
<クラブW杯:チェルシー3-0パリ・サンジェルマン>◇13日(日本時間14日)◇決勝◇米ニュージャージー州イーストラサフォード
4年に1度の大規模な大会に刷新されたクラブW杯の決勝が行われ、チェルシー(イングランド)が24-25年シーズンの欧州王者パリ・サンジェルマン(フランス)を3-0で破り、旧方式で争われた22年開催大会以来のクラブ世界一に輝いた。大会MVPには決勝で2得点1アシストの活躍を見せたチェルシーのイングランド代表MFコール・パーマー(23)が選ばれた。
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米国開催ならではの華やかな表彰式。クラブ世界一の立役者となったイングランド代表MFパーマーは戸惑っていた。トロフィーを掲げたチェルシー選手の隣にトランプ米大統領。「来場していることは知っていたけど、トロフィーを掲げる壇上に大統領がそのままいるとは思っていなかったので少し混乱した」。
大会最多8万1118人が集まった決勝の舞台。今大会から背番号10を背負う天才アタッカーは欧州王者の守備陣を混乱に陥れた。序盤から鋭い出足で主導権を握り、前半22分に右からのパスを受けて左足でゴール左隅に決めて先制。その8分後にも巧みなキックフェイントでフリーになり、左足でゴール左隅へ流し込んだ。同43分には絶妙なスルーパスでFWジョアンペドロの追加点をアシスト。背中の「10」を誇示した。
きらびやかな照明の下、チームのユニホームスポンサーである米スポーツ用品大手ナイキ社の巨大広告に自分の姿を見つけた。「(ニューヨークの)タイムズ・スクエアとマディソン・スクエア・ガーデンで見ました。彼らの隣にいるのはいい気分」。エムバペやハーランドといった世界的スター選手と並び立つことに戸惑いはなかったようだ。
チェルシーは巨額を費やして補強を繰り返してきたが、優勝賞金など1億ドル(約145億円)以上を手にした。23年夏にマンチェスター・シティーから約87億円の移籍金で加入した23歳の看板選手は「試合前はみんなが僕らの実力を疑っていたようだから、なおさらうれしい」と喜んだ。
24-25年のチームはプレミアリーグで4位に終わったものの、欧州カンファレンスリーグ優勝。欧州CL、欧州リーグだけでなく、廃止された欧州カップウイナーズ杯を合わせた4大会を完全制覇した史上初のクラブとなった。新方式のクラブW杯も制し、英BBCは「投資が栄光につながることを示した」と伝えた。