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VR技術を用いたウェブブラウジングが解決しなければならない課題


様々なWebVRコンテンツ

WebVRなら様々なプラットフォームでVR体験が可能になる


バーチャルリアリティ技術とVRハードウェアの進歩によって、数年前には考えられなかったようなことが現実になりつつある。その世界に入り込んだかのような感覚でプレイできるVRゲームやインタラクティブな360度ドキュメンタリー映像、あるいは世界中の友人と仮想空間を共有できるソーシャルアプリが開発されている。


VRデバイスはこうした新しい体験をもたらしてくれたが、VRデバイスによってパソコンやスマートフォンといったデバイスが過去のものになってしまったわけではない。一般的なウェブサイトを閲覧する場合にはパソコンを使った方が便利だし、360度ではない動画を視聴するならばヘッドセットよりもスマートフォンを使うのがポピュラーな方法だ。


ウェブがVRに適したものになるには、かなり大きな変革が必要になりそうだ。


VRはウェブをどう変えるか


VRポッド

ブラウジングにキーボードやマウスは不要になるかもしれない


古典的ネットワークのイメージ


最近はSF小説や映画に登場する「コンピュータ」も現実的なものが増えてきたが、初期の小説や映画にはユーザが仮想空間に入り込める『ニューロマンサー』的なネットワークがしばしば描かれた。このような世界では、ブラウザでリンクをクリックする代わりに自分自身が仮想世界を移動することで求める情報を探したり、悪の組織のネットワークに入り込んだりする。


実際に世界中の情報にアクセスできるインターネットが普及した現代から見ると驚きの設定だが、VRによってこうした世界が現実化するかもしれない。小さなモニターで情報を見るのではなく、ユーザ自身が電脳世界に「ダイブする」ようになるのだろうか。


VR空間で情報を得る


既に利用できるデバイスとアプリでも、VR空間からインターネットに接続することは可能だ。同じゲームを遊んでいるプレイヤーをオンラインで結ぶだけではなく、ブラウザを表示してネットサーフィンができる『Bigscreen』のようなアプリも存在している。


だが、Bigscreenにはいくつかの欠点がある。例えば、キーボードが見えないことだ。インターネット上で情報を探すときにはGoogleなどの検索エンジンを使うのが一般的だが、キーボードが見えなければ文字入力は難しい。パソコンを使い慣れていればタッチタイピングが可能だが、コントローラーから手を離して手探りでキーボード上の定位置を探す必要がある。


VRヘッドセットの解像度もまだ物足りない。文字が読めないわけではないにしても、小さな文字やアイコンは見分けにくいことがある。また、スクリーンドア効果の存在も否定できない。


また、ブラウザによるVRへの対応は不十分だ。いくつかのブラウザはVRをサポートしているが不完全で、全てのサイトをVRで表示できるわけではない。


VRに最適化されたウェブ


Bigscreen

Bigscreenを使ってPCの画面をVR空間に表示する


ブラウザの機能やBigscreenのような外部のアプリを利用すれば、VRヘッドセットを使ってウェブサイトを閲覧することもできる。だが、そもそもウェブ上のコンテンツは2Dでデザインされている。


VRに対応していないコンテンツ


ウェブサイトをVRデバイスを使って閲覧することはできるが、あえてVR空間でウェブサイトを表示する必要がないと感じるユーザも多いのではないだろうか。そう感じるのも当然だ。


そもそもウェブはVRの使用を想定してデザインされていない。パソコンやスマートフォンのブラウザから見やすいように作られている2Dコンテンツなので、VR空間に表示するメリットはバーチャルな大画面を使えることくらいである。


ハードが先か、コンテンツが先か


パソコンやスマートフォンでの閲覧を前提に作られたウェブサイトがVRでの閲覧に適していないのは仕方がない。だが、VRデバイスが普及すればVRデバイスで表示することを考えてデザインされたサイトも出てくるだろう。


将来のウェブサイトは、PC用、スマートフォン用、VR用とユーザの環境に合わせてデザインが変化するものになるかもしれない。


現時点ではVR用サイトを作っても閲覧者が少ないため、VR用ウェブが拡大するとは考えにくい。しばらくはVRデバイスの普及が先行する必要があるだろう。


進化するVR


VRデバイスを使ってウェブを閲覧するユーザを増やすためには、デバイスの解像度向上やよりリッチな体験を可能にするプラットフォームの拡大が望ましい。JavaScriptによってVRコンテンツを製作可能なWebVRなどはその先駆的な取り組みの一例だ。


現在よりも高性能なVRデバイスが一般の消費者に普及し、VRならではの性質を活かせるプラットフォームの開発が進めばVRウェブは大きく変わる可能性がある。


 


現在のウェブは、情報収集や発信の手段として洗練されたものになっている。蓄積された知識や世界中のニュースに素早くアクセスするための手段としてウェブに勝るものはないだろう。


だが、この形はパソコンやスマートフォンといったハードに依存して発展してきたものだ。将来のウェブは、VRデバイスに合わせて現在とは全く異なる形に成長しているかもしれない。


 


参照元サイト名:Digital Trends

URL:https://www.digitaltrends.com/virtual-reality/future-of-virtual-reality-web-browsing/


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