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VRヘッドセットの小型化が可能に?極小アイトラッキングセンサーを開発するカナダ企業


2017年10月19日、ヒューマン・コンピュータ・インタラクション(HCI)に使用するマイクロシステム開発を手がけるAdHawk Microsystemsは、460万ドルの資金調達に成功したことを発表した。


現在、AdHawk Microsystemsは、「カメラ不使用のアイトラッキング技術」に用いる極小センサーの開発に取り組んでいる最中だ。製品化されれば、既存のVRヘッドセットやARグラスにアイトラッキング用のカメラを搭載する必要がなくなるため、デバイスの大幅な小型化が期待できる


今回調査した資金は、このセンサー開発のために充てられる。


投資をおこなったIntel Capitalなど有名ベンチャーキャピタル会社らをはじめ、AdHawk Microsystemsの手がける最新技術には各方面から注目が集まることになりそうだ。


AdHawk Microsystemsとは?




AdHawk Microsystemsは、AR・VR製品に活用するアイトラッキング用マイクロシステムの開発を手がける企業だ。


様々な分野で第一線を担っていた科学者や設計者が呼び集められており、フォームファクター、処理速度、電力消費量、解像度などの点で既存のアイトラッキング用カメラより優れたアイトラッキングテクノロジーの開発に取り組んでいる。


AdHawk Microsystemsが開発するセンサーの概要


既存のAR・VRヘッドセットが抱える2つの問題


現在市場に出回っているARグラス、VRヘッドセットには、ユーザーの視線を検出するためのアイトラッキング用カメラが搭載されている。このカメラはAR・VR技術の中核部分を担っているのだが、同時に、特にVRヘッドセットの場合、デバイスが大型化してしまう原因として問題視されていた。


ARグラス、VRヘッドセットがコンシューマーへの普及率を高めるには、ユーザーがもっと気軽に装着できる程度にデバイスを小型化することが、ほぼ必須条件だ。


また、カメラを使ってアイトラッキングをおこなう場合、1秒あたり数百枚にも及ぶ画像処理をおこなわなければならない点も難点だ。


ヘッドセットで大規模な画像処理をおこなうためには、大きな電力量と、処理を代替するためのハイエンドPCを用意しておかなければならない。Oculus Goのような、ハイエンドのスタンドアロン型VRヘッドセット開発が難しいとされていた理由だ。


人間の目では見えないほど小さいセンサー


こうした問題は、AdHawk Microsystemsの開発するMicro Electro Mechanical Systems(MEMS)のアイトラッキング用センサーによって解決されるかもしれない。


まず、このセンサーは何と言っても超小型だ。人間の肉眼では存在を確認できないほど小さなMicro Electro Mechanical Systems(MEMS)のセンサーなので、アイトラッキングカメラの機能を代替することで、ヘッドセットの小型化が達成できるだろう。


電力を食いがちな画像処理技術は使わず


くわえてAdHawk Microsystemsの開発するセンサーは、電力を多く消耗しがちな画像処理技術を使っていない。


これによって画像解像度は研究者向けハイエンドデバイスと同等レベルに保ちながら、既存のAR・VRユニットと比較して、速度、フォームファクター、電力消費効率の諸点で大きく改善が施されたヘッドセットが製作できたのだ。


視線が向かう先を予測するシステムも搭載


さらにこのセンサーには大きな特徴がある。デバイス装着者が、次に見るポイントがどこになるかを50ミリ秒以内に事前に予測することができるシステムが搭載されているのだ。


このシステムの応用範囲は広い。たとえばシステムをゲーム用途に用いた場合を考えよう。ユーザーの視線が向く先を素早く推測すれば、その視線の先にアイテムなどのオブジェクトを高速レンダリングして、配置することもできるようになるかも知れない。


同様の原理を用いることで、バーチャル空間でのVRコマースの配置を最適化することもできるだろう。また、視線の向かう先が事前に分かっていれば、画面遷移の際に生じる違和感などを可能な限り抑えたインターフェイスも制作可能になる。


視線の向かう先を予め検出するという技術自体には、すでに類似のものが存在している。しかし、このテクノロジーが十分に応用範囲の広いものだと明らかになったら、将来的には、AR・VR技術の新たなスタンダードとみなされるようになるかも知れない。


参考URL:

AdHawk Microsystems

, UPLOAD VR


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