「健康」や「医療」と聞くと、どうしても専門的で少し遠い話のように感じてしまう人も多いのではないでしょうか。しかし、私たちが日々の生活を送るうえで、身体や心の健康は切っても切り離せないテーマです。特に近年は、テクノロジーの進化とともに、医療やヘルスケアの世界も大きく変わりつつあります。
2025年6月21日から、大阪・関西万博の会場内で開催される「HEALTH DESIGN 輝き、生きる ~Live Brighter~」は、そんな最前線の医療や健康にまつわる知識・体験を、誰でもわかりやすく触れることができる展示型イベントです。国や企業が連携し、未来の治療法や介護ロボット、認知症VR体験、再生医療といったテーマを8つのエリアに分けて紹介。体験型のコンテンツが多数用意されており、「ちょっと見てみたいかも」と思わせる内容が並びます。
本イベントは、大阪・関西万博の公式関連イベントとしても位置づけられており、世界に向けて「日本の健康・医療の今と未来」を発信する貴重な機会となっています。
これからの時代をどう生きていくかを考える上で、最先端の取り組みに触れられる本展示は、多くの人にとって新たな気づきをもたらす場となりそうです。
健康・医療・ヘルスケアを「見て・触れて・考える」展示イベント

「HEALTH DESIGN 輝き、生きる ~Live Brighter~」は、単なる医療展示会ではなく、来場者が“体験”を通じて健康や医療を自分ごととして捉えられるよう工夫された展示イベントです。
会場は全部で8つのエリアに分かれており、それぞれに異なるテーマが設定されています。再生医療や介護ロボット、認知症への理解促進といった専門的なテーマも、映像やVR、実物の機器展示などを通じて直感的に理解できるようになっています。
さらにこのイベントは、「人と技術が共生する未来」に焦点をあてたコンセプトのもと、健康や生き方に対する価値観の転換を促す試みでもあります。テクノロジーがもたらす医療の進化だけでなく、それによって私たちの暮らしがどう変わるのか、その可能性を考える場として設計されているのが大きな特徴です。
最先端を体感できる8つの展示エリア
会場内は、「健康・医療・ヘルスケア」という広いテーマを多角的に捉えるために、8つのエリアに分かれています。それぞれのブースでは、医療や福祉の現場で注目されているテクノロジーや社会課題に対する取り組みが、わかりやすく、かつ直感的に理解できる形で紹介されています。
先端医療の研究成果から、障がい者支援技術、認知症との共生を考える展示まで、その切り口は多岐にわたりますが、共通しているのは「体験」を通じて理解を深められること。来場者が実際に見て、触れて、感じることで、自分の生活と未来に引き寄せて考えられるよう工夫されています。
ここからは、各エリアの内容を簡潔に紹介していきます。
新時代の治療法 ~再生医療の最前線~

再生医療の基本的な考え方から最新の研究成果までを、映像や展示を通じて学ぶことができるエリアです。アニメーションのキャラクターなどを用いた映像コンテンツにより、専門知識がなくても理解しやすい工夫がされているのが特徴です。
また、iPS細胞やオルガノイドといった先進的な研究に関する映像展示に加え、実際に培養された細胞などの実物展示も行われており、再生医療の「今」に直接ふれることができる内容です。
障がい者自立支援機器 ~つなぐテクノロジー~

障がいのある方々の生活や就労を支援するためのテクノロジーを紹介する内容となっています。展示されているのは、眼球の動きを利用して操作するスイッチ入力システムや、ジェスチャー認識によるインターフェース、遠隔地から働くことを可能にする就労支援ロボットなどです。
また、子ども用の義手の普及に向けた取り組みも取り上げられており、それぞれの技術がどのように「人と人」「人と社会」をつないでいるのかを体験を通じて知ることができます。
「新しい認知症観」を未来へ!

