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恐怖症の克服にVRが役立つ?!家でできる恐怖症を緩和するVRアプリとは?


VRというと動画やゲームといったエンタメ分野のイメージが強いかもしれませんが、医療分野でもVRが活躍する場面が増えています。

特に目立つのが恐怖症やPTSDなどのメンタルヘルスにおける活用例です。

VRを恐怖症緩和に利用するための研究は国内外で進んでおり、導入する医療機関も増えています。

そこで、今回は恐怖症克服に使われるVRの現状についてまとめました。


VRは恐怖症の克服に役立つ?

 

そもそも恐怖症とは、恐怖の対象と接すると強い不安や恐怖を覚え、場合によってはパニック症状を引き起こす心の病気です。

恐怖の対象となるものは幅広く、

  • ・雷や火といった自然現象
  • ・高所や開放された広場・エレベーターなどの閉所
  • ・針や注射器など尖ったもの

といったものが知られています。

恐怖症の原因ははっきりとはわかっておらず、幼少期の恐怖体験や体質的な要因が関係するともいわれています。

こうした恐怖症に効果的と言われている治療法が「暴露療法」です。

「暴露療法」では患者を危険を伴うことなく恐怖の対象となる事物に直面させることで、適応させ反応を緩和させていきます。

しかし、恐怖の対象の種類によっては暴露療法はコストが高くなったり危険が生じることがあります。

そこでVRを使うことによって、コストを抑えつつ、高所や群衆など通常の暴露療法では危険や困難が伴うシチュエーションでも安全に再現することが可能です。

また、何度失敗しても問題がないことから通常よりもリラックスして治療に臨めるというメリットもあります。

VRの恐怖症克服活用についてさまざまな研究が進められている

このように恐怖症克服の治療に効果的なVRですが、さらに治療に役立てるべくさまざまな研究が進められています。

国内外のVRを活用した心理療法ソリューションの研究や活用事例についてまとめました。

オックスフォード大研究室から生まれた「オックスフォードVR」

イギリスのオックスフォード大学の研究から誕生した「オックスフォードVR」は高所恐怖症の治療のために制作されたソリューションです。

VRゴーグルとグローブを装着し、揺れる吊り橋を渡ったりや高い木の枝先にいるネコを助けると言ったタスクを通じてカウンセリングにつなげていきます。

2時間の治療で患者が感じる恐怖を平均して68%軽減するという検証結果が出ており、治療法としての高い有効性が示されました。

この成果を受け高所恐怖症だけでなく

  • ・広場恐怖症
  • ・パニック障害
  • ・社会不安障害
  • ・うつ病
  • ・統合失調症

にも対応させたVR両方の開発を進めています。

英国の国民保健サービスから400万ポンド、ベンチャーキャピタルから1000万ポンドの資金提供を受けることになりました。

参考:Oxford VR

スペインのPsious社による認知行動療法VR

スペインのPsious社による認知行動療法VR

また、スペインのスタートアップ企業Psious社もVRを使った心理療法ソリューションの開発者として知られています。

  • 飛行機恐怖症
  • 高所恐怖症
  • 広場恐怖症
  • 不安症

などに対応した70のシチュエーションを仮想空間で再現することが可能です。

また、症状の程度に合わせて空港に向かう直前の自宅やタクシーの車内、フライト中の飛行機などを体験することができます。

Psious社のVR心理療法アプリは世界60カ国の医療機関で利用され、約15,000人の患者が体験するなど、VR心理療法分野で確固たる地位を築きつつあるようです。

参考:Psious

和楽会の「バーチャルリアリティ暴露療法」

和楽会の「バーチャルリアリティ暴露療法」

日本国内においてもすでに恐怖症克服にVRを活用する事例が登場しています。

例えば、複数の心療内科クリニックを運営する医療法人和楽会は、「VR元年」の2016年以前からVRを使った治療を行ってきました。

「バーチャルリアリティ暴露療法」は、カウンセリングルームでVRゴーグルを装着し仮想の恐怖状況に直面することによって、だんだんと恐怖感を和らげていくものです。

現在、和楽会の赤坂クリニックにて

  • 飛行機恐怖症
  • 雷恐怖症
  • スピーチ恐怖症
  • 高所恐怖症

の患者を対象に「バーチャルリアリティ暴露療法」が行われています。

参考:医療法人和楽会

魔法アプリ社が「Virtual Reality Exposure System」を開発

魔法アプリ社が「Virtual Reality Exposure System」を開発

効果的なVR暴露療法ですが、専用ソフトウェアがないことから日本国内では未だ定着した治療法とはいえません。

そこで、株式会社魔法アプリはVR曝露療法支援ソフトウェア「Virtual Reality Exposure System」を開発しました。

「Virtual Reality Exposure System」とは、情動や身体反応など普通測定できないものを定量的にカウントする主観的障害単位を利用して患者が感じる不安感を数値化します。

