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UnityがSilver Lakeから446億円の資金を獲得


Unityロゴ


ゲーマーならば一度は名前を聞いたことがある、そしてロゴを見たことがあるであろうUnity。多くのVRコンテンツ制作の基盤となるこのゲームエンジンUnity Engineを開発するUnity Technologiesは、各VRヘッドセットのメーカーや半導体メーカーとともにVRにおいて重要な役割を果たす企業の一つだ。


Unityは、未公開株投資企業のSilver Lakeから4億ドル(446億円)もの資金提供を受けるという。この資金はさらに同社の勢いを増すことになるだろう。


VRとUnity Technologies


UnityのCEO、John Riccitiello


Unityでゲーム開発


ゲームエンジンのUnityを制作するUnity Technologiesは、以前からゲーマーやゲーム制作に興味のあるエンジニアにとって馴染みのある企業だった。Unityは個人のユーザならば無料で使えて、PCはもちろんスマートフォンや家庭用ゲーム機用のコンテンツを制作することもできる。


書店でIT系技術・プログラミングを扱ったコーナーに行けば、「Unity入門」「Unityで3Dゲーム制作」といった内容の書籍が並んでいるはずだ。Unityは多くの人が利用しているメジャーな開発環境なので、日本語の情報も豊富に手に入る。


開発ツールには多くの機能があり、2Dゲームも3Dゲームもカバーできるだけの懐の広さがある。


UnityでVRゲーム開発


そうした書籍の中には、UnityでVRゲームを作る方法を扱ったものもある。また、民間企業や公的機関がVRゲーム開発のワークショップを開催するときにも、教材としてUnityが利用されることが多い。


最近のUnity TechnologiesはVRコンテンツの開発に使うエンジンとしてのUnityにも力を入れており、Unity自身が開発者のための入門教室のようなイベントを行うこともある。


VR開発を行う企業の求人でも、Unityエンジニアの募集やUnityでのVR開発経験者を優遇する募集が見られる。


VR開発におけるUnityのシェア


Unity自身は、オリジナルのゲームを開発してVR業界で成功することを目指している企業ではない。しかし、多くの有名なVR/ARゲーム(例えば、ポケモンGOのような)がUnityのソフトウェアを利用して作られている。


そのため、Unityの影響力は非常に大きい。同社のエンジンを用いて作られたVRゲームとARゲームは、世界24億台のデバイス上で実行されているとUnityは発表している。


全VR/ARコンテンツの約60%がUnityを使って作られているという話もあり、シェアの大きさという点では最も成功しているVR関連企業の一つと言えるかもしれない。ゲーム開発に使われるエンジンは、無料で公開されているものから特定のデベロッパーが社内用に開発したものまで無数にある。だが、現時点でUnityと並ぶほど利用されているものはない。


ただ、扱いやすさという点で好まれるUnityはハイエンドゲームの開発には向かない面もあるようだ。別のゲームエンジンであるUnreal EngineはUnityよりもシェアが小さいが、収益は大きいという。


これはUnreal Engineがリアルさにこだわったハイエンド作品に利用されがちであることと関係しているようだ。


Unityの発展とVRの発展


Unityで使えるアセットの例

Unityでは好みのアセットを利用できる


アセットストア


Unityを利用しやすいカジュアルなものにしている理由の一つが、アセットストアの存在だ。アセットストアでは、開発エディターの機能を追加する拡張や特定の処理を簡単に実装するためのプラグイン、キャラクターやオブジェクトの3Dモデルといったものが販売(もしくは無料で配布)されている。


こうしたアセットは、ブラウザやUnityのエディタから購入してダウンロードすればすぐに使える。プログラミングの知識が乏しくても理想に近い動作を組み込めるし、3DCGの技術がなくても3Dゲームの開発が可能だ。もちろん、単純に開発期間の短縮にもなる。


Unityの発展は、アセットストアの発展とともにある。多くのデベロッパーがUnityを開発に利用するようになれば、それだけストアを利用するユーザの数も増える。アセットを提供するクリエイターが利益を得る機会も増えるのだ。


無料コンテンツの増加


Unityで作られたVRコンテンツには、無料で利用できるものも多い。エンジン自体や一部のアセットは無料で利用できるため、開発コストを抑えることができるからだ。


高い制作費用をかけて作られた大型タイトルは、確かに消費者へのアピール力が強い。だが、気軽に遊べる無料コンテンツの力も同様に大きい。


Unityを使って無料のVRゲームを作るデベロッパーが増えれば、ユーザが興味を持つゲームが見つかる可能性も高くなるだろう。


ゲーム以外への利用


ゲームエンジンと呼ばれてはいるものの、Unityで作れるのはゲームだけではない。ゲームの他にも、CG編集ツールやVR映画の制作にも利用できるのがUnityだ。


Unityは、Oculus TouchやViveのワンドコントローラーを使ってVR空間で3Dオブジェクトを編集できるソフトウェアを制作している。この方法は、PCのディスプレイ上で3Dオブジェクトを操作するよりも直感的だ。


今後、ゲームに留まらないVRコンテンツ制作のツールとしてさらにUnityの需要は高まっていくと思われる。少なくとも、Silver Lakeはそう考えて同社への大規模な投資を決断した。


 


参照元サイト名:Bloomberg

URL:https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-05-24/silver-lake-invests-400-million-in-video-game-toolmaker-unity


参照元サイト名:Unity

URL:https://unity3d.com/jp/unity


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