6月28日から7月1日まで上海で開催されたイベント、Mobile World Congress Shanghai 2017(MWCS 2017)でSamsungがオールインワンVRヘッドセット「Exynos VR III」のリファレンスデザインを公開した。
同イベントのSamsungブースでは、Visual CampのアイトラッキングテクノロジーがExynos VR IIIに搭載されることも発表されている。
高いパフォーマンスを保ったまま、ローパワー、ローラテンシーでアイトラッキングを使用できる。
Exynos VR IIIリファレンスデザイン
上の画像が今回公開されたSamsungの新オールインワンVRヘッドセット、Exynos VR IIIのリファレンスデザインだ。
オールインワンとはコンピューターやモバイルフォンを必要としないVRヘッドセットのことで、そのデバイス一つだけでVRコンテンツが楽しめる。
Exynos VR IIIについてはほとんど詳細が明らかになっていないが、イベントではExynos VR IIIがARM Makli G71 MP20 GPYとM2 Dual 2.5GHz CPUを搭載し、4Kの高画質を75fpsでWide Quad High Definition(WQHD)を90fpsで見ることができることが明らかにされている。
Visual Campのアイトラッキングテクノロジー
MWCS 2017ではVisual CampのアイトラッキングテクノロジーがSamsung Exynos VR III ヘッドセットに搭載されることも発表された。
アイトラッキングはVR/ARテクノロジーに必須の機能で、ユーザーの目の動きをトラッキングし、視線の先だけ高画質にする”フォビエイテッド・レンダリング”などの機能に使われる。
Visual CampのアイトラッキングはExynos VR IIIの発表と同時にMWCS 2017のSamsungブースで公開され注目を集めている。
Visual CampのアイトラッキングテクノロジーはつなげたスマートフォンとオールインワンHMDデバイスの両方で使うことができ、パワー消費も少なく、スマートフォンのCPUがオーバーヒートするのを防ぐこともできるため、モバイルヘッドセットに最適のアイトラッキングテクノロジーだ。
SamsungのExynos 8890チップでCPUパワー消費を計測したところ、3%以下の平均よりかなり低い消費ですむことがわかっている。
高いパフォーマンスを保ったまま、少ないパワー消費でアイトラッキングが使用できる。
Visual Campは同ブースでExynos VR IIIにはアイトラッキングの他にもハンドトラッキング、音声認識、フェイストラッキングなどの機能が追加されることを明らかにしている。
Visual Campについて
Visual Campはスマートフォン向けのアイトラッキングテクノロジーを開発している韓国のスタートアップ企業で、ローラテンシーのアイトラッキングソフトウェアをモバイルVRデバイスにも提供している。
Visual CampのCEO、Suk Yunchan氏 コメント:
「Samsungとコラボレーションすることで、私たちのテクノロジーがMWCS 2017で国際的に注目を集めることができました。
これから韓国のスタートアップ企業として、ハイクオリティなテクノロジーとプロダクトを世界中に届けていきたいと思っています。」
Born2Global Centreのチーフエグゼクティブディレクター、Kim Jong-kap氏 コメント:
「Apple、Google、Facebookがアイトラッキングテクノロジーカンパニーの買収を積極的にしていることからも、VR業界に注目が集まっていることは明らかです。
Visual Campも実力のあるVR関連テクノロジーを開発する企業として、今後に期待しています。」
Visual Campは、Google、Facebook、Alibaba、Kakaoなどの有望企業を集めた2015 Red Herring Asia 100 リストにも名を連ねており、世界中の注目スタートアップ企業をランキングにしたG-Startup Seoul Top 15にも入っている。
今後活躍が期待されているアイトラッキングテクノロジーカンパニーだ。
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