昨年のホリデーシーズンにはまだPSVRの生産体制が整っておらず、品切れが続出していた。しかし、ようやく品薄状態も解消されて希望する消費者がPSVRを手に入れることができるようになっている。
ソニーも今年のホリデーシーズンには力を入れているようだ。PSVR発売から1年を迎えてマイナーチェンジした新モデル(CUH-ZVR2)を投入、VR版『スカイリム』や『グランツーリスモSport』とのバンドルパッケージを用意した上にPSVR本体が100ドル引きとなるブラックフライデー・ウィークのセールを実施するなどの取り組みを行っている。
そうした動きの一環として、PlayStation.Blogで発表されたのがPSVRと『Doom VFR』とのバンドルパッケージだ。スカイリムと並ぶ人気PCゲームのVR対応版であり、このパッケージでVRを初めて体験することになるゲーマーも少なくないとみられる。
ソニーとPSVR
PSVRを販売することは、ソニーにとって重要な意味を持つ。PSVRそのものの売上だけでなく、VRユーザが増加することによって多方面からソニーに資金が流れ込む構造がそこにあるからだ。
PSVRを売ればPS4 Proが売れる
ソニーが販売するPS4には、通常モデルの他により高性能なPS4 Proが存在する。遊べるゲームは通常のPS4と共通しているが、処理能力の向上によってプレイ中のロード時間短縮やレスポンスの改善が期待できるほか、対応タイトルでは高解像度化によってさらにゲームの世界を楽しむことが可能だ。
このPS4 Proは通常のPS4に比べて1万円~1万5千円ほど高価なゲーム機だ。遊べるゲームそのものが変わらないこともあって、販売されるPS4全体に占めるPS4 Proの割合は20%程度とされている。しかし、PSVRのためにPS4を購入するユーザはPS4 Proを選ぶ割合が大きいという。
PSVRがPS4 Proの売れ行きをサポートしているのだ。ユーザはPS4 Proを使うことでより快適にPSVRのゲームをプレイできるため、互いの販売を促進し合う関係が構築されていると言えそうだ。
ソニーグループでVRコンテンツ・関連機器を扱える
PSVRに限らず、VRヘッドセットが普及してVRユーザが増えればVRコンテンツの需要も高まる。そのことも、ソニーにとってメリットとなるかもしれない。
4月に平井社長兼CEOが語っているように、ソニーのグループにはソニー・ピクチャーズやソニー・ミュージックがある。PSVRのユーザが増えれば、こうしたグループ企業がVR映画やVRミュージックビデオで利益を得られるようになるだろう。
また、ソニーはカメラのハードに関する技術も持っている。360度カメラを自社で開発するか、他社の360度カメラに部品を提供することでもVRの普及をソニーグループの発展に利用することができそうだ。
ソニーによるPSVR普及の取り組み
上記のような理由から、ソニーはこの秋から冬にかけてPSVRをなるべく多くの消費者に購入してほしいと考えているようだ。消費者がPSVRやPS4本体を購入しやすいように、セールやバンドルパッケージの販売を予定している。
ブラックフライデー・ウィーク
HTC ViveやOculus Riftといった他社のVRヘッドセットと同じく、PSVRもこのブラックフライデーにセール対象となる。アメリカでは、PSVRが通常価格よりも100ドル安く購入できるようだ。
PSVR単品が200ドルとなっているだけでなく、元々単品購入よりもお得なバンドルパッケージでも100ドルの割引を受けられるという。残念ながら今回発表されたDoom VFRのバンドルはブラックフライデー・ウィーク終了後の発売となってしまうが、スカイリムバンドルやグランツーリスモSportバンドルは通常よりさらにお得に購入できる。
ハードディスク容量1TBのPS4本体も100ドル引きの200ドルで販売されるため、「PSVRのゲームが気になるけどPS4を持っていないから諦めていた」という消費者がこの機会にVRデビューを果たす例も多いだろう。しかし、PSVRユーザに人気のPS4 Proはセール対象ではないようだ。
各種VRゲームとのバンドル
期間限定のブラックフライデー・ウィークセールだけでなく、お得なバンドルパッケージも追加されている。既に発売されているグランツーリスモSportバンドルに加えて、アメリカでは11月17日にスカイリムバンドルが発売する。
PSVR本体、PSカメラ、PS Moveコントローラー、Skyrim VRとDLCが入って450ドル(5万円)のセットだ。このバンドルとPS4本体があればすぐに雪深いスカイリムへと旅立てる。
Doom VFRバンドル
新たに発表されたDoom VFRとのバンドルには、PSVR本体とPSカメラ、Doom VFRの他にVRゲームのデモディスクが含まれて400ドル(4.5万円)だ。スカイリムバンドルよりも50ドル安いが、PS Moveが含まれていないので妥当な金額である。
バンドル内容の違いは、Doom VFRがPS MoveだけでなくDualShock 4やPlayStationシューティングコントローラーでの操作に対応しているためだと思われる。全てを同梱するとパッケージ価格が上がってしまうし、使われないコントローラーが出てしまう。ユーザが購入するコントローラーを決める(またはPS4本体付属のDualShock 4でプレイする)ことを選べるパッケージだ。
アメリカとカナダでの発売日は12月1日であり、上記のブラックフライデー・ウィーク期間よりも後になってしまう。バンドルの時点で単品購入よりはお得だが、発売日にDoomをプレイしたいのでなければクリスマスセールを待つのも手かもしれない。あるいは、スカイリムバンドルやPSVR単品を購入してDoom VFRの発売を待つという方法もある。
参照元サイト:PlayStation.Blog
参照元サイト:Upload VR
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