴史が長いことに加えて多くのゲーマーが投票に参加していることから、かなり権威のあるものと言えるだろう。
この賞を受賞するということは、それだけ多くのゲーマーから支持された作品だということを示す。特に昨年からは一般の投票によって受賞作が決まる方式を採用しているので、人気がそのまま反映されるようになったと言えるだろう。
VRゲーム部門の登場
Golden Joystick Awards自体は歴史あるものだが、そこにVRゲームの部門が追加されたのは今年からだ。今年新たに追加されたBest VR Gameのカテゴリには5つのVRゲームがノミネートされ、その中でバイオハザード7がベストVRゲームに選ばれた。
ノミネート作品
ベストVRゲーム候補として選ばれたのは、以下の作品だ。
- Farpoint(PSVR)
- バイオハザード7(PS4/PSVR)
- Lone Echo(Oculus Rift)
- Star Trek: Bridge Crew(HTC Vive/Oculus Rift/PSVR)
- SUPERHOT VR(HTC Vive/Oculus Rift/PSVR)
5作品中2作品がメジャーな3つのVRヘッドセット全てに対応しており、Oculus Rift専用タイトルが1作品、そしてPSVR専用タイトルが2作品ノミネートされた。
ジャンルで言えばVRの一人称視点と相性の良いFPSが強い。中でもFarpointは、対応するPlayStationシューティングコントローラーを使ってロケーションベースVRのようなプレイ体験が可能な作品だ。
受賞作品
バイオハザード7を含めた作品が受賞した部門は以下の通りだ。
- ・Horizon Zero Dawn
ベストストーリーテリング、PlayStationのベストゲームに選ばれた。 - ・Cuphead
ベストビジュアルデザイン、Xboxのベストゲームに選ばれた。 - ・ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド
ベストオーディオ、任天堂ハードのベストゲーム、審査員賞、究極のゲームに選ばれた。 - ・Friday the 13th: The Game
ベストインディーズゲームに選ばれた。 - ・PlayerUnknown’s Battlegrounds
ベストマルチプレイヤーゲーム、ベストPCゲームに選ばれた。 - ・Resident Evil 7: Biohazard
ベストVRゲームに選ばれた。 - ・Overwatch
ベストe-sportsタイトルに選ばれた。 - ・ポケットモンスター サン・ムーン
ベスト携帯ゲームに選ばれた。 - ・The Last of Us Part II
最も望まれた作品として評価された。 - ・World of Tanks
今でも遊ばれている作品として評価された。 - ・ファイナルファンタジー
殿堂入りシリーズとして選ばれた。
この他、ゲーム開発や配信に関わる以下の人物・団体が表彰された。
- ・ゲームでの名演技
Ashly Burch(Horizon Zero Dawn) - ・開発スタジオ
Nintendo EPD - ・e-sportsプレイヤー
Agilities(オーバーウォッチ) - ・e-sportsチーム
Seoul Dynasty(オーバーウォッチ) - ・ゲーム配信者
Markiplier - ・今年のブレークスルー
Ashly Burch - ・イギリスのゲーム業界に大きな貢献を果たした
Debbie Bestwick MBE - ・生涯に渡る偉大な業績
Sid Meier
バイオハザード7
2017年のGolden Joystick AwardsでベストVRゲームに選ばれたバイオハザード7は、PSVRを使って本編をVRモードでプレイ可能なPS4タイトルだ。同部門にノミネートされた他の作品と違ってVR専用タイトルではないものの、VRモードの完成度も高い。
ユーザの多さ
一人称視点のホラーという作品のジャンルがVRに適していることや表現のクオリティが高いことももちろんだが、この作品が所有者の多いPS4を始めとする豊富なハードでプレイできることも受賞の理由になっているのではないかと思われる。
他のノミネート作品ではStar Trek: Bridge CrewとSUPERHOT VRがPSVRも含めたマルチプラットフォームに対応しているが、FarpointはSPVR専用、Lone EchoはOculus Rift専用の作品だ。対応プラットフォームが少なければ、それだけプレイヤーも少なくなってしまう。
バイオハザード7はVR非対応のPC版なども含めれば260万人以上(Resident Evil.netにデータを送信したプレイヤー数)がプレイした人気作品である。PSVRでプレイしたユーザに限っても、31万人を超える。
人気シリーズ
過去作との繋がりが薄いストーリーではあったが、バイオハザードシリーズのナンバリングタイトルであることも見逃せない。過去作品のファンでバイオハザード7を購入した、購入はしていないがプレイ動画などで内容はチェックしたという消費者は多いはずだ。
他のノミネート作品はオリジナルが多く、Star Trek: Bridge Crewも世界観こそ引き継いでいるが新作である。ゲーム本編を(VRで)プレイしていないとしても、この作品に投票したファンは多いのではないだろうか。
追加コンテンツ
バイオハザード7本編の発売は2017年1月だが、その後もDLCが追加されている。
12月14日には物語の時系列で最後となるDLC(有料)の配信も予定されており、まだ生きているタイトルと言える。追加コンテンツの配信によって長く話題性を保ってきたことも、多くの票を集められた理由かもしれない。
Golden Joystick Awardsに新しく登場したベストVRゲーム部門。今年はノミネートされた5作品の中からバイオハザード7が受賞した。
ノミネート作品発表後にも多くの大型VRタイトルが発売・発表されているので、来年はさらに激しい戦いになりそうだ。
参照元サイト:Road To VR
参照元サイト:Games Radar
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