不安を感じるシチュエーションをVRで再現してセッションごとの主観的障害単位をチェックすることで治療に役立てるものです。

2019年には不安症学会で若手優秀演題賞を受賞し、2020年7月には高所・広場・閉所などに社交不安・嘔吐恐怖・特定のPTSDなどにもシステムを応用すべくクラウドファンディングを行っています。

参考:株式会社魔法アプリ



家でできる?恐怖症克服に役立つVRコンテンツ

以上紹介したVR心理療法はクリニック用の専門的なものです。

VRコンテンツの中には家庭でも使えるアプリの中に恐怖症緩和に利用できるものもあります。

代表的なものについて3つご紹介します。

VR Jump Tour

VR Jump Tour

  • 対応デバイス:スマホ(iOS)/OculusGo/GearVR
  • 対応できる症状:高所恐怖症

「VR Jump Tour」は「ドラゴンボール」の舞空術体験ができる実写アプリです。

国内外のさまざまなスポットの上空からのパノラマ景色を楽しむことができ、高所恐怖症の対策に利用することもできます。

画質はやや粗いですがリアルな上昇感と落下感を体験することができるのが特徴です。

一気に飛び立つためジャンプの瞬間は怖さを感じるかもしれませんが、ゆっくりと降り立つので高さに慣れることができます。

VR Jump Tour[App Store]

VR Jump Tour[Oculus Store]

Richie’s Plank Experience

Richie's Plank Experience

  • 対応デバイス:OculusQuest(2)/OculusRift(S)/PSVR、Steam
  • 対応できる症状:高所恐怖症

VR初期を代表する初心者向けアプリ「Richie’s Plank」は高所恐怖症対策に役立つアプリです。

高層ビルの屋上を舞台にしたミニゲーム集となっており、その中でも高層ビルに渡された木の板を歩く「プランク」モードは高所体験に特化したものとなっています。

思わずへたり込んでしまいそうなくらい世界がリアルに作り上げられていますが、危険のない環境で高い場所にいる感覚を体験可能です。

また、その他の「ヒーローアカデミー」モードや「スカイブラッシュ」モードでは、ミッションクリアが主目的となるのでこちらからスタートすることでゲーム感覚で高所に心身を慣らすことができます。

Richie’s Plank Experience[Steam]

Richie’s Plank Experience[PS Store]

Richie’s Plank Experience[Oculus Store]

VirtualSpeech –VR Courses

VirtualSpeech

  • 対応デバイス:スマホ(Android)OculusGo、GearVR
  • 対応できる症状:あがり症

人前に出るとあがってしまい、プレゼンやスピーチをすることがどうしても苦手という方におすすめなのが「VirtualSpeech –VR Courses」です。

聴衆でいっぱいの講演会場や緊張感のある会議室などのシチュエーションを選び、視線が集まる環境を擬似体験することができます。

仮想現実でのスピーチなので失敗しても全くリスクのない状態で、聴衆に向かってしゃべることの心理的ハードルを低減することが可能です。

アプリにはプレゼン資料もダウンロードすることができるので、実際に使う予定のプレゼン資料を確認しながらの練習もできるようになっています。

VirtualSpeech –VR Courses[Google Play]

VirtualSpeech [Oculus Store]

まとめ

VRを使った恐怖症緩和アプリは従来行われてきた暴露療法に最新技術を組み合わせたものです。

仮想現実に恐怖の対象となる事物を再現し、まったく危険がない状況で体験することによって徐々に恐怖に慣れることができるようになります。

これまで治療に効果的ではあるものの実施が困難で普及できなかった認知行動療法ですが、VRを使うことで広く普及していくことが期待されているようです。

また、自宅でも利用できるVRは医師や臨床心理士の負担軽減につながるだけではなく、新型コロナウィルス感染拡大の中でのメンタルヘルスの維持にも役に立ちます。

今後は恐怖症治療だけではなく心療内科全般における必須のツールとしてVRの活用が広がっていくことが予想されます。








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