先週のE3では、HTC ViveでプレイできるVRコンテンツが複数展示され、Viveを無線で利用できるようにするDisplayLinkのワイヤレスアダプタも登場した。
HTCは、ますます多くのゲーマーが注目しているこのVRデバイスを購入可能な小売店が増えたことを公式ブログで伝えている。
今や、公式のオンラインストアだけでなくBestBuy.comやその他のオンラインストアがHTC Viveを取り扱っている。
消費者はいつも使っているサイト経由でViveやVive用の各種アクセサリを購入することが可能だ。アカウントがあれば住所入力が不要だったりサイト固有のポイントが利用できたりと、より便利にViveを購入できるようになった。
Vive取り扱いの拡大
![Star Trek Bridge CrewはViveにバンドルされる](http://vrinside.jp/wp-content/uploads/STBC-blog-opt-1-730x456-650x406.jpg)
Viveの購入者は無料で宇宙船の乗組員体験もできる
HTCは、E3でVRに関連する多くの情報が発表された翌週にHTC Viveを取り扱う小売店が増えたことを伝えた。
HTC Viveを購入する場合はオンラインで公式サイトから注文する方法が主だったが、そのためには住所やクレジットカード情報の入力が必要になる。
購入ステップの削減
とにかくViveがほしいと考えている消費者にとって、住所やクレジットカードの入力は大した手間ではない。よくオンラインショッピングをする消費者ならばそうした情報を覚えているので、わざわざ確認しなくても数分で入力できるはずだ。
だが、買おうかやめようかと購入を迷っているユーザにとっては違う。ほんのちょっとしたことでも購入をやめる、少なくとも先送りする理由になってしまうかもしれない。
BestBuy.com、Walmart.com、Jet.com、B&Hでの購入が可能となることで、普段からこれらのサイトを利用しているユーザがViveを購入するときのステップが一つ少なくなる。
そこまで強くViveの購入を決意していなかった消費者でも、勢いで購入してしまうということが増えるかもしれない。
露出の増加
小売店が利益を大きくする方法の一つが、客単価を上げることだ。
各オンラインストアでは、ユーザになるべく多くの商品を購入してもらうための工夫をしている。過去の購入履歴や閲覧履歴に基いておすすめの商品を表示したり、評価の高い新製品をトップページで紹介したりといったものがその一例だ。
Viveを取り扱うサイトを利用するユーザは、こうした機能によってViveを目にする機会が多くなるだろう。頻繁に見かけることで、Viveはユーザにとって馴染みのある存在になることができるかもしれない。
VRヘッドセットのように目新しいものの場合、抵抗感を払拭する意味は大きい。
高まるViveへの期待
![Viveportのサブスクリプションプラン](http://vrinside.jp/wp-content/uploads/HTCC0044_Subscription_VivePORTcom_1280x720_R31-650x366.jpg)
Viveportのサブスクリプションプランでは多くのタイトルが利用できる
高価だが優れたデバイス
HTC Viveは800ドル(8.9万円)と数あるVRヘッドセットの中でも特に本体価格が高いデバイスだ。正面から競合するライバルとしては、今年値下げを行ったOculusRiftやゲーミングPCがなくてもPS4で動作するPSVRがある。
RiftはハンドトラッキングコントローラーのTouchを付けても600ドル(6.7万円)、PSVRはカメラとPS Moveを合わせても5.5万円で、いずれもViveよりは2万円以上安い。
開発者向けの製品も含むならば、8月にはWindows Mixed Realityに対応したMRヘッドセットもHPやAcerから登場する予定となっている。こちらはコントローラー無しで4万円と、やはりViveよりも安い。
Viveは他のVRヘッドセットに比べると高価だが、その性能は高い。数字で比べても対応プレイエリアの広さなどの点でRiftに勝っており、トラッキング性能でもユーザから高い評価を受けている。
サブスクリプションプランの提供
Viveが優れているのは、ハードウェアばかりではない。コンテンツの充実もVRでは重要なポイントだ。
HTCのコンテンツストアであるViveportでは、他のプラットフォームのストアには無いプランが提供されている。
それが定額料金で利用できるサブスクリプションプランだ。
このプランでは対象となる150以上のタイトルから5本を自由に選び、1ヶ月間利用することができる。期間や本数に制限はあるが、VRゲームを個別に購入する場合に比べてお得に多くのタイトルを利用できるプランだ。
月額料金(日本からは800円)が必要だが、Viveの購入者は1ヶ月間無料でこのプランを体験できる。
無料コンテンツの提供
HTCは発売以来Viveの価格を維持しているが、本体の値下げを行わない代わりに様々なバンドルを行っている。
ViveとVR対応のGPUやPCをセットでお得に購入できるバンドル、本体に期間限定の無料コンテンツが付属するバンドルなどが提供されている。
今月は、対象の国からViveを購入すると人気のVR専用タイトル『Star Trek: Bridge Crew』が付属するキャンペーンが実施されているようだ。
日本からの購入の場合は、『Star Trek: Bridge Crew』ではなく『Richie’s Plank Experience』と『Everest VR』が無料となる。
国や時期によって対象タイトルは異なるものの、基本的にいつViveを買っても何かのコンテンツがもらえるので少しだけお得だ。
未発売のコンテンツ・デバイス
現行のコンテンツ以外にも、Viveに期待が集まる理由はある。
E3に出展されたベセスダ・ソフトワークスの『Fallout 4 VR』や『Doom VFR』はHTC Viveに対応することが発表されている。この2作は、いずれも過去に発売された人気タイトルのVR対応版だ。
また、同じくE3にも出展されたDisplayLinkのワイヤレスアダプタを使って無線化することで、HTC Viveは非常に快適なVR体験をもたらしてくれるという。
こうした未登場のソフトウェア・ハードウェアがリリースされれば、さらにHTC Viveの人気は高くなるだろう。
流通ルートが増え、Viveのセールスが底上げされることになりそうだ。
参照元サイト名:Viveブログ
URL:https://blog.vive.com/us/2017/06/19/htc-vive-dials-up-retail-expansion-across-bestbuy-com-and-other-online-retailers/
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