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アメリカでVRの普及が遅れている


並んで歩く亀

VR普及の歩みは遅い


VRデバイスが登場したばかりの頃、その未来的なデバイスは大いに注目を集めた。しかし、実際に消費者に普及しているのはVRよりもむしろARの方だ。


特にスマートフォンを使うARアプリの存在が大きい。アプリさえダウンロードすれば、手元のスマートフォンでAR技術を無料で使うことができてしまう。


スマートフォンを使うモバイルVRもあるが、こちらは対応する機種(その多くは高価なモデルだ)が必要で、没入感を高めるにはVRヘッドセットもほしい。


eMarketerが発表したレポートでVRの普及が進んでいないのは、そうした事情の表れだと考えられる。


VRの成長は鈍化する


頭を引っ込めた亀

成長はさらに遅くなる?


VR利用者の増加


市場調査会社eMarketerが発表したところによれば、アメリカではVR技術を使用する人の割合が増え続けている。初めて発表されたVRとARに関する予測では、今年中には「毎月VRを利用するユーザ」がアメリカで2,240万人に達するとされた。


この数字は、アメリカの人口の7%に当たる。老若男女を含めた人口の7%と考えれば、さほど悪い数字にも見えない。


だが、この数字はVRデバイスやコンテンツの種類を限っていない。本格的なヘッドセットでプレイするVRゲームはもちろん、テレビ、パソコン、モバイル端末とヘッドセットで実行されるあらゆるアプリ(360度映像・画像やソフトウェアデモを含む)が全てまとめられてしまっている。


VRを使うユーザと一口に言っても、その多くはFacebookやYouTubeで共有される360度映像や360度画像を見るだけの人々だ。彼らもVRを利用するユーザではあるが、熱狂的なVRファンというわけではない。


VRヘッドセットを毎月使うユーザに限った話をすれば、その人数はアメリカ全体でわずか960万人(人口の2.9%)にまで減ってしまう。


成長の鈍化


現時点で、VRを利用するユーザが増えつつあることは確かだ。だが、その成長も鈍くなっているとレポートでは指摘されている。


2016年から2017年にかけて、VR使用は109.5%の増加が期待されている。しかし2018年には63.7%となり、毎月VRを使うユーザが5,000万人近くなると予想される2019年には34.1%の増加となる見込みだ。


eMarketerのアナリストたちは、レポートの中で「VRが近い将来誰もが利用する技術になることはない」と結論付けている。


VR業界内部の声


鎖で繋がれた人

VRヘッドセットの無線化が一つのポイントになる?


外部のアナリストからの報告を待たずとも、VR業界内部の人々もVRの普及が進んでいないことを認識している。先月開催されたVRTLサミットでは、大きくて価格の高いVRヘッドセットと魅力的なコンテンツの不足がその原因とされている。


ヘッドセットの改善


VRTLの共同設立者でManatt DigitalのディレクターでもあるNed Shermanは、カンファレンスの休憩時間に現在のVRヘッドセットについて次のように表現した。


「かさばり、大きく、ケーブルに繋がれている」


こうした特長は、消費者がVRヘッドセットを購入するのを見送る理由となってしまっている。消費者はコンパクトで扱いやすく、無線接続可能なデバイスを好む。


彼のパートナーであるSunny Dhillonは、付け加えた。


「消費者への普及が困難なものになっている理由は、ヘッドセットの値段、ヘッドセットの使いにくいデザイン、まだ技術的な制約を受けているということがあります。


GPUに電力を供給する方法は、未だにバッテリー技術によって大きく制限されています」


VR関連の技術は進歩しているが、コンセントに繋ぐ以外にGPUの電力需要に応えられるのはリチウムイオンバッテリーだけだ。電源の問題が解消されれば、ヘッドセットの無線化・軽量化もさらに進むだろう。


VRCの共同設立者でCTOのRobert Strombergは、VRヘッドセットの限界が変化しつつあると考えている。


「ヘッドセットは合理化され、最終的にはサングラスのようなものになると考えています。外観も優れたものになり、人々がかさばるヘッドセットを付けることもなくなるでしょう。


もちろん、価格も下がるはずです」


Dhillonは、超高速の5G通信によってその流れが進むかもしれないと付け加えた。


「ローカルで処理する必要のない多くのものをクラウドに送ることができます。そうすれば、デバイスの加熱や処理能力不足に悩むことは少なくなるでしょう」


通信回線が高速化すれば、現在は手元で行っている処理をクラウドサービスに任せることも可能になる。通信と画面表示のみにデバイスの機能を絞った、シンクライアントなVRプラットフォームも登場するかもしれない。


コンテンツとデバイス


一方で、VRコンテンツの不足についても言われている。


ユーザが楽しめるVRゲームは存在するが、まだ数が少ない。ユーザに「VRヘッドセットは高いけれど、それでも買いたい」と思わせることのできるコンテンツが必要だ。


VRCのCEO、Guy PrimusはVRデバイスとVRコンテンツが鶏と卵の関係にあると説明した。


コンテンツが増えればヘッドセットを購入する消費者も増える。だが、コンテンツを増やすには多くのVRユーザがいなくてはならない。


 


VRヘッドセットをより使いやすいものにする技術の革新と、そのコンテンツのためにヘッドセットを買っても良いと思わせる魅力的なコンテンツ。この二つのどちらかが出てくれば、VRヘッドセットの普及を早めることができるはずだ。


VR体験の質に直接影響する画面やGPUはもちろん、ヘッドセットの無線化や軽量化といった変化もユーザがVRに抱く印象の改善には重要となるだろう。


 


参照元サイト名:Silicon Valley Business Journal

URL:http://www.bizjournals.com/sanjose/news/2017/05/22/vr-slow-to-catch-on-with-u-s-consumers.html


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