TOKYO, Sep 21, 2022 - (JCN Newswire) - 株式会社読売新聞東京本社(社長:山口 寿一、本社:東京都千代田区)(以下読売新聞社)と、三菱重工グループの三菱重工機械システム株式会社(社長:池田 直昭、本社:神戸市)(以下MHI-MS)はこのほど、新聞輪転機用の自動運転機能「Auto-Pilot Printing(オートパイロットプリンティング)(略称APP)」を共同で開発しました。これにより、オペレーターの経験や技術に頼っていた紙の張り調整や色調調整を、AIを活用して自動で行えるようになるほか、災害や感染症拡大等の有事には、限られた人数のオペレーターによる輪転機の運転が可能となります。本機能は読売新聞鶴見工場で既に実機運用されています。
新聞印刷工場の現場は、オペレーターの高齢化、次世代の要員に対する技術の伝承と人材育成、採用難による後継者不足等が大きな課題となっており、地震・台風等自然災害やコロナ禍のような非常時における一時的な要員確保も対応が必要になっています。これらの課題を解決するため、印刷開始前の初期設定から印刷終了までを自動で行う「APP」の開発を行いました。
APPによる自動運転を実現するための3つの主要技術は以下となります。
(1)印刷時の各種設定値を自動最適化する印刷支援機能「DIANA(ダイアナ)」の高度化(AI化)と印刷品質制御装置「DIAMOND EYE(ダイアモンドアイ)」との統合
(2)印刷用紙の走行を安定させるテンションコントロール(張力制御)機能の高度化
(3)印刷紙面品質の出荷基準に対する合否の自動判定機能
まず、「DIANA」の高度化と「DIAMOND EYE」との統合は、これまでオペレーターの経験に頼っていた紙面や印刷資材にあわせた最適な調整値の設定を、今回開発したAIエンジンが自動で行うものです。
次に、テンションコントロール機能の高度化は、これまでオペレーターの熟練技術に頼っていた印刷開始時の走行紙のテンションコントロールを、高度化された制御システムが自動で行うものです。
最後に、印刷紙面品質の出荷基準に対する合否の自動判定機能は、これまでオペレーターの経験と感覚を頼りに紙面を見ながら行っていた印刷紙面品質の合否判定を、各種制御装置からの信号を基に自動で処理するものです。
■読売新聞社のコメント
APPは、MHI-MSと2019年7月から共同で開発を行い、読売新聞鶴見工場での実機検証を経て実用化に至りました。本成果を一般社団法人日本新聞協会の2022年度新聞技術賞に応募し、選考の結果、9月7日に受賞が決定しました。同賞(2020年度以前は新聞協会賞技術部門)の受賞は2015年度以来です。また、2005年度には三菱重工業株式会社と共同で開発した印刷品質制御装置「DIAMOND EYE」でも受賞しています。今後、他の工場へのAPP導入を進めつつ、新聞業界の課題を技術面でもサポートしていきます。
【読売新聞鶴見工場(所在地:横浜市鶴見区)】
2002年全面稼働。読売新聞東京本社の子会社である株式会社ミナトが運営している。神奈川県と東京都の一部地域の読売新聞を印刷している。
■MHI-MSのコメント
APPは10月から本格販売を開始します。MHI-MSは今後も、ユーザーの要望に応える技術とサービスを追求し新聞製作をサポートするとともに、多様な顧客ニーズに応じてきめ細かく提案営業を行い、新聞業界の発展に貢献していきます。
【三菱重工機械システム株式会社(MHI-MS)】
三菱重工業株式会社の100%子会社で、料金収受機械およびシステム、ETCシステム、油圧機器、甲板機械・デッキクレーン、エアヒータ、機械装置(試験装置、文化・スポーツ施設、加速器)、立体駐車場、鉄構プラント、食品包装機械、ゴム・タイヤ機械、印刷機械・紙工機械、その他機械設備の設計、製造、販売およびアフターサービスを行っている。社会を形成する様々な技術・製品を取り扱う「ものづくり」の会社。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.mhi.com/jp/news/22092005.html
三菱重工グループについて
三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。 www.mhi.com/jp
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