VRやAR、さらにはMRとめざましく技術は進歩している。
さらに視野を広げると、ビッグデータの活用や人工知能(AI)、ロボットといった技術も日々進歩していて、加速度的に未来へと突き進んでいるように錯覚してしまうほどだ。
こうした様々な最新技術を活用することで、ビジネスに革命がもたらされている。
金融サービスと最新技術が結びついて生まれた「フィンテック(FinTech)」もそのひとつ。
そして「フィンテック」に続くものとして注目を集めている「不動産テック(ReTech)」は、その名の通り不動産サービスと最新技術が結びついて生まれたもので、VR技術も関わっている。
この記事では、そんな「不動産テック(ReTech)」の事例についてご紹介したい。
不動産ビジネス革命「不動産テック(ReTech)」とは?
「不動産テック(ReTech)」とはITを活用した新たらしい不動産ビジネスの総称。
「ReTech」は、「Real Estate(不動産)Tech(テック)」の略称だ。
現在「不動産テック(ReTech)」として提供されている主なサービスには、3種類ある。
ひとつは、ビッグデータを活用して不動産の価格比較や、価格の推定を行うサービス。
ふたつめは、スマホからドアの施錠状況の確認が行え、施錠や解錠の実行も可能な「スマートロック」サービス。
そして、みっつめがVRが活用されている不動産内覧サービスだ。
それぞれ具体的な事例を見て行こう。
ビッグデータを活用した価格比較推定サービス
不動産価格の推定や比較サービスは、VRやAIといった最近話題の技術からすると驚きは少ない。
ただ、将来の物件の価格や周囲の不動産価格の相場など、不透明になりがちな情報を誰もが気軽に把握できるという点でメリットの大きいサービスだ。
「イエシル(IESHiL)」
賃貸情報や売買履歴などのビッグデータをもとに、マンションの部屋ごとの価値をリアルタイムに査定し、表示するサービス。
現在価値だけでなく、将来の価値の推測も行ってくれる。
「HOME’Sプライスマップ」
マンションの参考価格を、地図上から調べることができるというサービス。
エリアの平均坪単価も表示されるため、相場を把握することも可能。
スマホから施錠解錠が可能となるスマートロック
「スマートロック」とは、スマートフォンを使って遠隔から施錠状態の確認、施錠・解錠ができるというIOT機器。
機器によっては、施錠・解錠の記録を残したり、時間が経過した場合自動的に施錠するといったこともできる。
「スマートロック」それ自体は不動産というよりも鍵の利便性を高めた機器にすぎないが、内覧用の不動産に設置しておくことで、不動産内覧の際営業員が立ち会わずとも物件の解錠を行うことができるようになる…などの活用事例がある。
「Ninja Lock」
スマートフォンでドア開閉が可能な「スマートロック」。
後付けで設置することができるため、サムターンの形状が対応していれば賃貸住宅でも使用することができる。
VRを活用した不動産内覧サービス
「不動産テック(ReTech)」においてVRは、不動産内覧サービスの形で活用されている。
VRによって実際に物件まで足を伸ばさなくても内覧できるという点がメリット。
また、ゆくゆくは、移動時間がないというメリットから、一度に沢山の物件を内覧することも可能になると思われるが、現在のところはまだまだVR内覧に対応した物件が少ないため、沢山の物件を内覧して比較できる状況には至っていない。
■参考記事
VRを本格的にビジネスで活用!不動産・建築業界向けサービスで内覧はこう変わった
SUUMOスコープ
リクルートの住宅情報アプリ、「SUUMO(スーモ)」の機能として提供されているVR内覧サービス。
スマートフォンアプリとして提供されているため、「Google Cardboard」をはじめとするスマホVRで体験可能。
紙製VRゴーグル「SUUMOスコープ」がフリーペーパー版「SUUMO(スーモ)」の特別付録となることもある。
「不動産テック(ReTech)」はARやMRでさらに進化?
日本の人口は2020年まで減少していくことが分かっている。
これを踏まえると、今後日本が移民を大幅に受け入れるといった状況にならない限り、不動産の需要は減少していうことは間違いない。
このため、「不動産テック(ReTech)」が大きく普及することは考えにくいのではないか…とも思えるが、実際には逆だろう。
需要が減少していくからこそ、最新技術を活用して効率をアップし、生産性を高めなければならないからだ。
今後、VRのみならず、「Google Lends」といったARや、「HoloLens」といったMRが市場投入されれば、それに合わせて新たな「不動産テック(ReTech)」サービスも登場しそうだ。
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