認知症をより深く理解し、ともに生きる社会のあり方を考えるきっかけとなる展示が行われています。
VR体験スペースでは、認知症の当事者自身の監修によって制作されたコンテンツを通じて、認知症の人の視界を疑似的に体験することができます。認知症に詳しくない人でも、日常生活でどのような世界が見えているのかを実感し、共生社会の必要性について自分ごととして捉えられるようになっています。
また、展示スペースでは、地域で活動する認知症希望大使などの取り組みを紹介する映像のほか、認知症とそれを取り巻く社会の歴史を年表形式で伝えるパネル展示も行われています。
日本の先進的な医薬品等の情報発信

日本の医薬品や医療機器に関する最先端の取り組みを、未来を見据えたストーリー形式で紹介しています。
先進的な医薬品や医療機器に関する取り組みを、国内企業との協力で構成した「近未来の物語」として紹介。専門性の高い内容も、ビジュアルや演出を通じて来場者にわかりやすく伝えられています。
日本発の医療技術や製品が、世界に向けてどのようなビジョンを描いているのかを知ることができるエリアです。
介護ロボット等テクノロジーの普及

介護に役立つテクノロジー機器の展示と体験が行われています。日常的に介護に関わりのない人でも親しみやすい内容となっており、どのような場面でテクノロジーが役立つのかを具体的に知ることができます。
ライフステージごとに直面する課題に対して、介護技術がどのように対応できるのかを紹介することで、介護分野における技術の可能性を実感できる展示内容となっています。
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジって大事だね!

「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」の考え方について、映像と体験型展示を通じて学ぶことができます。UHCとは、経済的な負担に関係なく、すべての人が基礎的な保健医療サービスを受けられる社会の実現を目指す考え方です。
会場では、「UHCとは何か?」という基本的な問いに対し、わかりやすい動画で紹介されており、医療や制度に詳しくない人でも理解しやすい工夫がされています。さらに、「UHCが達成された社会」がどのようなものかを視覚的に体験できるインタラクティブな展示も用意されています。
PHR連携が生み出す、新時代のウェルネス体験

運動・食事・睡眠・暮らしといった日常の行動をテーマに、PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)を活用した新しいウェルネス体験が紹介されています。
PHRを通じて個々人の生活に合わせた最適なサービスが提供されることで、「あなたらしく暮らす」ことがそのまま健康につながる――そんな未来の健康社会の姿を体感できる展示となっています。
次世代医療機器等体験コーナー

医療機器分野の7社、福祉機器分野の6社、合計13社の日本企業による最新技術が集結。テクノロジーを駆使した次世代の医療・福祉機器が展示されています。
医療分野では、実際に現場で活用されている手術支援ロボットや、AIによる画像診断ソフトウェアなどが実演され、技術の進化を間近に感じることができます。福祉分野では、超音波を活用したウェアラブル端末など、最新技術を搭載した機器の体験も可能となっており、医療・福祉の未来像に触れることができる内容となっています。
行政も連携する展示イベントとしての信頼性

本イベントには、インフォーマ マーケッツ ジャパン株式会社による主催のもと、経済産業省や厚生労働省といった行政機関も共催として名を連ねています。
国としても医療・健康・福祉の分野における情報発信や理解促進を重視していることがうかがえ、展示内容の信頼性や社会的意義の高さがうかがえる構成となっています。
「健康」と「未来」を自分ごととして考えるきっかけに
再生医療、認知症支援、介護ロボット、AI診断など、会場に並ぶのはすべて、社会課題とテクノロジーの接点に立つテーマです。そうした先端的な技術や制度を、“見て・触れて・体感する”形で学べるこのイベントは、年齢や専門知識を問わず、多くの人に新たな視点をもたらしてくれるはずです。
変化のスピードが加速する今だからこそ、「自分らしく生きるとは何か」を改めて考える場として、本展示が果たす役割は小さくないのではないでしょうか。
開催概要
HEALTH DESIGN 輝き、生きる ~Live Brighter~
期間:2025年6月21日(土)〜29日(日) 10:00〜19:00(最終日は14:00まで)
会場:EXPOメッセ・北ホール(大阪・関西万博内)
主催:インフォーマ マーケッツ ジャパン株式会社 公式サイト:
公式サイト:https://japanhealthonline.com/healthdesign/